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オフィスマーケットレポート(2024年9月)
【東京都心5区 大規模ビル】
アナリストの視点
港区の空室率は依然として都心5区で最も高い水準となっている。オフィス需要の拡大傾向を背景に空室消化が進んでいるものの、港区は昨年竣工したビルで約5万坪の募集床が残っている。昨年に続き今年の新規供給も港区の割合が高く、供給量の大部分は高価格帯の大規模ビルに集中する。賃料負担力のあるテナントの需要に比べて供給過剰の状況が続いている。
(基準日:2024年8月31日)
※東京都心5区: | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 |
※大規模ビル: | 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル |
※空室率: | 貸付総面積に対する「現空面積」の割合 |
※潜在空室率: | 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象 |
※募集面積: | 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計 |
※統計開始日: | 1994年1月1日 |
Ⅰ.実質GDP成長率
24年度0.8%、25年度1.1%の予測
2024年4-6月期の成長率は前期比年率3.1%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。減税による民間消費の伸びにより7-9月期も高めの成長率が見込まれる。ニッセイ基礎研究所は2024年度、2025年度のGDP成長率を0.8%、1.1%と予測している。(図表1)
Ⅱ.失業率
前月から上昇(=悪化)。新規求人数は11ヵ月ぶりで増加
7月の完全失業率(労働力調査 総務省)は前月から0.2ポイント上昇(=悪化)の2.7%となった。有効求人倍率(厚生労働省)は前月から上昇(=改善)した一方、その先行指標である新規求人倍率は前月から低下(=悪化)した。新規求人数は前年比で11ヵ月ぶりの増加に転じたものの、依然としてコロナ禍前の水準を大きく下回っている。(図表1)
Ⅲ.空室率・潜在空室率
3ヵ月ぶりで上昇。新築ビルが空室を抱えて竣工
空室率は前月比プラス0.35ポイントの4.40%となった。新築ビルがまとまった面積の空室を抱えて竣工したことが上昇要因となっている。潜在空室率も前月比プラス0.25ポイントの6.29%と、空室率同様に3ヵ月ぶりで上昇した。今年の新規供給は比較的低水準に止まるが、供給量は第3四半期に集中しており空室率が押し上げられた。
Ⅳ.募集賃料
前月比では9ヵ月連続で上昇・横ばい。賃料は横ばい傾向を脱しつつある
募集賃料は前月比で小幅な動きが続いているが、9ヵ月連続で上昇または横ばいとなり、横ばい傾向を脱しつつある。募集状況が改善したビルの中には、賃料引き上げの動きが見られる。一方、立地条件等に課題があるビルでは、フリーレント等のキャンペーンを実施するもののテナント誘致活動が長期化している。
Ⅴ.区別 空室率
港区で約1ポイントの大幅な上昇
区別の空室率は、港区が前月から約1ポイントの大幅な上昇となり、3ヵ月ぶりで7%台となった。港区以外は前月からほぼ横ばいの小幅な動きに止まっており、千代田区では1%台の低水準が8ヵ月連続となっている。
Ⅵ.エリア別募集賃料(円/坪)
※規模 (1フロア面積) |
・大規模(200坪以上) ・大型(100坪以上200坪未満) ・中型(50坪以上100坪未満) ・小型(20坪以上50坪未満) |
※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。
Ⅴ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)
Ⅵ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)
※募集賃料:共益費込
※外税表示
提供:三幸エステート株式会社
会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
当レポートは情報提供を目的とし、情報の正確性に十分配慮して作成されておりますが、その内容を保証するものではありません。使用にあたっては貴社の責任と判断にてお願い致します。
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