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住宅地価INDEX 2024年第3四半期(首都圏)
首都圏の住宅地価INDEXは17四半期連続で上昇
首都圏の上昇率は縮小も東京区部は高い上昇率を維持、東京都下は上昇に転じる
首都圏の変動率は+0.5%で、2020年第4四半期以降、17四半期連続で上昇しています。調査地点の動向をみると、上昇地点の減少と横ばい地点の増加により、上昇率は再び弱まりつつあります。
「野村不動産ソリューションズ 住宅地価INDEX」の概要
- 「住宅地価INDEX」は、当社独自の地価調査を指数化し、作成したものです。
- 1989年7月よりスタートし、各店舗の営業エリアにおいて調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定しています。また対象エリアは首都圏、関西圏、名古屋の住宅地および商業地で、236の調査地点を設定しています(首都圏住宅地の調査地点数は169)。
- 調査地点数が必ずしも充分といえないこと、及び地域の網羅性に一部偏りがみられること等により、調査の結果得られた平均価格変動率が、地域の価格動向を必ずしも正確に表しているとは限りませんのでご了承下さい。
Ⅰ.東京区部
東京区部の変動率は+1.3%となり、上昇率は縮小(前回+1.5%)しましたが、住宅地価INDEXは2020年第4四半期以降、17四半期連続で上昇しています。ただし、調査地点の動向をみると、上昇地点の減少と横ばい地点の増加により、東京区部においても上昇率は弱まりつつあります。
都心5区ではアジア系外国人や富裕層等の購入ニーズを背景に、千代田区・中央区・港区・新宿区で価格上昇が続いていますが、渋谷区では上昇地点が減少しました。渋谷区隣接の目黒区・中野区と文京区・大田区・江戸川区・荒川区においても上昇地点が減少しました。株価・為替変動や金利上昇等により、市場の動向を様子見する顧客の動き等が影響していると見られます。一方、杉並区・世田谷区と前期下落地点が増加した練馬区では上昇地点が増加しました。
Ⅱ.東京都下
東京都下の変動率は+0.6%となり、上昇に転じました(前回▲0.1%)。狛江市で価格上昇が続いており、前期横ばいだった中央線沿線の国分寺市・国立市は上昇に転じました。分割可能な土地の購入ニーズが価格上昇に影響しているケースが見受けられるようです。一方で、三鷹市(三鷹台)・調布市・稲城市・西東京市の私鉄沿線では下落が見られ、その他のエリアでは横ばいとなっています。
Ⅲ.神奈川県
神奈川県の変動率は+0.4%となり、上昇率が縮小しました(前回+0.5%) 。住環境が良好で交通利便性が向上した横浜市港北区(日吉)、川崎市麻生区(新百合ヶ丘)で価格上昇が続いており、川崎市幸区(矢向)と茅ヶ崎市の地点で上昇が見られました。一方、横浜市金沢区(金沢文庫)の地点では、横ばいから下落に転じ、横浜市戸塚区(戸塚)・栄区(本郷台)の地点では、引き続き下落が見られました。優良物件を除き、価格を下げて成約している物件が増加傾向にあります。
Ⅳ.埼玉県
埼玉県の変動率は+0.1%となり、上昇率が縮小しました(前回+1.0%)。大半の地点が横ばいとなり、前期までの上昇基調が弱まっています。なお、建築費高騰の影響から、大手パワービルダーが相場目線を下げる動きが目立っているようです。
Ⅴ.千葉県
千葉県の変動率は±0%となりました。前期上昇した船橋市・八千代市・浦安市の地点が横ばいに転じ、全ての地点で横ばいとなりました。価格上昇は一服したものの、総武線沿線や新浦安エリアにおける土地・戸建の販売は引き続き好調で、需給バランスは均衡した状態となっています。
Ⅵ.図表:住宅地価INDEX 推移グラフ
各調査地点の詳細については、「住宅地地価相場表」をご覧ください。
法人営業本部/リサーチ・コンサルティング部
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