オフィスマーケットレポート(2024年12月)
【東京都心5区 大規模ビル】

アナリストの視点

オフィス移転の目的には、リモートワークを含めたハイブリッドな働き方に対応したオフィスの構築はもちろんのこと、立地やビルグレードの改善が多く見られる。給与水準や働きやすさだけでなく、入居するビルの「質」が社員満足度を向上させ、採用難に対する有力なソリューションになると考えられており、この傾向は今後も続くとみられる。
(基準日:2024年11月30日)


※東京都心5区: 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
※大規模ビル: 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル
※空室率: 貸付総面積に対する「現空面積」の割合
※潜在空室率: 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象
※募集面積: 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計
※統計開始: 1994年1月1日

Ⅰ.実質GDP成長率

景気の回復基調は維持されると予測

2024年7-9月期の実質GDP成長率(内閣府)は、減税による民間消費の高い伸びを背景に2四半期連続のプラス成長となった。ニッセイ基礎研究所は今後3年間の実質GDP成長率を2024年度0.4%、2025年度1.1%、2026年度1.2%とし、景気の回復基調は維持されると予測している。(図表1)

Ⅱ.失業率

前月から上昇(=悪化)。女性の就業者数 過去最高を更新

10月の完全失業率(労働力調査 総務省)は前月から0.1ポイント上昇(=悪化)の2.5%となった。有効求人倍率(厚生労働省)、その先行指標である新規求人倍率はともに前月から上昇(=改善)している。女性の就業者数(季節調整値)は3ヵ月連続で過去最高を更新した。(図表1)

【図表1】主要経済指標データ
20241224_5ku_image01.jpg出所:ニッセイ基礎研究所

Ⅲ.空室率・潜在空室率

3ヵ月連続の低下。ともに緩やかな低下傾向

空室率は前月比マイナス0.24ポイントの3.71%となり、3ヵ月連続での低下となった。拡張移転や館内増床により比較的まとまった面積の空室が消化されている。潜在空室率は前月比マイナス0.15ポイントの5.73%となった。低水準の新規供給を背景に、空室率・潜在空室率ともに緩やかな低下傾向にある。

【図表2】空室率&潜在空室率
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Ⅳ.募集賃料

12ヵ月連続で前月比上昇・横ばい。緩やかな上昇傾向

募集賃料は前月から小幅に上昇した。12ヵ月連続して前月比で上昇または横ばいとなり、賃料は上昇傾向にある。オフィスエリアによっては募集床に品薄感が漂っており、リーシング活動が長期化している湾岸エリアとの間で二極化が見られる。

【図表3】募集賃料&募集面積
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Ⅴ.成約面積

オフィス需要は拡大傾向が継続。第1~第3四半期の合計は前年同期を上回る

2024年第3四半期の成約面積は対前年同期比でプラスとなった。第1~第3四半期の合計でも前年同期を上回り、オフィス需要の拡大傾向が継続している。テナントの移転に向けた動きは活発で、2024年の年間成約面積も前年を上回る可能性が高い。

【図表4】成約面積(四半期)
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Ⅵ.エリア別募集賃料(円/坪)

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※規模
(1フロア面積)
・大規模(200坪以上)
・大型(100坪以上200坪未満)
・中型(50坪以上100坪未満)
・小型(20坪以上50坪未満)

※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。

Ⅶ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)

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Ⅷ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)

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※募集賃料:共益費込
※外税表示

提供:三幸エステート株式会社

会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
当レポートは情報提供を目的とし、情報の正確性に十分配慮して作成されておりますが、その内容を保証するものではありません。使用にあたっては貴社の責任と判断にてお願い致します。

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