東京23区と主な政令指定都市の人口推計に関する検討について(第1回)
グループ分けした区分による検討

2021年6月に国勢調査の速報版として、現在の人口推計が発表されました。その内容について当社では、「国勢調査速報版と将来推計人口の差異率について」レポートにおいて、報告をさせていただきました。

本レポートでは、東京23区と主な政令指定都市の社人研・各自治体が発表する人口について、将来推計と実際の人口の推移を比較・検討します。投資物件や今後行う事業への検討にご利用ください。

Ⅰ-Ⅰ.レポートの構成と意義

1.将来人口推計の発表と各指標の比較の意義
数年後には国勢調査を活用して、様々な機関から将来の人口予測推計が発表されます。全国的には国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」とします)が、推計を発表します。ほかに各自治体も独自の推計を発表しています。

各自治体の将来推計は、地域の事情を勘案するため、社人研の推計との間には差異が発生します。また実際の人口の推移と将来推計との間にも、差異は発生します。各地域に投資を行うにあたっては、なるべく正確な将来人口推計を基とする方がよいと思われます。

次回発表までの数年の間、これら各指標を比較することで、将来推計の修正が可能となり、より適確な投資の予測ができるものと考えます。

また各区独自の推計を行っていない都市やその推計が、大きく実数と異なっている都市があります。そのような都市については、子育て等各種政策が後手になっている可能性もあろうかと考えます。そのため投資にあたっては、その意思決定に関連する政策内容や実効性について、改めて確認する必要がありそうです。

2.2回に分けた検討について
東京23区と政令指定都市の人口推計に関する検討について、2回に分けて行いました。

まず第一回として、23区と政令指定都市を街の性格が似たグループに分け、その傾向を検討しました。

次に第二回として、区や都市各々を単位として検討を行っています。データを採用する期間は2015年~2065年とし、各区や都市で該当する年のデータがなければその旨記載しています。

Ⅰ-Ⅱ.グループ分けした区分による検討

1.グループ分けと採用データ
東京23区と主な政令指定都市について、下記のグループに分け、各自治体が発表した将来人口推計から傾向を検討しています。
①「都心3区」:千代田区 中央区 港区
②「副都心等」:新宿区 文京区 台東区 渋谷区 豊島区
③「城南城西等」:江東区 品川区 目黒区 大田区 世田谷区 中野区 杉並区
④「周辺区」:墨田区 北区 荒川区 板橋区 練馬区 足立区 葛飾区 江戸川区
⑤「主な政令指定都市 関東以東」:札幌市 仙台市 さいたま市 川崎市 横浜市
⑥「主な政令指定都市 中部以西」:名古屋市 京都市 大阪市

2.まとめ~グループ同士の比較~
上記1において①~④の順で、地価が高い傾向にあります。地価と比例して、①~④の順で、人口の維持・発展の推計が良好である傾向にあると思われます。また同じグループにある都市についても、必ずしも同程度の人口の維持・発展が確保されているわけではないことが伺えます。

なお予測の時期が異なることもあり、精度は各都市により差異があると思われます。実際の人口とも比較する第二回のレポートもご参照ください。

3.各グループについて


提供:法人営業本部 リサーチ・コンサルティング部

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