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国勢調査速報版と将来推計人口の差異率について
Ⅰ.国勢調査速報版の概要
6月25日に本年度行われた国勢調査の速報版が発表になりました。概要は以下のとおりです。
・日本の人口は1億2622万7千人(2020年(令和2年)10月1日現在)
・2015年から868万8千人減少、0.7%減、年平均0.14%減
・2015年に引き続き人口減少、人口は世界で11番目、人口密度は世界平均の5.6倍
・東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で全国の約3割を占める ・東京都、神奈川県、埼玉県など9都府県で人口増加、38道府県で減少
・我が国の世帯数は5572万世帯(2020年(令和2年)10月1日現在)2015年から227万1千世帯増加、4.2%増
・世帯数は41都道府県で増加
なお人口は減少していますが、減少幅は前回調査より縮小しています。報道によると、総務省の見解では外国人が大幅に増加したこと、コロナで帰国した方が増加したことがその理由とのことです。
Ⅱ.国勢調査速報版と将来推計人口について
人口の将来予測としては、国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した日本の地域別将来推計人口(以下「本推計」)があり、人口予測が必要な官民の様々な調査で利用されています。
国勢調査が行われてから次回の本推計が更新されるまで、通常、2~3年の期間を要することから、その間、本推計を用いた調査の調整に活用いただくことを目途に、直近の国勢調査と2020年および2021年の将来人口推計との差異率を下記の通り定義してご報告させていただきます。
国勢調査と人口推計の差異率 = 国勢調査 ÷ 将来人口推計 - 100%
なお本推計には2021年の予測値はないため、下記の式により2020年と2025年の数値を用い変化率が一定であると仮定して2021年の値を想定しています。
2021年の将来人口推計(想定、下表③)
=((2020年の将来人口推計)×4+(2025年の将来人口推計)×1)÷5
都道府県別の最高値と最低値の差異率について2020年ベースでは2.4%(東京都)~-1.1%(岩手県)とその差は3.5%となり、2021年想定ベースでは2.2%(東京都)~-0.1%(新潟県)と同じく2.3%の差となりました。
差異率の差は2020年の方が3.5%と2021年の2.3%に比較して大きくなっていますが、各都道府県の差異率の絶対値は2021年の方が大きくなっています。
今回の国勢調査での人口減少幅の縮小の一因とされる外国人増加やコロナ帰国等の影響もあると考えますが、国勢調査と今後の人口推計との差異率は後年の方がより大きくなる可能性を表しているものと考えられます。
提供:法人営業本部 リサーチ・コンサルティング部
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