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【国立市】誰もが楽しく学べる防災フェスタなど、防災意識啓発の取り組みにも力を入れる国立市

 
「国立」駅前の様子「国立」駅前の様子

国立市は東京都の中央部に位置します。東は府中市、西は立川市、北は国分寺市、南は日野市に接しており、日野市との境には多摩川が流れています。

市域の北端にある「国立」駅の南側一帯は、「一橋大学」を中心に学園都市として開発されたエリアで、文教地区に指定され良好な環境が保たれています。また、多摩地区では有数の高級住宅街としても知られています。

地形的な特徴としては、市域の約6割を占める北部の「立川段丘」、そこより一段低い「青柳段丘」、さらにその南の「多摩川沖積地」というように、独自の段状の地形を成しています。また市域西部には南東方向に立川断層帯が走っています。

なお「国立」という駅名は、「国分寺」駅と「立川」駅の間にあることから両駅の頭文字を取って付けられました。「この地から新しい国が立つ」という願いも込められていたとされ、その駅名が現在の「国立市」という市名の由来にもなっています。

市の防災対策の基本となる「国立市総合防災計画」

国立市では「国立市総合防災計画」として各種災害への対応をまとめています。この計画では地震災害、風水害、大規模事故に加えて健康危機への対策も扱っており、減災計画・応急復旧計画・復興計画というように時系列的に体系化、さらに東海地震事前対策についても記載しています。

国立市では、東京都防災会議による被害想定の前提となっている地震(多摩直下地震、東京湾北部地震、元禄型関東地震、立川断層帯地震)のうち、国立市での被害合計が最も大きいと想定される「立川断層帯地震(M7.4)」を、防災計画の前提条件としています。この地震では市内ほぼ全域で震度6強(一部で震度7)の揺れが想定されています。

また風水害については、市域の南に多摩川があることから、多摩川の洪水による越水被害や堤防決壊、台風や集中豪雨による浸水被害、大雨などに伴う急傾斜地の崩壊などを想定し、組織的に対処するための仕組みを定めています。

国立市ではこの防災計画の中で、震災のための減災目標として、(1)死傷者を半数以下にする、(2)避難者を減少させる(ライフライン早期復旧による避難者の早期帰宅も含む)、(3)建物の倒壊・焼失棟数を減少させる(建物の耐震補強や出火予防、初期消火など)の3つを掲げ、これらを実現するための具体的な対策をソフト・ハード両面からまとめています。

 

国立市の防災マップ、ハザードマップを見てみよう
国立市の防災マップ国立市の防災マップ

国立市の「防災マップ」には、「指定避難所」、「指定緊急避難場所(広域避難場所)」、「一時集合場所」など避難場所の位置や、日頃からの備えについて掲載されています。

「指定避難所」は災害により自宅で生活が困難になった人が一時的に生活を営む場所で、市立小・中学校が指定されています。「一時集合場所」は地震直後に近隣住民が集まって情報連絡や安否確認をするための場所で、市内の学校や公園などが指定されています。

また「指定緊急避難場所(広域避難場所)」は、震災などによる市街地大火から一時的に安全を確保するための場所で、国立市内では一橋大学構内、東京女子体育大学構内、中央郵政研修センター、谷保第三公園周辺、多摩川河川敷公園、都立立川国際中等教育学校周辺の6ヵ所が指定されています。

国立市の土砂災害ハザードマップ国立市の土砂災害ハザードマップ

土砂災害ハザードマップ」は東京都が指定した土砂災害(特別)警戒区域を示したものです。国立市内では2019(令和元)年9月に谷保地区の一部で新たに3ヵ所の土砂災害警戒区域が追加されています。

洪水ハザードマップ」は多摩川が氾濫した場合の浸水想定区域および最大浸水深などを示したものです。市域の南部、特に青柳段丘崖以南の多摩川沖積地で注意が必要なことがマップから分かります。

このほか、大雨が降った際にそれを下水道に排水しきれずに浸水が想定される区域とその深さを示した「内水ハザードマップ」もあります。内水浸水想定区域は市全体に分布していますので自宅周辺のリスクについて事前に確認しておきたいものです。

 

防災情報ブック「くにたちの災害対策」
国立市防災情報ブック「くにたちの災害対策」国立市防災情報ブック「くにたちの災害対策」

国立市では、災害に関する基本知識や各家庭で備えておくべきこと、避難の流れ、取るべき行動などを「くにたちの災害対策」として冊子にまとめ、市民に配布しています。この中には前述の防災マップやハザードマップも掲載されています。

また市では大災害に備えて、自分の身は自分で守る「自助」および互いに助け合う「共助」の促進のために各種補助事業を実施しており、そうした情報もこの冊子の中に一覧でまとめられています。

例えば木造住宅の耐震診断費用や耐震改修費用の助成、出火および延焼を防ぐための感電ブレーカーの購入費用の助成、ブロック塀等の撤去等工事費用の助成、生垣新設費用の補助など、さまざまな制度があります。

 

地域防災力の向上のために

災害による被害を軽減するためには、地域住民同士が助け合う「共助」の精神も不可欠です。日頃からの地域の結びつきが強い地域ほど、いざという時に助け合いの活動が円滑に行われます。

その中心的役割を担うのが自主防災組織です。市内ではすでに25を超える自主防災組織が結成され、それぞれが災害に備えて防災資機材の動作確認や防災訓練などの活動を行っていますが、まだ結成されていない地域もあり、市ではその結成を促進しています。

また防災訓練にも力を入れています。これまで防災訓練に参加したことがない人にも楽しんで防災を学んでもらえるようにと、2022(令和4)年度の総合防災訓練は2日間にわたってフェスタ形式で行われました(初日は夜の避難所体験)。

このほかにも避難所宿泊訓練、避難所運営ゲーム(HUG)、コロナ禍における避難所開設訓練、医療系防災訓練、福祉施設での発災初動期の図上訓練など、さまざまな視点で防災訓練が行われています。

また、市の防災安全課の職員による「防災出前講座」も行われています。講座内容は「防災マップ・ハザードマップ」、「水害(マイ・タイムライン)」、「避難所」、「備蓄品」、「災害時のトイレ」など数種類が用意されており、それ以外のテーマも相談可能です。

このように国立市では、市民の防災意識向上による地域防災力強化を図りながら、地域特性に合わせた防災対策を推進しています。

掲載日
2023/03/31

本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。

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