マンションの売却を検討する際、「何から始めたらよいのか」「諸費用はどのくらいかかるのか」「希望の金額で売れるのだろうか」など様々な疑問や不安があるでしょう。人生でも、そう多く経験することではないので、わからないことが多くて当然です。初めてマンション売却をする方へ、マンション売却の流れや売却にかかる諸費用・税金などの基礎知識を解説します。
「マンションを売ろう」と考える背景には、何かしらの理由があるはずです。売却を考える事情やスケジュールによって、売却方法は変わってきます。「何のためにマンション売却をするのか」「いつまでに売却をしたいのか」「いくらで売却したいのか」など理想に近い形で売却を進めるためにも、あらかじめ希望や条件を整理しておきましょう。「可能な限りさまざまな方法で広く購入希望者を募りたい」「周囲の人には知られずに売却したい」など、売却方法に関する希望がある場合は、整理しておくことをオススメします。
売却の計画がある程度整理できたら、不動産会社に相談しましょう。マンション売却を考える事情やスケジュールによって、売却方法は変わってきます。ご所有のマンションがどれ位の価格で売れるのか、住宅ローンが残っている物件を売るにはどうしたらよいか、また、税金や仲介手数料といった諸経費をどのくらい見込めばよいかなど、状況にあった売却方法を営業担当者がご提案します。また、査定金額も提示してもらえるので、実際に売却を進めた場合、どのくらいの金額で売却できるかの目安も知ることができます。
査定には大きく分けて2つの方法があります。不動産会社に問い合わせると、価格算出の方法について聞かれることがほとんどです。どちらの査定方法で依頼するか、事前に確認しておきましょう。
お客様より伝えていただいた物件情報をもとに、周辺の類似物件の売出事例や成約事例、市況を加味した上で、おおよその査定金額を算出します。
実際に物件へ訪問して、お部屋の状態(間取り、リフォームの必要性など)や、道路と敷地の位置関係、境界の有無(戸建・土地の場合)など、細かく確認することで精度の高い査定価格を算出します。
査定金額の結果や売却相談時の対応を考慮して、売却をお願いする不動産会社を選んだら、媒介契約(不動産の売却を依頼する契約)を結びます。 媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類の契約形態があります。
いずれも基本的な内容は同じですが、販売状況の報告を売主に行う頻度が異なる点、仲介(媒介)を複数に依頼できるか否か、売主が自ら見つけた購入希望者と直接売買契約ができるか、できないかなど、それぞれ特徴があります。媒介契約の内容や特徴をしっかりと確認し、分からないところは説明をうけ、自分の意思を不動産会社にしっかりと伝えたうえで、媒介契約を締結しましょう。
媒介契約の締結が完了すると、いよいよ売却活動の開始です。不動産会社の自社サイトや不動産ポータルサイトに売却物件が掲載されるようになります。また、新聞折り込みチラシやダイレクトメールなど、様々な手法で購入希望者を探すための物件広告を実施していきます。
お問い合わせをいただくと、週末を中心に購入検討者が内見に来るようになります。なるべく週末は予定を空けておくようにしましょう。また、内見の予約は急に入ることもあります。不動産を売却するということは、今のお住まいが購入検討者に買っていただく「商品」になるということです。商品の魅力を引き出し、効率的な売却を行うためにも、お部屋が広く見えるよう、日ごろから整理整頓や室内のクリーニングをして、第一印象を良くする工夫をしていきましょう。
購入希望者が現れると、不動産会社から「購入申込書」を受領し、契約条件について調整を行います。購入希望価格、契約・引渡希望日、代金支払いの条件や、買主様の融資利用の有無等、細かな条件も記載されていますので、不動産会社からしっかり説明を受けて、売却の条件に合致するか判断するようにしましょう。
売主様、買主様間で合意に至ったら、売買契約を取り交わします。契約当日は、手付金や実印、登記済権利証(登記識別情報)、仲介手数料の半金等、用意する書類・金銭があるので、余裕をもって準備を進めるようにしましょう。
残代金の受領日までに引越しや公共料金の清算などを済ませ、買主様へ引渡せる状態にする必要があります。引渡しは契約時に約束した状態で行なわなければなりませんので、引越し後の状況を確認しておきましょう。なお、売却する物件に住宅ローンの残債がある場合、物件の引き渡し前までに抵当権を抹消する手続きが必要になります。原則として、残代金の受取り日決定後に手続きを進める必要があるため、不動産会社の指示をよく聞いて、もれなく手続きを進めるようにしましょう。
引渡しの日が近づくと、売主様・買主様双方立ち合いにて、現地の最終確認を行います。家具がなくなった状態で、物件と不随する設備などを一つひとつ確認し、引渡日に備えます。
契約時に定めた内容で物件の引渡しを行います。所有権移転登記、残代金の受領、物件の鍵の引き渡しを行います。売却する物件に、住宅ローンの残債がある場合は、借入先の金融機関にて抵当権抹消書類の受領をしたうえで、抵当権の抹消登記を司法書士に依頼します。契約時と同様、登記済み権利証(登記識別情報)や印鑑証明書、物件の鍵(宅配ボックスやポストの暗証番号も含む)、仲介手数料の半金など、用意する書類・金銭があるので、余裕をもって準備を進めるようにしましょう。
マンション売却を検討する際、現在のマンション売却相場を確認するための指標として「周辺のマンションがいくらで売られているのか」を把握することはとても有益です。 「マンション周辺売却相場」では、ノムコムに掲載されている物件の売り出し事例から、価格の目安やおおよその相場情報をご確認いただけます。
首都圏・関西・東海の人気の高いマンションの推定相場価格を公開しているので、誰でも気軽にマンションの相場価格がわかります。気になるマンションを「地図から探す」こともできるので、マンション相場価格を地図上で直観的に把握することも可能です。
マンションを売却する際には、様々な諸経費がかかります。売買金額から売却にかかる経費・税金を引いた分が手取額となります。
売却価格ー諸費用=手取り額
経費 | 仲介手数料 | 成約価格の3%+6万円(別途消費税) |
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印紙税 | 売買契約書に貼付します。 ※売買契約書に記載された契約金額により税額が変わります。 |
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税金 | 譲渡所得税 ・住民税 |
土地・建物などを売却した場合、その譲渡益に対して他の所得と分離して所得税と住民税が課税されます。 ※マイホーム(居住用財産)を売却した時は各種特例制度が利用できる場合があります。 |
その他 | 登記費用・ 司法書士報酬 |
●登記上の住所が現住所と異なる場合(住所変更登記) ●ご所有の不動産に抵当権が設定されている場合(抵当権抹消登記) |
経費 | |
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仲介手数料 | 印紙税 |
成約価格の3%+6万円(別途消費税) | 売買契約書に貼付します。 ※売買契約書に記載された契約金額により税額が変わります。 |
税金 | |
譲渡所得税・住民税 | |
マンションを売却して利益が出た場合、その売却益に対して他の所得と分離して所得税と住民税が課税されます。 ※マイホーム(居住用財産)を売却した時は各種特例制度が利用できる場合があります。 |
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その他 | |
登記費用・司法書士報酬 | |
●登記上の住所が現住所と異なる場合(住所変更登記) ●ご所有の不動産に抵当権が設定されている場合(抵当権抹消登記) |
野村の仲介+(PLUS)ではお客様に安心してスムーズにお取引を行っていただけるように多様なサービスメニューをご用意しています。
無料です。不動産査定には大きく分けて、机上査定(簡易査定)と訪問査定(現地査定)があり、周辺の類似事例と該当物件を比較して、概ね3カ月以内に売れると想定した「査定価格」を割り出します。 机上査定では物件の見学は行わず、周辺の類似物件の売出事例や成約事例、市況を加味した上で、おおよその査定金額を算出します。一方、訪問査定は仲介業者が、実際に物件を見学し、お部屋の状態(間取り、リフォームの必要性など)や、道路と敷地の位置関係、境界の有無(戸建・土地の場合)など、細かく確認することで精度の高い査定価格を算出します。
ご相談からご成約、引渡しまで、1ヶ月~6ヶ月を目安とするとよいでしょう。売却に向けた営業活動は、1ヵ月~3ヶ月を目標に行われることが一般的ですが、物件によっては時間を要します。また、売買契約後、残金決済までに現金なら1週間程度ですが、購入者のローン審査には1ヶ月ほどかかりますので、買主様の状況によっても期間は前後します。
物件の特徴や価格相場などを客観的にチェックしましょう。同じ地域のマンションであっても、築年数や階数、眺望などによって条件は異なります。また、住んでいる間に補修やリフォームした部分、不具合などもあれば、書き出しておきます。マンションの管理体制、管理員の勤務時間、ご近所との関係や、駅からの距離、学校や病院、公園までの距離など周辺環境を整理して、住むうえでの魅力をピックアップします。大規模マンションの場合は、ゲストルームやキッズルームなど共用施設の充実や、管理組合活動など、実際に住んでみなければ分からないアピールポイントを、不動産営業担当者へ細かく積極的に伝えるのも、査定金額アップ、早期成約への重要なポイントです。売るために必要な書類として、分譲時のパンフレットや図面、権利書や固定資産税納付書も揃えておきましょう。