基礎知識

不動産を売却する方法と流れ|
家や土地を売るときに知っておくべき手続きと注意点

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「自宅を売却したいけど、どうしたらいいかわからない」……そんなお悩みはありませんか?多くの方にとって不動産を売却する経験は何度もないものなので、不安に思われるのも無理はありません。

しかし、流れをしっかり把握して不動産会社の力を借りれば、どなたでも不動産を売却することができます。不動産を売却するまでの手順を徹底解説しますので、参考にしてください。

目次

不動産の売却までの流れ

自宅や土地などの不動産を売却するためには、主に以下のような手順を踏まなければいけません。

  • 1. 売却相談をする
  • 2. 査定・物件の確認・調査を受ける
  • 3. 媒介契約を結ぶ
  • 4. 売却活動の準備
  • 5. 売却活動
  • 6. 購入希望者と売買契約を締結する
  • 7. 売買契約後の手続きを行う
  • 8. 残代金の決済・引き渡しを行う

上記の項目を見て「難しそう」「面倒そう」と思われた方もいらっしゃるかと思います。確かに不動産売買は専門用語や法律用語が飛び交う世界であり、はじめての方には若干とっつきにくく感じられますが、着実に手順を踏んでいけば大丈夫。それぞれ具体的に何をすべきなのか?どんな注意点があるのか?手順ごとに詳しく解説していきます。

1. 売却相談をする

まずは不動産会社に相談してみましょう。物件の売却相談時には以下のような事柄を伝えてください。条件に合わせてどのように動いていけばよいのか教えてくれるはずです。

  • 売却の目的・動機
  • 売却の期限
  • 売却したい金額

ご自宅を建てたとき、あるいは物件を購入したときに受け取ったパンフレットやカタログ、売買契約書、重要事項説明書などの資料を持参するとスムーズに話が進みます。一度ご自宅を探してみてください。もちろんこれらの資料がなくても問題ありません。

また、現在所有している物件の住宅ローンをまだ払っている場合は、そのローンの残額も調べておきましょう。 希望売却価格はそのローン残高を上回ることが望ましいのですが、周辺相場よりも残高が高い、ということもあり得ます。この事は、本編の後半でも詳しく説明します。

また、ご自身の物件の良い点と悪い点をあらかじめ書き出しておき、すべて担当者に伝えましょう。特に注意したいのは、悪い点も隠さず伝えるということです。もし物件になんらかの不具合があるにもかかわらず、それを伝えていなかった場合はのちのち重大なトラブルになる可能性があります。この点については後ほど詳しく解説します。

1-1. 自分でも売却相場を調べておく

不動産会社に相談する前に、ご自身の物件がどれくらいの値段で売れるのかを把握しておきましょう。不動産会社によって提示する価格にばらつきがあります。相場観を知らないと、提示された査定価格が妥当なものかどうかもわかりません。ざっくりとでもよいので物件の価値を調べてみましょう。

相場は以下のような方法で知ることができます。

仮に、相談したときの見積額や査定時に提示される査定額とご自身が調べた相場との間に大きな隔たりがある場合は、その理由を尋ねるようにしましょう。良識のある不動産会社なら誠実に根拠を説明してくれるはずです。しかし、一部には物件を安値で買い叩く不動産会社も存在します。もしも、はぐらかしたり明確な説明がなかったりした場合は要注意です。

2. 査定・物件の確認・調査を受ける

不動産会社のスタッフに実際に物件を見てもらい、いくらで売れるのかを査定してもらいます。査定額は主に以下のような要素によって決まります。

  • 土地面積
  • 築年数
  • 建物面積
  • 方角
  • 経年劣化状況
  • 設備状況
  • 接道状況
  • 日当たり
  • 周辺環境など

不動産会社の担当者が対象となる物件を訪れる、もしくは物件の持ち主から情報をヒアリングするなどして、すべての項目を一つひとつ確認し、それらを総合的に判断した上で査定額を算出します。それでは、査定の流れについて詳しくご紹介します。

2-1. 査定の方法

不動産会社が行う査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。それぞれの違いを下表にまとめました。

特徴 依頼イメージ
机上査定 特徴スタッフが現地に赴くことなく、机上で査定価格を算出する 依頼イメージおおよその売値を知りたいとき
訪問査定 特徴スタッフが実際に訪問して不動産を見ながら売却価格を査定する 依頼イメージ精度の高い売却査定価格を算出したいとき

机上査定と訪問査定では査定額が異なる場合があります。両者の違いをしっかりと押さえた上で依頼しましょう。

机上査定

不動産の売却希望者から土地面積や築年数などの情報をヒアリングして、その場で査定額を算出する方法です。早ければその日のうちに遅くても数日で査定額がわかるので、スピーディーにおおよその売却価格を知ることができます。

ただし、不動産会社の担当者が物件を直接見ているわけではないので、精度は訪問査定よりも低くなります。特に物件の情報が正確に伝わっていないと、実際の物件の価値と大きくかけ離れた査定額が提示されることもあり得ます。

物件の相場観をざっくりと知りたい場合に活用し、正確な価格を知りたいのであれば後述する訪問査定を受けることをおすすめします。

訪問査定

その名の通り、不動産会社の担当者が物件を訪れて立地やコンディションなどを確認した上で査定する方法です。

訪問査定を受けるためには依頼者が立ち会わなければいけません。お互いのスケジュールを調整する必要があるため、依頼してから数日~数週間かかる場合もあります。

時間はかかりますが、不動産のプロが実際に物件を見た上で正確な価値を見極めるので、精度は机上査定よりも高くなります。

まずは机上査定を複数の不動産会社に依頼してざっくりとした相場観を掴み、その中で売却を依頼したい会社に訪問査定を依頼して正確な価格を把握するという流れで進めていくとよいでしょう。

ただし、あくまでも「査定」に過ぎません。「必ずこの価格で売れる」という保証ではありませんので、ご注意ください。

3. 媒介契約を結ぶ

提示された査定額に納得ができた場合は、次に「媒介契約」を結びます。媒介契約とは不動産会社に売買仲介を依頼するときに締結する契約であり、これを交わさないと不動産会社が仲介して物件を売ることができません。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属前任媒介契約」という3種類の形式があります。

3つの媒介契約の種類
契約できる
不動産会社数
自分で見つけた
買主との直接取引
販売状況報告義務 契約期間
一般媒介契約 契約できる不動産会社数複数社 自分で見つけた買主との直接取引 販売状況報告義務なし 契約期間
専任媒介契約 契約できる不動産会社数1社のみ 自分で見つけた買主との直接取引 販売状況報告義務2週に1度以上 契約期間3か月
専属専任媒介
契約
契約できる不動産会社数1社のみ 自分で見つけた買主との直接取引不可 販売状況報告義務1週に1度以上 契約期間3か月

※法令上の制限はありませんが、行政指導により一般的には3か月で定めます。

どの形式で契約するかによって受けられるサービスや守るべき制約が異なるので、内容をしっかり理解した上で契約を結びましょう。

3-1. 一般媒介契約とは

一般媒介契約は売主にとって最も制約が少ない契約形式です。売主は複数の不動産会社と一般媒介契約が結ぶことが可能です。また、不動産会社に仲介してもらった買主以外に、自分で見つけた買主と直接取引をすることも可能です。

この契約では、不動産会社は売主に販売状況を報告する義務はありません。ただし、売主から任意に状況報告を求めることはできます。法令上の契約期間の定めはありませんが、行政指導により一般的には3か月で定めます。

複数の不動産会社に媒介を依頼したい場合や、仲介以外でも自分で買主が見つけられる可能性がある場合は一般媒介契約でもよいでしょう。
ただし、売り手が複数の不動産会社と契約できるがゆえに、不動産会社にとっては他社に仲介手数料が流れるケースもあります。
そのため、一般媒介契約を締結すると不動産会社のモチベーションが下がることも考えられます。

3-2. 専任媒介契約とは

専任媒介契約では特定の不動産会社のみと媒介契約を締結します。この方式で契約を結んだ場合は、ほかの不動産会社と契約することはできません。ただし、一般媒介契約と同様に自分で見つけてきた買主と直接取り引きすることは可能です。
契約期間は3か月を超えることはできません。期間が終了しても自動的に更新されることはなく、更新を行う際は文書にて更新手続きを行います。また、不動産会社は販売状況を2週間に1回以上は売主に報告する必要があります。

売主にとっては、特定の不動産会社との契約となるため、一見、不利に感じる契約ですが、メリットもあります。
それは不動産会社が頑張って買い手を探すという点です。

一般媒介契約と比較すると、不動産会社側にとっては他社が買い手を見つけて、商売の機会を逃す可能性が低くなります。
結果として、モチベーションが上がって販売活動に力を入れてくれる可能性があります。

不動産会社にはしっかり動いてほしいけれども、自分にもツテがあって買主を見つけられる可能性があるという方におすすめです。

3-3. 専属専任媒介契約とは

専属専任媒介契約は一社の不動産会社にすべてを任せるような内容の契約です。
そのため、他社との契約はもちろん、自分で見つけた買主と直接取引することもできません。
契約期間は3か月を超えることはできません。期間が終了しても自動的に更新されることはなく、更新を行う際は文書にて更新手続きを行います。
不動産会社の販売状況報告義務は1週間に1度なので、逐一状況を知ることができます。

売主が自分で買主を見つけてくるという機会も失いますので、制約は多くなりますが、メリットもあります。
任された不動産会社は、売主と買主の双方から仲介手数料を得ることが出来る契約ですから、最もモチベーションが高まり、頑張って仲介の成功に向かっていきます。

信頼できる不動産会社と懇意になっている方で、ご自身で買主を見つける見込みがない方は、専属専任契約がお勧めです。

4. 売却活動の準備

不動産会社と媒介契約を結んだら、スムーズな販売活動のために準備をしましょう。

スムーズに売却したいのであれば、物件の見た目を整えることが重要です。
売主が持っている写真を使って募集をするなら、綺麗でアピールできるものを渡すべきですし、不動産会社が撮影をするならば、その前に掃除をするなども必要です。

これは逆の立場で考えるとわかりやすいかもしれません。もし自分が物件を探していて内見に行ったときに、床や壁が汚れているような手入れがされていない物件には住みたいとは思わないはずです。

逆に築年数が古くても、きれいに整えることで買い手が見つかる可能性は十分にあります。

特に以下のような部分は購入希望者の目に留まりやすいので、撮影前に入念にチェックしておきましょう。

  • キッチンや風呂、洗面所やトイレなどの水回り
  • 床や壁、窓
  • 物入れや押し入れ、収納スペースの整理
  • 庭の雑草や樹木の剪定

販売活動が始まるまでに、ハウスクリーニングを依頼するなどして物件の見た目を整えておくのも、よい方法です。
費用はかかるかもしれませんが、見た目がきれいだったために当初の見込みよりも好条件で売れ、ハウスクリーニング代金を上回る利益を得られるケースも少なからずあります。

売却のための投資として、若干お金をかけてでも物件をきれいな状態に整えておくことをおすすめします。

5. 売却活動

物件のコンディションを整えたら、いよいよ販売活動スタートです。
契約をした不動産会社によって、インターネット上やチラシなどで物件情報が掲載され、購入希望者が現れるのを待ちます。

どんな風にインターネットに掲載されているのか、チラシではどんな表現なのかも、不動産会社に確認することも可能です。
見栄えなどはプロの不動産会社に任せるとしても、「明らかに日陰の写真で暗いから写真を取り直してほしい」など、売主からも改善要望して良いでしょう。

インターネットやチラシのほかに、不動産会社では物件を探している人に対して紹介や営業活動を行います。

購入希望者が見つかったら不動産会社から連絡が入り、物件の内見、条件や引き渡しスケジュールなどの調整、そして売買契約という流れになります。

とくに重要なのは内見。買主は内見時に物件の良し悪しを見極めて購入するか否かを決めます。第一印象を良くするためにも掃除や整理整頓は事前に行っておきましょう。また、物件の特徴をしっかりと説明できるように準備しておくことも大切です。

内見当日は身だしなみとマナーにも気をつけて対応し、物件の魅力をしっかりと伝えましょう。
特に住んでいる人にしかわからないポイントを伝えられると好印象です。
とはいえ、押し売りのようになってしまうと購入希望者は引いてしまいます。売り込む感じではなく自然に物件の特徴を伝えるよう意識してみてください。

6. 購入希望者と売買契約を締結する

物件の内見を行った購入希望者から「購入したい」という申し出があれば、不動産会社を通じて契約に向けた細かい条件(価格の交渉や引き渡し日など)などの調整を進めていきます。

「条件交渉に自信がない」「初対面の人と話すのが苦手」という方でも問題ありません。不動産会社の担当者が購入希望者としっかり話をしてくれるはずです。希望がある場合や先方が出してきた条件に納得できない場合などは、きちんと不動産会社に伝えましょう。

条件を調整後に、売主と購入希望者の間で合意が形成されれば売買契約を締結します。こちらも不動産会社を介して行いますので、担当者に従って契約を進めてください。

7. 売買契約後の手続きを行う

売買契約後には、主に以下のような手続きを行う必要があります。

  • 既存ローン完済の手続き(抵当権の抹消)
  • 測量手配
  • 引っ越しの手配

それぞれ、詳しく説明いたします。

・ローン完済の手続き
不動産を引き渡すためには所有権を売主から買主に移さなければいけません。抵当権を抹消して買主に移転登記するためには住宅ローンが完済されている必要があります。ローンの残債がある場合は登記手続きまでに 返済しておきましょう。 手持ちの現金がなく今すぐ返済できる状況でなくとも、引き渡し時に買 主から物件の代金を受け取って、それを返済に充てることもできます。

・測量手配
不動産を売却する際には敷地の面積や隣地、道路との境界を明らかにするために測量が必要となることがあります。不動産会社あるいは買主から要望があった場合は測量の手配も行いましょう。

・引っ越しの手配
引き渡し物件に住んでいる場合は、入居日までに買主が入居できるように引越しの段取りもしっかりと行なってください。

8. 残代金の決済・引き渡しを行う

引き渡し日には売主と買主、不動産会社、司法書士が金融機関に集まって移転登記などに必要な書類の確認を行い、残代金の決済を行います。
ローンの残債がある場合は残代金を受け取った後に清算します。
それが済んだ後に司法書士が移転登記手続きを行い、残代金の領収書と鍵を買主に渡して引き渡しとなります。

難しいように思われるかもしれませんが、こちらも不動産会社の担当者と司法書士の指示に従っていれば問題ありません。一連の手続きが終了したら晴れて物件の売却が完了します。

また、登記手続きはオンラインで行うこともできます。
はんこ廃止の動きやコロナ禍の影響を受けて、今後は主流になる申請方法かもしれません。

参考サイト:法務省:不動産登記の電子申請(オンライン申請)について

不動産の売却時に必要な費用

不動産を売却する際にはさまざまな費用が発生します。特に次の3つは必ず必要となってきますので、あらかじめ確認しておきましょう。こちらも不動産会社に聞けば詳しく教えてくれます。

・仲介手数料
売買契約が成立した際に不動産会社に支払う報酬です。

・税金
所得税や住民税、消費税などが挙げられます。

・諸経費
登記費用や引越し費用など、不動産を引き渡すためにかかった上記以外の費用です

仲介手数料

物件の売却を仲介してくれた不動産会社に支払う手数料です。不動産会社にとっては、この仲介手数料が収益となります。

金額は売買価格に応じて変動し、宅地建物取引業法によって以下のように上限額が決められています。

売買価格 報酬額
200万円以下の部分 取引額の5%以内
200万円以上400万円以下の部分 取引額の4%以内
400万円以上の部分 取引額の3%以内

たとえば5,000万円(税別)でご自宅が売れたと仮定しましょう。この場合、仲介手数料の内訳は以下のようになります。

①200万円以下の部分=200万円の5%=10万円
②200万円以上400万円以下の部分=200万円の4%=8万円
③400万円以上の部分=4,600万円の3%=138万円

よって、仲介手数料の上限は、①+②+③=156万円となります。

ちなみに、この①+②+③は煩雑なので、仲介手数料は「取引価格×3%+6万円」という計算式で算出することも可能です。

なお、売買価格には消費税が含まれません。報酬額には消費税が別途かかります。
上記のケースで消費税が10%であれば、156万円+15万6000円となります。

税金類

不動産を売却する際には以下のようなさまざまな税金がかかります。

  • 譲渡所得税(住民税・所得税)
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 消費税

・譲渡所得税(住民税・所得税)
不動産を売却して売却益が出た場合、譲渡所得税が課税されることがあります。
譲渡所得とは土地や建物といった不動産など特定の資産を譲渡して得た所得のことで、この所得に課税される税金が「譲渡所得税」です。譲渡所得税の内訳は、所得税と住民税に加えて現在は復興特別所得税が課税されることになっています。

課税対象となる金額は、以下の計算式で計算されます。

課税譲渡所得 = 譲渡価額-(物件の取得費+譲渡費用)

税率は、不動産の所有年数が5年を境に適用される税率が異なります。

所得税 住民税 合計
所有5年以下 30.63%(※注) 9% 39.63%
所有5年超 15.315%(※注) 5% 20.315%

(※注)2013(平成25)年から2037年までは、上記の他、復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)が課されます。

譲渡所得税は以下の計算式で計算されます。

譲渡所得税 = (譲渡所得 - 特別控除) × 税率

納税は、売却益を得た翌年の3月15日までに行う必要があります。

・印紙税
印紙税法に基づき、売買契約書などの文書に課税される税金です。
書面に貼り付ける収入印紙を購入する形式で納税します。

<不動産売買契約書の印紙税一覧>
記載された契約金額 印紙代(本則) 印紙代(特例)
500万円超 
1,000万円以下
1万円 5,000円
1,000万円超 
5,000万円以下
2万円 1万円
5,000万円超 
1億円以下
6万円 3万円
1億円超 
5億円以下
10万円 6万円
5億円超 
10億円以下
20万円 16万円

・登録免許税
登録免許税は不動産を登記する際に納める税金です。

不動産を売却する際、売却する不動産に住宅ローンなどの担保として金融機関の抵当権が設定されている場合は、不動産の引き渡し時にローンを完済してその抵当権を抹消しなければなりません。抵当権は登記されているので、抵当権の抹消にあたっては抹消登記という登記申請を行います。すべての登記手続きの際、国に納める税金が登録免許税ですので、抹消登記の際もこの税金がかかります。

抵当権抹消登記の場合、登録免許税は不動産1件につき1,000円です。土地と建物はそれぞれ別の不動産とされ、また土地は1筆(登記簿に1つの地番として独立して登記された土地)を1件とします。

●登録免許税の計算例
一戸建ての住宅で2筆の土地に1件の建物が建っている場合、対象不動産は3件となり、抵当権抹消にかかる登録免許税は合計3,000円となります。

・消費税
不動産売却時には仲介手数料に対して、消費税がかかります。
不動産会社に手数料を支払う際に、消費税も一緒に支払います。

譲渡所得税に関してはご自身で確定申告をした上で納税します。正しく申告しないと追徴課税というペナルティが課せられたり、脱税とみなされて刑事罰が課されたりするリスクがありますので、しっかりと申告しましょう。申告の方法などに関して不明点があれば、税理士や税務署に尋ねてみてください。

詳しい税額や計算方法は国税庁のホームページに掲載されています。軽減税率などの制度が適用されるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。

諸経費

仲介手数料や税金以外にも、物件を引き渡せる状態にするための費用や書類作成にかかる費用などの諸経費が必要です。代表的なものに以下5つがあります。

  • 証明書などの取得費
  • ローン返済費用
  • 抵当権抹消費用
  • 引越し費用
  • 測量費

それぞれ詳しく解説いたします。

・証明書などの取得費
印鑑証明書や固定資産税評価証明書などの取得費が必要になります。

・ローン返済費用
売却物件のローンが残っている場合、抵当権を抹消するために残債を一括返済しなければいけません。ローンの残債分の金額と繰り上げ返済手数料を支払う必要があります。

・抵当権抹消費用
先ほどご説明した抵当権抹消のための登録免許税のほかに、この手続きにかかる司法書士への報酬などの費用が発生します。

・引越し費用
住んでいるご自宅を売却する場合は引き渡し日までに引越しをしなければいけません。作業を業者に依頼する場合は料金がかかります。

・測量費
不動産を売却する際には隣地との境界線を明らかにするために測量を行うケースもあります。その場合は、測量士や土地家屋調査士に支払う報酬などが必要となります。

ほかにもハウスクリーニング代やリフォーム・修繕費用、引越しの際に出た不用品の処分費用など、さまざまな費用がかかる可能性があります。

どれほどの費用が必要なのかは物件の状態や引越し先、取引条件などによって異なります。いずれにせよ、不動産を売却する際にはある程度の出費があることは念頭に置いておきましょう。

不動産の売却時に必要な書類

不動産を売却する際に必要な書類は以下7つです。

  • 住宅ローン償還表
  • 身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票
  • 登記済証 、登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
  • 土地測量図、境界確認書
  • 建築確認証、検査済証、建築設計図書など
  • 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書

それぞれ詳しく解説していきます。

住宅ローン償還表

住宅ローン償還表は、住宅ローンの返済予定が書かれた書類です。
不動産会社はこの書類を見て返済状況を把握し、売買が可能かを判断します。

借り入れをしている期間中に金融機関から定期的に送られてきます。

特に住宅ローンの残債があって、売却価格がそれを下回る場合、抵当権を外すことができないので、買主への移転登記も不可能となります。残債を一括返済するか、新しい住居に引っ越す場合は「住み替えローン」を活用して清算する必要があります。

不動産会社では売却価格がローンの残債を下回って移転登記ができないというリスクを回避するため、住宅ローン償却表の提出を求めるケースがあります。

身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票

身分証明書(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)、実印、印鑑証明書、住民票などは本人確認のために必要となります。

不動産売買を行う場合、媒介契約や売買契約の締結時など、使用する機会が数多くありますので、必ず用意しておきましょう。

登記済証、登記識別情報

いわゆる「権利書」と呼ばれるものです。売主が本当にその物件の所有者かどうかを証明するために必要です。

登記済権利証は登記が完了した際に法務局から受け取る書類です。2005年以降は「登録識別情報」に切り替わっており、同じく法務局から通知されます。

不動産会社との媒介契約を締結する、あるいは買主と売買契約を結ぶ際に、物件の所有者が売主になっているかを確認するために必要となります。
また、物件を引き渡す際には移転登記手続きを行うため司法書士に渡します。

もし紛失した場合には、再発行をすることはできません。司法書士や公証人によって本人確認情報を作成してもらって手続きをする必要があります。
権利書がないと話が進まないので、まずは書類の有無を確認し、紛失してしまった場合は大至急対応してください。

固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書

固定資産税・都市計画税の納税額の確認や登録免許税の算出に使う書類で、毎年役所から送られてきます。

不動産を売買する場合は、固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書に従って売主と買主で按分して納税します。
買主分の負担額は買主に提示する「重要事項説明書」に記載しなければいけません。

按分割合は引き渡し時期によって異なりますので、それぞれの納税額を算出するために必要となります。

土地測量図、境界確認書

売買対象となる土地や家屋の面積や範囲、隣地・道路との境界線を確認するために必要な書類です。

のちのちトラブルを防ぐために、「どこからどこまでが自分の敷地か?」を明らかにしておくことは非常に重要です。
土地測量図や境界確認書があれば面積や隣地・道路との境界線を確認することができます。

書類が見当たらない、もしくは先祖代々受け継がれてきた不動産であるために測量図や境界確認書が存在しない場合は、測量を行なって新たに作成する必要があります。

建築確認証、検査済証、建築設計図書など

物件を建てる際に役所から発行される建築確認証、建築会社が作成した物件の設計図や工事記録書、完了検査に合格したことを証明する検査済証などは必須書類ではありませんが、建物が法令や基準に従って建築されていることを証明できるものなので、買い手に提示する資料として有効に使えます。

リフォームやリノベーション、修繕を行なっている場合は、その内容がわかるような資料も提示することで、買い手の安心感につながります。

耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書

こちらも必須ではありませんが「耐震性が十分備わっている」「アスベストなどの有害物質が使用されていない」という安全性は買い手にとってプラス要素です。スムーズに売買契約につなげるために有効に働く可能性があります。

家をスムーズに売却する方法

不動産をスムーズに売却するポイントは以下の2つです。

  • ハウスクリーニング
  • ホームステージングをしておく

これらの対策を行なっておけば、好条件で取引ができる可能性が高くなるので、販売活動を行う前に検討してみてください。

ハウスクリーニング・ホームステージングをする

必ずしも査定額が上がることが保証されるわけではありませんが、家の中をきれいにする「ハウスクリーニング」を行なうことで、買い手の印象が良くなりスムーズに売却できる可能性が高くなります。

特にキッチンや浴室、洗面化粧台といった設備は汚れていると不潔な印象を与えてしまいマイナスイメージにつながります。プロが清掃作業を行うハウスクリーニングを行えば、こうした設備もきれいになって購入希望者の物件に対する印象がアップします。レンジフードやエアコン、バルコニーなど普段は手が回らないような隅から隅まで掃除するので、細かいところを見られても安心です。

家具や小物、インテリアなどを配置して入居後の生活をイメージさせる「ホームステージング」も、スムーズに物件を売却するには効果的です。同じ物件でも何もない無機質な状態よりも、きれいにレイアウトされていたほうが格段に魅力的に見えます。ノムコムならプロがインテリアコーディネートを行い、まるでモデルルームのような上質でイメージが湧きやすい空間を創造します。

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不動産を売却するときの注意点

最後に不動産を売却する際の注意点を3つお伝えします。以下のことを押さえておかないと、のちのちトラブルになったり、なかなか物件が売却できなかったりといったことが考えられます。

  • 売り手にとって不利益な情報も正確に伝える
  • 販売開始から売却まで6か月の期間をみておく
  • 売却活動の開始前に不動産会社に売却相談をする

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

売り手にとって不利な情報も正確に伝える

物件に不具合があれば売値が下がる可能性があります。不利なことは隠しておきたい気持ちにもなりますが、不動産を売却する際には、良いことも悪いことも包み隠さず買主に伝えることが重要です。

特に雨漏りやシロアリ被害などが発生していることを知っていたにも関わらず、それを買主に伝えないまま引き渡してしまうと「契約不適合」に該当し、契約解除や損害賠償請求に発展するリスクが高くなります。

また、隠すつもりがなくても、売主が瑕疵を見落としている可能性も考えられます。この場合でも契約不適合になる恐れがあります。インスペクション(建物状況調査)などの制度を利用して物件に不具合がないか、経年劣化が生じていないかを第三者に確認してもらうことが効果的です。

契約不適合責任とは

2020年4月1日に民法が改正され、「瑕疵担保責任」が「契約不適合」に変更となりました。改正前の瑕疵担保責任とは「隠れた瑕疵」があった場合に売主が責任を負うという性質のものであり、売主が意図的に瑕疵を隠して引き渡した場合には買主が損害賠償や契約解除を求めることができます。

たとえば、雨漏りが発生しているのを知っていたにも関わらず、その事実を隠して売却したケースでは責任が問われます。ただし、見落としていた場合は免責となっていました。

一方、改正後の契約不適合では「契約の内容に適合しない」ケースにも範囲が拡げられています。つまり、売主が隠すつもりはなかった不具合に関しても責任が問われることになります。また、買主は損害賠償や契約解除だけでなく、代金の減額も要求できるようになりました。瑕疵を理由に値引きを言い渡される可能性もあります。「知りませんでした」「見落としていました」という言い分は一切通用しなくなったのです。

瑕疵担保責任が契約不適合に変わったことで、より買主の権利が保護され、売主が負うべき責任が重くなりました。

隠す意図があったにせよ、なかったにせよ、引き渡した物件に不具合があることが発覚した場合は大きな不利益を被る危険性があります。必ず物件の状態は細かくチェックしておきましょう。

売却できるまで6か月の期間をみておく

不動産は金額が大きいために、すぐに売れるものではありません。不動産会社に仲介を依頼して売却するまでには平均で2~6か月ほどの期間がかかることを念頭に置いておいてください。地道に販売活動を続け、購入希望者が現れるのを待つ必要があります。

買主は良さそうな物件が見つかったら、まずは不動産会社を通じて売主に問い合わせをします。多くの場合は販売活動を開始してから3か月以内にはなにかしらのアクションがあるものです。

仮に売りに出してもなかなか問い合わせが来ない場合は、物件の魅力が伝わっていない、販売価格が高すぎる、あるいは不動産会社が販売活動を怠っているなど、なんらかの問題が生じている可能性もあります。

3か月以上経過しても問い合わせがない場合は、不動産会社に連絡を取って状況を確認してみましょう。その上で、条件や販売価格の見直しも検討してみてください。

購入希望者が現れるのを待ちつつも、逐一状況をチェックして改善できるところを改善していくことがスムーズに売却するためのポイントです。

売却活動の開始前に不動産会社に売却相談をする

不動産会社はいきなり査定を行い、媒介契約を締結して販売活動を開始するということはありません。無料で売却に関する相談を受け付けてくれます。

まずは不動産会社に足を運んで、自宅を売却したい旨を相談しましょう。不動産取引の経験がない方がほとんどなので、不動産売却の流れや必要な手続きなどを丁寧に教えてくれるはずです。

不動産売買は単純なものではありません。物件によって取るべき販売活動のスタイルや行わなければいけない手続き、用意しなければいけない書類や段取りも変わります。まさに千差万別です。

不動産会社ではさまざまな事例があり、スタッフそれぞれが経験に長けていて独自のノウハウを持ち合わせています。状況に合わせて専門的なアドバイスをくれたり、より好条件で売却できる方法を教えてくれたりしますので、まずは相談してみましょう。

ノムコムでも不動産売却の無料相談を受け付けています。はじめての方でもわかりやすくご説明し、適切なアドバイスをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

不動産売却の手続きのまとめ

不動産を売却するためにはさまざまな手順を踏まなければならず、注意すべき点も少なくありません。しかし、専門家の力を借りながら一つひとつの段階を着実にこなしていけば、トラブルなくスムーズに物件の引き渡しまで進めることができます。

さまざまな事柄を紹介しましたが、行動してみなければ始まりません。まずは不動産のプロにご自宅の売却について相談してみましょう。

上野 典行

上野 典行

プリンシプル住まい総研 所長
1988年慶應義塾大学法学部卒、同年株式会社リクルート入社。
リクルートナビ(リクナビ)、住宅情報タウンズ(フリーペーパー)、現スーモの開発・立ち上げに従事。
住宅情報タウンズ編集長、住宅情報マンションズ編集長、賃貸営業部営業部長を歴任し、2011年12月同社を退職。
2012年1月より現職。
全国の不動産会社のコンサルタントを行いつつ、専門誌での執筆や全国各地で、講演活動を行っている。

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