収益不動産への投資 ~収益不動産投資を検討する場合には~

CRE戦略の一つとして、事業拡大や安定稼働の実現のため、「本業補完」を目的とした収益不動産投資を検討するケースがあるのではないでしょうか。

無論、「投資」というからには少なからず「リスク」も存在します。
そのため、収益不動産投資を成功させるためには、投資戦略に沿った方策を理解しておくことが重要です。

本記事では、収益不動産投資の一般的特徴と実際に投資する上での留意点を簡単ですが紹介します。
現時点で収益不動産投資を検討している、または将来的に収益不動産投資を検討したい企業様は、ぜひ最後までお目通しいただき、参考にしてみてください。

Ⅰ.収益不動産の種類

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一般的に収益不動産の種類は以下の2種類に分類できます。

  • 商業系不動産
  • 住居系不動産

文字通り、「収益=賃貸収入」を目的とした不動産となりますので、自己の居住を目的として所有する住宅などは収益不動産には含みません。

以下に簡単な特徴を述べたいと思います。

ⅰ.商業系不動産

『商業系不動産』には、飲食店やスーパー等の「店舗」・企業の「オフィス(事務所含む)」「工場」や「倉庫」など、様々な種類があります。
物件規模も大小様々、種類も豊富なため、企業の事業規模や経営戦略・方針に合致した物件を選択することが可能です。 

ⅱ.住居系不動産

『住居系不動産』は、「賃貸マンション」や「賃貸アパート」が代表的な例です。
一棟全体が住居用途として利用されている物件に限らず、街中でよく見かけるような1階が店舗用途の賃貸マンションなども該当します。
主な用途が「住居系」であれば「住居系不動産」であるとイメージいただくと分かりやすいでしょう。

Ⅱ.商業系不動産に投資する場合

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以下では商業系不動産への投資についてご説明します。

『商業系不動産』に投資する利点は以下の通りです。

  • 賃料は物件スペック(築年・設備等)よりも実需に影響をうける場合が多い
  • テナント(借主)は長期的な事業運営を前提に入居を検討することが多いため、長期的契約を締結することで安定的な賃貸収入が見込める可能性がある

ⅰ.賃料は実需に影響をうける

都市部や駅前など立地に優れたオフィスビルや店舗は、築年数が経過した物件であっても賃貸需要を見込める事が多く、そのため、近隣の賃料相場よりも高めに賃料を設定して借手を募集することも少なくありません。
特に『商業店舗』などを賃貸する場合「その場所において、集客が見込める立地なのかどうか?」を判断基準として、所有者は賃料設定をおこなうのが一般的です。
例えば、ファミレスや居酒屋などの飲食運営者(テナント)が出店を検討する場合、当然ですが、他の検討場所と比べて集客がしやすい立地環境を好んで選択します。
なぜなら、いくら築年数が新しい物件であったとしても、そもそも集客が困難な立地環境であれば、出店後の店の売り上げは立ちません。
他方、築年数が古くても集客を見込める立地環境であれば、出店後の売上も見込めるため、そちらを選択することになります。
つまり、この場合においては『繁華性』が『実需を牽引』しており、賃料単価およびその物件価値に影響を及ぼしていると言えるでしょう。

ⅱ.長期的な契約を締結することで安定的な賃貸収入が見込める

「店舗」や「オフィス・事務所」などの商業系不動産の借手は、その場所を営業拠点として長期利用する場合が多いため、一概には言えませんが、借手の経営状況が悪化しない限りは、短期解約等も少なく、安定的な長期収入が見込めます。

Ⅲ.収益不動産投資を実施する上での留意点や検討事項

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前述の通り、収益不動産投資にはリスクも存在します。
『商業系不動産』に着眼した場合、以下の点に留意する事が重要です。

  • 共用部分における設備等の維持管理費用額(定期メンテナンス費用額)が大きい
  • 空室リスク(リテナントが困難など、長期的に空室となる場合もあり)

※大型量販店や商業施設など、物件規模が大きくなればなるほど固定費は大きくなります。

実際に収益不動産に投資する場合に検討すべき事項についてみてみます。
ポイントを抑えることによって、企業にとって、より効果のある収益不動産投資へと繋がると思われます。

  • 信頼できる情報元の物件を選ぶ
  • 売却も視野に入れて検討をおこなう
  • 特定資産の買替特例を利用する

ⅰ.信頼できる情報元の物件を選ぶ

収益不動産へ投資する際には、当事者の投資予算や事業方向性等に合致した物件の情報収集が欠かせません。
よって、不動産投資物件の取扱い実績が豊富かつ、収益不動産投資のノウハウが高い不動産会社を見つけることが肝要です。
まずは、数多ある不動産会社の中から企業にとって良きパートナーとなるような、収益不動産の売買に長けた経験豊かな不動産会社を選定し相談しましょう。

ⅱ.売却も視野に入れて検討をおこなう

出口戦略(売却)を視野に入れておくことも大切です。
長期的にみた場合、企業の経営状況や事業戦略によっては当該収益不動産の売却検討をおこなう場合も出てくるかと思います。その際、業績状況に合わせた売却をおこなうことで、売却資金を元手にした新規事業展開やバランスシートの改善などにも寄与することでしょう。
投資検討時に将来的な売却も視野に入れることで、出口戦略の選択肢も増え、結果として本業拡大にも寄与する可能性も考えられるのではないでしょうか。

ⅲ.特定資産の買い替え特例を利用する

「特定資産の買い替え特例」とは、「法人が特定の試算を売却して一定期間内に新しい不動産に買い換えるときには、譲渡益を圧縮記帳し法人税を繰り延べできる」という特例のことです。
この特例を利用することで、繰り延べ期間中は売却利益を手元に残すことが可能です。
なお、細かな適用条件があるため、税理士や会計士等の専門家に確認いただくのがよいでしょう。
参考までに国税庁のホームページを載せておきます。興味ある方はご覧ください。
<国税庁> 特定資産を買い替えた場合の圧縮記帳について

Ⅳ.まとめ

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収益不動産投資は、企業の事業拡大や安定稼働の実現のためには欠かせないであろう重要な選択肢の一つと言えます。しかしながら、前述のような投資リスクがあるのも事実です。

収益不動産の特徴およびリスクを理解・整理し、企業の事業戦略に沿った投資戦略を選択することが大切となります。また、これらの情報に関して的確にアドバイスしてくれる信頼のおける不動産会社を見つけることも重要な要素の一つです。

本記事が、皆様の更なる成長戦略・事業戦略の一助となれば本望です。

岩井 佑樹

宅地建物取引士の資格を持ち、不動産、住宅、建築、空き家、リフォーム、相続など、不動産関連コラムを数多く執筆。 不動産売買契約書、合意書、覚書等書類作成や、不動産コンサルティングなど10年以上の実務経験があり、高齢者が抱える相続に関する相談ごともサポートしている。

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