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東京の大型オフィス空室率に上昇の兆し

2020年06月12日

東京都心5区にある大規模オフィスビルの空室率に上昇の兆しが出てきた。三幸エステートが11日に公表した5月末の東京都心5区の空室率は前月比0.05ポイント増の0.53%と微増にとどまった。ただテナント退去前の募集もカウントした「潜在空室率」は1月から5月にかけて1ポイント近くも上がっており、これは「空室率が上昇に向かう兆し」(同社)だという。新型肺炎の影響が今後顕在化する可能性がある。

一方、三鬼商事のデータでも5区の空室率は0.08ポイント増の1.64%と微増に。現時点で成約数に大きな影響は出ていないが、業務縮小などによる解約の動きがあるという。

5月末時点では両社ともに新型肺炎の影響が本格化するのはこれからだと分析している。三幸のデータでは、都心5区の空室率は3月に最低値を更新した後、2カ月連続で小幅に上がった。潜在空室率は1月の2.08%から5月には2.84%と大きく上がった。

一方、5月の募集賃料は前月比19円減の3万2134円と下がった。同社は「(新型肺炎を受け)オーナーが募集条件を見直す動きは限定的で、マーケットの動きは鈍い」と指摘。経済活動再開後の様子を見守る姿勢が目立つという。

三鬼商事の調査では、都心5区では5月に新築ビル3棟が満室で竣工し、既存ビルでも一部の大きな空室が消化された。ただ業務縮小などに伴う解約もあり、5区全体の空室は1カ月で約6900坪増えた。

新築・既存ビルの空室率は新築が1.46ポイント減の1.85%、既存が0.13ポイント増の1.63%。賃料は2万2836円と前月比で16円、前年同月比で1440円も上がった。賃料は月単位では77カ月連続で上昇を続けている。

(提供:日刊不動産経済通信)

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