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世界のオフィス需要、25年に空室率回復

2020年10月05日

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は新型肺炎の感染拡大が世界の賃貸オフィス市場に及ぼす影響についての報告書を公表した。世界的な景気悪化と在宅勤務の拡大で来年にかけて需要が減るものの、世界のオフィス空室率は25年までに感染前の水準である11%前後に戻るとの予測を提示。特にアジア太平洋(APAC)の経済回復が早く、同地域では床需要の強さを示すネット・アブソープション(吸収需要)が向こう10年間プラスを保つと展望している。

報告書では22年第1四半期(1Q)を転換期と位置付けている。地域差はあるがその頃に世界の経済と雇用が上向き始めるとともに空室率が下がり、賃料は上昇に転じると予想。APACでは特にインドやインドネシア、タイ、マレーシアなどといった新興国で床需要が増える一方、日本や韓国、シンガポールなどの先進国では需要が落ち、賃料上昇ペースが鈍ると予測している。

APACの多くの先進国ではコロナ危機以前からオフィス開発が活発で、20~22年にかけて大量の床が市場に出回る都市が多いことから、需給が緩みやすいと分析している。ただAPACには現段階で在宅勤務などの柔軟な勤務形態が欧米ほど普及していないため、空室率が大幅に上がるような事態は想定していない。

具体的には、在宅勤務などが普及し始める影響で22~30年の9年間に床需要を4.5%減退させる圧力が生じるにも関わらず、実際には圏域全体の床需要は6770万㎡増える可能性があると試算している。APACのうち中国ではAクラスビルの賃料が来年にかけて低下し、23年に再び上がると予想する。

(提供:日刊不動産経済通信)

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