2021年のマンション市場予測・首都圏、21年発売は31%増
2020年12月22日
不動産経済研究所は21日、「2021年の首都圏マンション市場予測」を発表した。緊急事態宣言中に多くのモデルルームが営業を自粛した影響から、20年の発売戸数は前年比21.9%減の2万4400戸前後にとどまる見込みだが、21年は20年見込み比で31.1%増の3万2000戸と大きく伸びる見通し。18年以来3年ぶりの増加で、コロナ前の19年(3万1238戸)との比較でも2.4%増となる。
供給のエリア別の内訳は、都区部1万4000戸(20年見込み比30.8%増)、都下3000戸(25.0%増)、神奈川県7000戸(34.6%増)、埼玉県4000戸(48.1%増)、千葉県4000戸(17.6%増)と、全エリアで増加する。
20年1~11月の平均価格は19年比4.6%上昇の6254万円と、都心の高額物件が積極的に供給されていることもあって6000万円を大きく上回っている。21年は郊外の供給が伸びるものの、主力が駅近物件という傾向は変わらず、価格が大きく変動することはなさそうだ。商品特性のテーマはコロナ禍で変化し、専有部の在宅ワーク対応に加え、大型物件では共用部へのテレワークスペースの設置などが増えている。
20年年間の供給戸数は、都区部1万700戸、都下2400戸、神奈川県5200戸、埼玉県2700戸、千葉県3400戸の計2万4400戸程度を見込んでいる。千葉県が前年比6.3%増と唯一伸ばすものの、その他のエリアはいずれも減少しており、中でも埼玉県が41.1%減と大きく落ち込む。着工も減少しており、1~10月の着工戸数は前年同期比8.0%減の4万7503戸となっている。
エリア別では東京都2万8502戸(前年同期比11.4%減)、神奈川県8729戸(22.0%減)、埼玉県5175戸(47.0%増)、千葉県5097戸(7.4%増)と、東京都と神奈川県が減少した一方で埼玉県、千葉県は増加している。
在庫は11月末現在で前年同月末比9.1%減の6841戸と減少しており、年末在庫は7000戸台にとどまる可能性が大きい。
今後の首都圏マンション市場は、都心の高級物件や湾岸部のタワーマンションの堅調が続く一方、東京23区周辺都市での超高層・大型案件にも注目が集まる。また住宅ローン減税の床面積要件が50m2から40m2に緩和されることから、コンパクトマンションの人気が高まることも予想される。
(提供:日刊不動産経済通信)
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