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#住宅購入

2018.09.21

「マンションの価格が下がりにくい街」はここ!

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一般に「都心マンションの資産価値は高い」と言われます。しかし、同じ都心部でも、市況変化に敏感に反応するエリアもあれば、ジワジワと変化するエリアもあります。今回は、後者の注目エリアを紹介しましょう。

30年たってもマンション価格が下がりにくい駅は?

表1は、不動産鑑定・調査会社である東京カンテイの調査・分析による「築30年の中古マンションの利回りの低い駅」のランキング上位5駅です。都心3A(青山、赤坂、麻布)エリアにある「麻布十番」や「広尾」もランクインしていますが、意外なことに、第1位は都営大江戸線「牛込神楽坂」駅です。

表1 築30年中古マンションの利回りの低い駅
順位沿線利回り(%)
1 都営大江戸線 牛込神楽坂 3.69
2 日比谷線 広尾 3.73
3 半蔵門線 半蔵門 3.81
4 南北線 麻布十番 3.92
5 東急世田谷線 世田谷 4.16

出典:東京カンテイ「築年帯別に見る駅別利回り分布の分析(2017年10月31日)」より上位5位までを抜粋

このランキングは、「低利回りが維持されている=賃料下落より価格下落がゆるやか」、つまり価格が下がりにくいという前提に基づいています。

※注:利回りは「年間賃料÷物件価格」。首都圏全体の傾向では、築年が経過するにしたがって利回りは上がり、新築で4.44%、築30年で6.19%となる(図2)。これに対して、図1の駅は築年数が経過しても低利回りを維持しており、「賃料の下落より価格の下がり方が小さい」ということになる。

ではなぜ、都心部の中でも「牛込神楽坂」駅周辺のマンション価格が特に下がりにくいのでしょうか。

江戸時代から変わらない区画割り、関東大震災にも耐えた「牛込台地」

都営大江戸線「牛込神楽坂」駅は、2000年12月に開業した比較的新しい駅です。ここでは、同駅を中心に、少し範囲を広げて「神楽坂」駅(東京メトロ東西線)から「市ヶ谷」駅(東京メトロ有楽町線・JR総武線)にかけてのエリアについて考えてみましょう。行政区としては新宿区の北東部にあたり、神田川、外堀通り、外苑東通りに挟まれた範囲です。

もともとこのエリアは「牛込台地」にあたりますが、実は、江戸時代から現代まで街の基本的な区画がほとんど変わっていません。

しかも、江戸時代の地名の多くが、そのまま現在も生きており、箪笥町(たんすまち)、細工町(さいくまち)などは、徳川幕府の下級武士が、職制ごとに集まって住んでいた組屋敷でした。

組屋敷は間口の狭い小規模な敷地割のため、区画の大きな大名屋敷が多かった千代田区番町や麹町とは違い、明治以降も大がかりな再開発が行なわれなかったようです。

神楽坂通りの周辺には職人や商人が住み、多数の寺院周辺は門前町として賑わっていました。明治時代になると、武家地が町屋に変わると共に、花街・演芸場・寄席などの遊興施設が発達し、名物料理店などが揃う粋な街として、文士や学者などが移り住んできました。

牛込台地は、関東大震災の被害も軽微でした。太平洋戦争の東京大空襲後も、区画が大きく変わる復興開発は行なわれませんでした。

バブル期には、他のエリアの開発に押され、目立たない時期もありました。しかし、2000年以降は、「大人が楽しめる粋な街」として再び注目度が高まっています。

江戸のカタチと情緒を受け継ぐ街並み、そして、リニューアルを繰り返しながら人々を惹きつける文化やグルメ、これらが根強い住宅ニーズを支え、地域の資産価値を維持しているのではないでしょうか。

「神楽坂」駅の近くにも、低層から高層の中古マンションが豊富

「神楽坂~市ヶ谷」エリアでは、古くから神楽坂で商売を営む地元の方などが購入するケースが多い印象です。地域に対する思い入れが強く、そこに根差した暮らしを守って行きたいと考えているのでしょう。

また、このエリアは東京理科大学、法政大学大学院、中央大学市ヶ谷キャンパスなど、教育施設の多い「文教の街」でもあります。そのせいか、学生時代から馴染んだ街に住み続けファミリーになって戻って来たりする住人も少なくありません。

2000年以降に神楽坂エリアが再び注目されるキッカケの一つになったのが、2003年にできた「神楽坂アインスタワー」。大久保通り沿いに立つ、神楽坂では珍しいタワー型です。

◆旧・肴町(現・神楽坂5丁目)のマンション:神楽坂アインスタワー

また、「神楽坂」駅の東にある「白銀町(しろがねちょう)」から「筑土八幡町(つくどはちまんちょう)」にかけてのエリアは、牛込台地の端にあたり、現在は中低層のマンションができています。

◆新宿区白銀町のマンション:神楽坂トワイシア パークサイドレジデンス

早稲田通りの南に広がる「矢来町(やらいちょう)」は、低層一戸建ての邸宅街で、能楽堂や新潮社があり、早稲田通り沿いには高層マンションが並んでいます。

◆新宿区矢来町のマンション:プラウド神楽坂

ブランドマンションが集まる隠れた邸宅地「市谷○○町」

大久保通りの南側に目を向けてみると、低層一戸建て中心の住宅地が広がります。現在も江戸時代の区画が残っています。

◆新宿区南町のマンション:プラウド市ヶ谷南町

南町からさらに一筋南には「市谷砂土原町」があります。このエリアには、築30年を超えるヴィンテージ・マンションの代名詞「ホーマット」を始め、名だたる大手ブランドのマンションが点在しています。

◆市谷砂土原町のマンション:市谷逢坂ハウス

最寄り駅としては都営新宿線「曙橋」駅、または都営大江戸線「牛込柳町」駅になりますが、「市谷本村町」や「市谷仲之町」という古い地名が残っています。

◆市谷本村町のマンション:ザ・センター東京

このように「市ヶ谷~神楽坂」エリアには、最寄り駅まで徒歩5~10分以内という利便性の高さと、高級住宅地にふさわしいグレード感を兼ね備えたマンションが豊富です。

しかも、中古マンションの価格相場は港区や千代田区より10~15%くらい低めでありながら、冒頭で紹介したように「長期的にマンション価格が下がりにくい」という特徴を合わせ持っています。都心部における新たな選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか。

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