築10年後の価格維持率、首位は馬喰横山
2018年08月03日
東京カンテイは、竣工から10年が経過した分譲マンションの中古流通時の価格維持率を調べた「中古マンションのリセールバリュー調査」をまとめた。17年に最も価格維持率が高かったのは都営地下鉄新宿線・馬喰横山で、リセールバリュー(価格維持率)は155.2%に上った。
城東を中心に住宅地としての人気はあまり高くなかった駅が目立ち、割安感と都心へのアクセスのしやすさが資産価値を高めた形となった。
首都圏(対象683駅)の価格維持率平均は91.5%。10年前に売り出された物件は、ミニバブル期のピーク(08年)の価格高騰の煽りを受けていないことと、直近の価格上昇を背景に、資産価値の目減りは平均でも1割程度に留まった。新築時の価格以上で流通したことを示す100%以上の駅は154駅で、山手線の内側とその周辺、湾岸、城南~川崎・横浜に集中し、都心部に短時間でダイレクトにアクセスできる駅が多かった。
一方で、新築分譲時の価格から3割以上も目減りした駅は37駅あり、その半数が千葉県の郊外だった。馬喰横山に続き価格維持率が高かったのは、みなとみらい(148.2%)、京成曳舟(145.3%)、東神奈川(145.0%)、豊洲(144.2%)、岩本町(144.0%)など。
価格維持率と相場坪賃料を比較すると、賃料が高いほど価格維持率も高いという結果を得た。賃料水準が同程度の場合は表面利回りが高いほど価格維持率も高くなる。表面利回りが高いことは新築時価格が賃料相場に比べ割安に設定されたことを示す。東京カンテイの井出武・上席主任研究員は「新築分譲価格の分布と比べると、リセールバリューの高いエリアは東京の西に張り出していないのが特徴だ」と話す。
(提供:日刊不動産経済通信)
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