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2019年地価公示・全国全用途で4年連続上昇、上昇幅拡大

2019年03月20日

国土交通省は19日、19年1月1日時点の地価公示(調査地点=2万5993地点)を発表した。全国・全用途平均は+1.2%で4年連続の上昇となり、上昇幅も3年連続で拡大、上昇基調を強めた。住宅地は+0.6%で2年連続の上昇、商業地は+2.8%で4年連続の上昇となった。地方圏は全用途平均が+0.4%、住宅地が+0.2%となり、ともに27年ぶりに上昇に転じた。調査地点のうち、住宅地42%(前年比5ポイント増)、商業地は56%(5ポイント増)が上昇しており、全国的に地価の回復が進んでいる。

7月1日時点の都道府県地価調査との共通地点(1631地点)から半年ごとの変動率をみると、住宅地は、東京圏が19年前半+0.8%、後半+0.9%。大阪圏が前半+0.2%、後半+0.3%、名古屋圏が前半+0.7%、後半+1.0%となり、全圏域で後半の方が上向きになった。商業地は、東京圏が前半+2.5%、後半+3.0%、大阪圏が前半+3.5%、後半+4.9%、名古屋圏が前半+2.1%、後半+2.0%で、名古屋圏を除いて後半の上昇が目立った。

住宅地は変動率プラスの都道府県の数が18(前年14)に増えた。北海道、石川県、山口県、佐賀県が今回プラスに転じている。住宅地の変動率は東京圏+1.3%、大阪圏+0.3%、名古屋圏+1.2%。地方圏は+0.2%で92年以来のプラス。このうち札幌・仙台・広島・福岡の「地方四市」が+4.4%と力強い伸びを示し、地方をけん引した。

住宅地は低金利環境と住宅取得支援策などが需要を下支えし、交通利便性や住環境の優れた地域で需要が堅調だった。都道府県別の住宅地の最高変動率は、沖縄県の+8.5%。前年比で下落したのは、高台移転の需要が一服し、土地取引が落ち着いた福島県(18年+1.4%↓19年+1.0%)と、西日本豪雨の被災地に大きなマイナスが出た岡山県(18年△0.5%↓19年△0.6%)の2県のみだった。

商業地は、変動率プラスの都道府県の数は22(前回21)。新たに佐賀県がプラスとなった。商業地の変動率は東京圏+4.7%、大阪圏+6.4%、名古屋圏+4.7%、地方圏+1.0%。地方圏は、地方四市(+9.4%)を除いたその他の地域が+0.014%となり、93年から続く下落を脱し横ばいとなった。

商業地は主要都市でオフィス空室率の低下と賃料上昇による収益性の向上がみられた。社員1人当たりのスペースを広くしたい、より良い環境のオフィスに移りたいという需要がオフィス仲介業者に寄せられており、働き方改革の進展が商業地の地価にプラスの効果をもたらしている。

外交人観光客の増加や再開発による賑わいの創出がみられる地点でも引き続き上昇が目立った。商業地の都道府県別トップも沖縄県で+10.3%だった。都道府県別で商業地の変動率が2ケタ上昇を示すのは08年(東京都、+15.8%)以来。

東京の住宅地は23区全てで上昇が続いている。5%以上の高い上昇を示した区は、文京区、豊島区、荒川区、北区、板橋区、港区、品川区、新宿区、渋谷区、台東区、墨田区、江東区の計12区で、18年の6区から倍増となった。中心部の高騰の周辺波及がさらに拡大した形だ。しかし23区中、千代田区のみ上昇率が鈍った(18年+3.3%↓19年+2.9%)。

千代田区は高級マンション街「番町」を抱え、m2当たりの平均価格が23区最高(269万円)。国交省は千代田区について、「東京中心区で価格水準がもともと高い。価格水準が高いと変動率は落ち着いてきている。昨年並みであり、下がったという認識ではない」とみている。

(提供:日刊不動産経済通信)

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