固定資産税や相続税において、優遇措置が受けられます。
マンションであっても戸建であっても「住宅用地」ですので、固定資産税や都市計画税の軽減があります。東京都の場合、土地の課税標準が更地や駐車場と比べ6分の1になります。建物部分についても、新築の場合、一定の軽減措置が採られています。
貸している土地は、相続税評価において「貸宅地」とされ、更地の場合と比べ大幅に評価が下がります。
ただし、「半永久的に返ってこない」可能性のある「普通借地」に比べれば、減額幅は小さくなりますし、返還時期が近づくにつれ、減額幅は徐々に縮小されていきます。
それでも、定期借地権設定当初は更地状態と比較して4割程度の評価減が可能で、対策としては有効です。
路線価図における地域区分 | 普通借地の場合の底地割合 | 一般定期借地権が設定された時点の底地割合(X) |
---|---|---|
C地域 | 30% | 55% |
D地域 | 40% | 60% |
E地域 | 50% | 65% |
F地域 | 60% | 70% |
G地域 | 70% | 75% |
相続税の納税資金対策として、土地売却を検討される方が多いのですが、土地を手離すことに抵抗を感じるのもまた事実です。定期借地方式であれば、土地の所有権を維持したまま、前受地代として、まとまった資金を得ることができます。
また売却の場合、戸建分譲用地や駐車場用地と評価され、思うような金額にならないこともあります。定期借地方式の場合、「分譲マンション用地」として土地が評価されるので、「売却と遜色ない資金が得られる」という事例もあります。
相続税の納税において、土地を物納したい場合であっても、貸している土地は、「物納申請」がおりないことが多いです。
しかし定期借地の場合、いずれ更地に戻ることが確実なこともあり、物納が認可される可能性が高いです。
建物を貸すのではなく、土地を貸すのですから、建物建築における地主様の負担はありません。建物を建てるのは借地人です。
したがって、追加的に資金を拠出することなく、地代収入を得ることができます。
定期借地契約が終了した際は、更地が戻ってきますので、その後は自由に活用できます。
定期借地権付マンションの場合は、更地とせず、リフォームして引き続き賃貸することも可能です。定期借地権付戸建分譲の場合は、区画整理され、インフラが整った土地が手に入りますので、その後の活用もしやすくなります。
定期借地契約が終了するのは50年後と、相当先になりますが、次世代に優良な資産を残せる可能性が広がります。
定期借地契約は、基本的に中途解約ができません。したがって、50年の間、土地の用途が限定されることになります。
定期借地方式における収入源は「地代」です。地代は、建物を貸した場合の「賃料」に比べ大幅に少なくなります。仮に、マンション経営やオフィスビル経営に向いている土地であれば、「土地の利用可能性から見て割安な収入しか得られない」ということになります。
他の活用法との比較検討を十分にしておく必要があります。
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