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不動産価格の話題

2012/09/28Vol.264不動産価格

平成24年基準地価の発表(下落率は縮小)

国土交通省が9月19日発表した7月1日時点の「平成24年都道府県地価調査(基準地価)」は、全用途全国平均で21年連続して下落、住宅地では東京圏・大阪圏ともに4年連続の下落となりましたが、下落率は縮小し、上昇や横ばいの地点も増加しています。ただ国土交通省では、不動産市場は回復傾向を示しているが、円高、欧州債務危機等の先行き不透明感による地価への影響も見られる、としています。

 

全国平均変動率は、住宅地で前回△3.2%⇒今回△2.5%、商業地で前回△4.0%⇒今回△3.1%と全体的に下落率は縮小しました。(前回:H22.7.1~H23.7.1、今回:H23.7.1~H24.7.1)

三大都市圏では、住宅地で前回△1.7%⇒今回△0.9%、商業地で前回△2.2%⇒今回△0.8%と下落率がほぼ半減しました。
国土交通省の今回の調査結果の概要では「住宅地」について次のように報告されています。

1)低金利や住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えもあって下落率は縮小した。人口の増加した地域で下落率の小さい傾向が見られ、また、住環境良好あるいは交通利便性の高い地点で地価の上昇が見られる。

2)東京圏は大震災の影響からの回復傾向が見られ、半年毎の地価動向を見ると、特に24年1月~6月は回復の程度が加速した。特に神奈川県では横浜市及び川崎市を中心として上昇地点が増加した。大阪圏は、一年間を通じて下落率が縮小しており、上昇地点も兵庫県を中心として増加した。

東京圏の住宅地の年間変動率を、半年毎に追ってみますと「表」のようになります。

東京圏住宅地では、平均で前回△1.9%⇒今回△1.0%と下落幅は縮小、個別地点では上昇した地点が前回1地点⇒97地点、横ばい地点も前回57地点⇒416地点へと大幅に増加しています。ただ、23区での上昇地点はゼロとなっています。東京圏で人口10万人以上の市区で上昇又は横ばいとなったのは19市区ありました。中でも平均で上昇した市区は、川崎市中原区+2.1%をはじめ、浦安市+1.6%、川崎市高津区+1.3%、川崎市幸区+0.7%、木更津市+0.4%、川崎市多摩区+0.3%、横浜市神奈川区+0.1%、横浜市西区+0.1%の8市区となっています。(特別区は区単位でカウント)

大阪圏住宅地では、平均で前回△1.8%⇒今回△1.0%と下落幅が縮小し、特に住宅地として人気の高い阪神間で上昇が目立ち、芦屋市が+1.1%と2年連続でプラスになったほか、神戸市灘区・東灘区+0.6%、西宮市+0.5%、神戸市中央区+0.3%と上昇し、大阪市でも天王寺区+1.3%、福島区+0.7%、阿倍野区+0.3%と上昇した区が出ています。また北摂方面でも吹田市△0.1%、豊中市△0.2%と下落率が大きく縮小したエリアが見られます。
(担当:池田 徹)

企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課

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