2014/03/17Vol.280
当社で取引されるマンションの階数の変化とは?
わが国に「マンション」が出来てから約80年が経過すると言われています。70年代後半には「タワーマンション」も発売され、今では高さ200m超、階数も60階近い超高層のマンションも有ります。2003年から2013年にかけて野村不動産アーバンネットが売買仲介した中古マンションのデータから、成約したマンション階数について、その変遷を探ってみました。売買されるマンションの階数は、どのようになっているでしょうか。
2003年から2013年の間に当社が売買仲介したマンションの成約事例から、成約した各マンションは何階建なのか、各マンションの最上階の平均を集計したのが、図1です。これによると、2003年では平均9.4階でしたが、2013年では、平均13.0階となりました。この10年間で流通しているマンションの階数が3.6階上昇した事になります。それだけ、市場に流通する中古マンションが高層化したと言えます。
では、成約した部屋の階数はどうでしょう。
図2は、実際に取引された部屋の階数の平均を集計したものです。つまり、取引されたマンションの平均階数です。こちらも2003年では4.9階でしたが、2013年では6.9階と10年で2階分上昇しました。流通しているマンションが高層化するのに合わせて、取引される部屋の位置も上昇している事がわかります。また、2011年には、前年よりも0.1階下がりましたが、2012年で+0.5階となっていることから、震災の影響も多少あったが、回復も早かった、という事がわかります。
図3は、成約した部屋がそのマンション全体のうち、どのあたりに位置するかを「階レベル」として集計したものです。「階レベル」とは、例えば10階建てのマンションで5階部分の取引であれば50%に、最上階の取引ならば100%になるように、以下の式で算出しました。
階レベル(%)= 成約の階/最上階の階数
これによると、年々階レベルは低下傾向にある事がわかります。この10年間で約1.5%程度下がってきています。
図4は、成約事例のうち20階建以上のマンションで成約階レベルを集計したものです。20階建て以上のマンションでは、図3の結果に反して、階レベルは徐々に上昇しているように見えます。当社の成約事例に限って言えば、取引されるマンションの所在階は年々下がってきているものの、20階建て以上のマンションでは、わずかながら上昇傾向にある、という事が言えます。
(担当:伊東 秀二)
※グラフはすべて当社成約事例の集計結果に基づき当社にて作成しました。
企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課
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