2014/09/22Vol.284
「いまどきシニア」の不動産売買~敬老の日に寄せて
たしかに60歳の還暦を過ぎても現役で仕事をされている方は、たくさんいらっしゃいますし、旅行などのレジャー市場では、まさに主役となっているようです。
不動産売買の市場では、シニア層の動向は、どうなのでしょうか。
「野村の仲介+(PLUS)」(野村不動産アーバンネット)各店で、不動産売買で成約されたお客様を年齢層別に集計し、それを同期間(1-8月)3カ年で比較してみました。
※グラフや表は、すべて野村不動産アーバンネットの実績をもとに当社にて作成しました。
野村の仲介+(PLUS)では、不動産売買を成約されたお客様の年代を20歳代から70歳代以上の各年代別に集計しています。今回は、毎年1月から8月までの期間で3カ年分を集計しました。そのうち不動産の売却で成約されたお客様の集計が図1のグラフです。3年とも40歳代のお客様の割合が最も多いのですが、それ以外の30歳代から70歳代以上の年代では、あまり差がありません。つまり、不動産を売却する年代というのは、40歳代が最も多く、それ以外では20歳代を除けば、ほぼ各世代同じ割合、ということになります。
不動産を売却する、という事は不動産を所有しているのが前提ですから、若年層よりは、中年~高齢者層の割合が多くなるのは当然と言えます。
図2では、不動産を購入したお客様を年代別に集計し、各年代の割合をグラフにしたものです。さすがにマイホームなど初めて購入するようなお客様が30歳代と40歳代に多くいらっしゃるので、この年代の割合が多くなっていますが、70歳以上の年代が年々増加しているのがわかります。
グラフにはありませんが、「シニア層」として60歳以上をまとめると2012年が15%、2013年が17%、2014年が19%となり、購入するお客様のうち「シニア層」の割合は、2ポイントずつ上昇していることになります。
では「シニア層」のお客様は、どういった動機で不動産を購入されているのでしょうか。
表1:60歳以上購入者の購入動機
|
表1は、上記全期間内で不動産を購入された60歳以上のお客様の購入動機のうち、多い順に1位から3位を集計した表です。これによると「家への不満(狭い・古い等)」が32.4%で、2位の「高齢化の備え」14.8%や3位の「投資用」11.7%を抑えて断トツの1位となっています。
購入成約された「シニア層」のうち、およそ3組に1組は、「家への不満」から買換え等で新たに不動産を購入している、ということになります。
自らのお住まいの状況もアクティブに改善していこうとする「いまどきシニア」の特徴がでているのかもしれません。
(担当:伊東 秀二)
企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課
地価や不動産の法律・税制、時事の話題などの情報を、さまざまな視点から解説・紹介しております。