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社会動向の話題

2013/02/15Vol.269社会動向

2012年の東京都への年間転入超過人口は5年ぶりに大幅増加

総務省は、住民基本台帳を基に毎年1年間における人口移動の状況を発表しています。都道府県間の移動者総数は、年間約231万人(前年比2万人の減少)で、前回16年ぶりの増加となったものの今回はふたたび減少となりました。また、転入人口-転出人口=転入超過人口といい、これが各地域の人口移動による増加状況を表す指標となります。東京圏では、2008年から4年連続で減少が続いていたところ、今回東京都の転入超過数が大幅に増加したこと等により久々の増加となりました。

東京圏の2012年転入超過人口は6万7209人となり、1996年以来17年連続して転入超過、また減少が続いていた転入超過数も5年ぶりに増加しました。大都市圏は名古屋圏、大阪圏共に2年連続して転入超過となっています。

都道府県別に転入超過数をみると、転入超過となったのは11都府県(前年11都府県)となり、多くは大都市圏の都府県となっています。このうち、大阪府は前年16年ぶりに転入超過になり、今回も連続して転入超過になっています。前年の転出超過から転入超過へ転じたのは宮城、香川の2県となりました。(図1参照)

図1:転入超過数がプラスの都府県の推移

東京圏では、転入超過数が5年続けて減少していた東京都で今回1.2万人の大幅増加となったことが特筆されます。前年55年ぶりに転出超過に転じた千葉県は今回も引き続き転出超過になっています。神奈川県では15年ぶりに転入超過数が1万人を下回っています。下図で東京圏及び大阪圏の主要都府県の転入超過人口の推移をグラフで示します。(図2参照)

図2:住民基本台帳による人口移動転入超過人数の推移

住民基本台帳による人口移動転入超過人数の推移 (総務省:住民基本台帳人口移動報告より)住民基本台帳による人口移動転入超過人数の推移 (総務省:住民基本台帳人口移動報告より)

さて、人口移動に占める、60歳以上の高齢層の転入超過数をみると、東京都において突出して転出超過となっており大阪府がそれに続いています。特に東京都においては転入超過数が今回5年ぶりに増加している中で、「高齢層は転出超過」になっていて、その数もわずかながら増加傾向にあります。(図3参照)

図3:高齢層(60歳以上)における転入超過数の都道府県別分布(平成22年~平成24年の推移)

高齢層(60歳以上)における転入超過数の都道府県別分布(平成22年~平成24年の推移)

※図は全て総務省「住民基本台帳人口移動報告」から当社にて加工したものです

(担当:池田 徹)

企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課

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