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2025.02.05

マンションと一戸建てどちらを選べばいい?費用面や環境面などを徹底比較

マンションと一戸建てどちらを選べばいい?費用面や環境面などを徹底比較

家を買うとき、マンションか一戸建てかで迷う方は多いでしょう。両者には大きな違いがあり、ライフスタイルや将来の資産価値を考慮した比較が必要です。この記事では、マンションと一戸建てそれぞれの特徴、メリット・デメリット、費用面や環境面など具体的なポイントを解説します。

目次

1. マンションのメリット・デメリット

マンションのメリット・デメリット

マンションは都市部を中心に人気の住居形態ですが、快適な暮らしを送れる一方で、いくつかの制約もあります。まずは、マンションの主なメリットとデメリットをみてみましょう。

1-1. マンションのメリット

・駅近くに立地し、買い物などの生活利便性が高い
・オートロックや管理人がおり、防犯性が高い
・建物の維持管理を管理会社に任せられる
・光熱費が抑えられ、火災保険料も低めである
・将来的な売却や賃貸がしやすい

マンションの大きなメリットは、高いセキュリティと利便性です。オートロックになっていたり、管理人がいる場合が多く、防犯面での安心感が高いため、とくに単身者や女性に人気があります。

また、生活動線がワンフロアにまとまっており、家事や育児をしやすいのも特徴です。駅に近い立地が多く、ショッピングセンターなどの生活利便施設へのアクセスも良好です。

さらに、一戸建て住宅に比べ耐震性が高い傾向にあり、安全面でも優れています。

1-2. マンションのデメリット

・管理費や修繕積立金の固定費が毎月必要
・居住スペースが狭く、収納も限られる
・上下階や隣接住戸との騒音トラブルに注意が必要
・ペット飼育や改装に制限がある
・駐車場代が別途必要となる

マンション生活には、いくつかのデメリットもあります。まず、毎月の管理費や修繕積立金など、固定費負担が継続的に発生する点です。また、一戸建てと比べて居住スペースが狭く、収納スペースも限られているため、ライフスタイルによっては窮屈に感じる可能性があります。

上下階や隣接住戸との騒音トラブルにも配慮が必要で、ペットの飼育や楽器の演奏に制限がある場合も多いです。

さらに、建物の老朽化による資産価値の低下も考慮すべきでしょう。

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2. 一戸建てのメリット・デメリット

一戸建てのメリット・デメリット

一戸建ては、自由度の高い住まいとして人気がありますが、その自由さゆえの責任も伴います。一戸建ての主なメリットとデメリットも押さえておきましょう。

2-1. 一戸建てのメリット

・広い居住スペースと庭が確保できる
・自由にリフォームができる
・ペットの飼育や楽器演奏も気兼ねない
・駐車場代が不要である
・プライバシーが保たれやすい

一戸建ての最大の魅力は、自由度の高さです。マンションの管理規約のような縛りがないため、ペットの飼育や楽器演奏などにも制限がありません。また、庭付きの物件が多く、ガーデニングやバーベキューなどの屋外活動が楽しめます。

さらに、家族構成の変化に応じて間取りの変更が自由にできるのも大きなメリットです。資産価値の維持にも有利で、長期的な視点で見ると経済的なメリットも大きいといえます。

2-2. 一戸建てのデメリット

・建物の維持管理を全て自己負担する必要がある
・土地の固定資産税負担が大きい
・火災保険料が高額になりやすい
・将来的な売却や賃貸が難しい

一戸建ては自由度が高い反面、責任も大きくなります。定期的な外壁や屋根のメンテナンスなど、維持管理の負担が大きいのがデメリットです。また、防犯対策は自己管理となるため、セキュリティ面での不安に感じる方もいるでしょう。

災害時の対応も自己責任となることが多く、とくに地震や水害のリスクがある地域では十分な備えが必要です。

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3. マンションと一戸建てを諸費用や価値で比較

マンションと一戸建てを選ぶ際は、購入価格だけでなく、維持費や将来的な資産価値も考慮する必要があります。ここでは、マンションと一戸建てを費用面で比較してみましょう。

3-1. 購入価格

購入価格

出典:株式会社東京カンテイ「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023

新築物件の場合、マンションの平均価格は約8,094万円で、一戸建ては約4,769万円と大きな差があります。しかし、中古物件では、マンションが約4,270万円、一戸建てが約4,016万円とその差は縮小します。

ただし、エリアによって価格帯の分布は大きく異なるため、検討する地域の特徴を十分に把握することが重要です。たとえば、東京都内ではマンション価格が上がり続けており、2023年の平均価格は、東京23区で前年比39.4%上昇しています。

3-2. 資産価値

資産価値の観点においても、マンションと一戸建てでは異なる特徴があります。マンションは築年数が経つと資産価値が徐々に下がっていく傾向です。一方、一戸建ては建物の価値は早く下がるものの、土地の価値は比較的維持されるのが特徴です。

ただし、駅からの距離や周辺環境によって、資産価値の変動に大きな差が生じます。都心の人気エリアのマンションは資産価値が維持されやすいですが、郊外の一戸建ては利便性のほかに周辺の街並みなどの環境が資産価値に影響する点も考慮しましょう。

3-3. 維持費

維持費もマンションと一戸建てで大きく変わってきます。固定資産税は、土地部分はマンションが有利で、建物部分は一戸建てが有利ですが、全体的な税負担はマンションのほうが低い傾向にあります。

また、マンションは修繕計画・修繕積立金が決まっているのに対して、一戸建ては自ら修繕の実施検討・積み立てをしなければなりません。

ほかにも、一戸建ては駐車場代が不要な一方で火災保険料が高く、マンションは光熱費が抑えられる反面、購入時の諸税が高額となる傾向にあります。これらを考慮して、長期的な視点で総合的に費用を検討することが重要です。

【考慮したい主な維持費の項目】
・固定資産税
・維持管理費
・駐車場代
・光熱費
・火災保険
・税金

4. マンションと一戸建てを環境面で比較

マンションと一戸建てを環境面で比較

マンションと一戸建ては、住環境や周辺環境など環境面でも大きく異なり、それぞれのライフスタイルに合わせた選択をすることで住みやすさに関わります。ここでは、環境面の比較をみていきましょう。

4-1. 住環境

住環境

マンションと一戸建ての住環境は大きく異なります。マンションは生活動線がコンパクトで、家事や育児がしやすい構造になっている一方、一戸建ては広さや庭があり、自由度の高い生活空間を確保できます。

また、マンションは上下階の音に気を使う必要がありますが、一戸建てはマンションほど気にする必要はありません。ただし、一戸建ては防犯面を自分で対策しないといけないため、セキュリティ面ではマンションに分があるといえるでしょう。

4-2. 周辺環境

周辺環境

周辺環境の違いも大きく、マンションは駅から徒歩7分以内の物件が6割を占め、利便性が高いのが特徴です。一方、一戸建ては駅徒歩15分以上の物件が4割を占め、多くの場合、車での生活が前提となります。

また、マンションは商業施設に近い場合が多く、日常の買い物がしやすい環境にあります。一戸建ての多くは自然環境に恵まれた場所に立地するため、のびのびとした生活が可能です。

5. マンションか一戸建てを選ぶときのその他のポイント

・物件数を考慮する
・老後の観点を視野にいれる
・実際に新築・中古の一戸建てを見学して体感する

マンションか一戸建てかを選択する際は、これまで紹介した点以外にも考慮すべき要素があります。ここでは、物件数、将来の活用方法など重要なポイントをピックアップして解説します。

5-1. 物件数を考慮する

物件選びをする際は、選択肢の多さが重要な要素です。首都圏ではマンションの供給量が一戸建ての約2.65倍で、選択肢が多い傾向にあり、希望の条件に合う物件を見つけやすくなります。

ただし、エリアによって物件数の比率は大きく異なり、郊外では一戸建てが多くなる傾向があります。また、中古か新築かでも異なり、希望のエリアでの物件数とあわせて事前に調査し、選択の幅を把握することが重要です。

出典:株式会社東京カンテイ「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023

5-2. 老後の観点を視野にいれる

老後の生活を見据えた選択も重要です。一戸建ては階段の上り下りが必要で、手すりの設置やスロープの設置など将来的な改修工事が必要になる可能性があります。一方、マンションはバリアフリー設計で、エレベーターがあり、高齢者にとって比較的優しい環境です。

ただし、マンションは管理費や修繕積立金などの固定費がかかるため、年金生活で負担できるか考慮する必要があります。一戸建ても、維持費の変動が大きいため計画的な資金管理が求められます。

5-3. 実際に新築・中古の一戸建てを見学して体感する

家選びの際は、実際の生活空間をイメージできるモデルルーム・モデルハウスの見学がおすすめです。間取りや設備の使い勝手は、実際に体感すると理解が深まります。また、専門家に相談しながら、自分に合った住まい選びができる点もメリットです。

マンションであればモデルルーム、一戸建てであれば実際に新築・中古の一戸建てへ積極的に足を運び、生活のイメージを具体化させることが、満足度の高い選択につながるでしょう。

6. マンションか一戸建てかどう選べばよい?

マンションか一戸建てかどう選べばよい?

マンションと一戸建ては何を基準にして選べばよいのでしょうか。ここでは、選択の基準や、それぞれの住居形態に向いている人の特徴をみていきましょう。

6-1. マンションと一戸建て、結局どちらがよい?

物件選びは、個人の生活スタイルや価値観によって最適な答えが異なります。一概にどちらがよいとはいえず、立地条件や予算、家族構成などの要素を総合的に判断し、自分のニーズに合った選択が大切です。また、将来的な住み替えの可能性も考慮して選択する必要があります。

6-2. マンションが向いている人

□ 利便性重視で駅近くに住みたい
□ 防犯・防災面での安全性を重視したい
□ 建物の維持管理は他人に任せたい
□ 将来的な住み替えも視野に入れている
□ 家事の手間を極力減らしたい
□ バリアフリーな老後の暮らしを考えたい
□ 近所付き合いは必要最小限でよい
□ 共用施設(ジム・ラウンジ等)を利用したい
□ 高層階からの眺望を楽しみたい

マンションは、駅に近い立地を重視し、日常の利便性を大切にする方に適しています。管理組合による建物管理や充実したセキュリティによって、防犯面での安心感も高く、手間のかからない住環境を求めている方にはおすすめです。また、売却や賃貸など将来的な資産活用を考えている場合も、マンションが適しています。

単身者や共働き夫婦、高齢者など、コンパクトな生活空間でメンテナンスの手間を最小限に抑えたい方にも向いているといえるでしょう。

6-3. 一戸建てが向いている人

□ 自分好みにリフォームしたい
□ 庭でガーデニングを楽しみたい
□ 生活音を気にせず過ごしたい
□ 子どもを自由に遊ばせたい
□ ペットと暮らしたい(とくに大型犬)
□ 広いスペースで生活したい
□ 将来、二世帯住宅を検討している
□ 地域コミュニティと積極的に関わりたい
□ 車は必須で専用駐車場が欲しい
□ 資産として土地を所有したい

一戸建ては、自由な暮らしを求める方に向いています。子育て世代など広々とした空間を望む家族に最適で、のびのびとした生活環境を望んでいる場合はおすすめです。ペット飼育や庭いじり、DIYなど、自分らしいライフスタイルを思う存分実現できる魅力もあります。

また、マンションのように騒音が近所迷惑になる心配も少なく、プライバシーを大切にする方には適した住まいといえるでしょう。将来的に増築や改築を考えている方や、長期的な資産形成を考えている方にも適しています。

7. ケーススタディで考える!マンションと一戸建ての選択例

・子どもの学区を考えてマンションを選択
・ペットを自由に育てられるため一戸建てを選択
・老後の環境を見据えてマンションを選択
・こだわりの住居を実現するため一戸建てを選択

マンション、一戸建ていずれにしても、実際に購入した方の選択理由はさまざまです。ここでは、実際の購入者の体験から、マンションと一戸建ての選択理由や購入後の感想をみてみましょう。

7-1.子どもの学区を考えてマンションを選択

▶購入者のプロフィール
夫(41歳)、妻(39歳)、子供(6歳・4歳)の4人家族。賃貸マンションから購入。

「子供の教育を最優先に考え、希望の学区内の新築マンションを選択しました。価格は高めでしたが、セキュリティや将来の売却も考慮し決断。子供の入学に間に合う時期だったことも決め手になりました。

希望する校区で購入でき、子どもの入学が楽しみです。教育環境を重視し、ぶれずに決断して良かったと感じています。」

7-2.ペットを自由に育てられるため一戸建てを選択

▶購入者のプロフィール
夫(49歳)、妻(48歳)の2人暮らし。分譲マンションから購入。

「子供が独立し、ペットを自由に飼いたいと思い一戸建てを選択しました。公園近くの自然豊かな環境に惹かれ、新築一戸建てを建てることに。

購入後、宅配ボックスがないことや訪問者の多さなど、マンションとの違いに戸惑うこともありましたが、愛犬との生活や広い庭での時間を楽しんでいます。ペットを通じて夫婦の会話も増え、一戸建てならではの自由な暮らしに満足しています。」

7-3.老後の環境を見据えてマンションを選択

▶購入者のプロフィール
夫(60歳)、妻(60歳)の2人暮らし。持家から買い替え。

「定年退職を機に、平屋への建て替えを検討していましたが、駅近くの新築マンションに出会い方針を変更しました。モデルルームを見学すると、意外と広く、ワンフロアで生活がしやすそうだった点と、娘夫婦の家の近さが決め手となり購入を決断しました。

駅が近いので、孫が頻繁に遊びに来てくれ、新しい生活を楽しんでいます。老後の生活を見据えて選択して良かったです。」

7-4.こだわりの住居を実現するため一戸建てを選択

▶購入者のプロフィール
夫(34歳)、妻(36歳)、子供(3歳・6カ月)の4人家族。社宅から購入。

「風水にこだわった住まいにしたくて、注文住宅での一戸建てを選択しました。完成現場内覧会が非常に参考になり購入を決め、何度も打ち合わせを重ね、理想の間取りを追求。

風水を優先するとリビングが暗くなったり、無駄なスペースができたりと実用性のバランスに苦心しましたが、最終的に納得のいく設計になりました。こだわりが反映された住まいに満足しています。」

8. マンションと一戸建て、あなたに合った選択を

マンションと一戸建てはそれぞれに特徴があり、一概にどちらがよいとはいえません。購入価格、維持費、立地、生活スタイル、将来性など、多角的な視点で比較することが大切です。

個人のニーズや家族構成、ライフステージによって最適な選択は異なります。記事で紹介した実際の事例を参考にしながら、長期的な視点で自分に合った住まいを選びましょう。

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【監修者プロフィール】

萱谷 有香

叶税理士法人 東京事務所代表

不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資の面で多くの知識を得られたことを活かし、自らも不動産投資を手がける。大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどでの講演実績があり、記事執筆も行う。不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉をしやすい決算書の作成を得意とする。物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心がけている。

著書に『減価償却節税バイブル』( 技術評論社)、『売却益と節税を最大化 収益不動産「売却」バイブル』( 技術評論社)がある。

※本コラムは、執筆者の知識や経験に基づいた解説を中心に、分かりやすい情報を提供するよう努めております。掲載内容については執筆時点の税制や法律に基づいて記載しているもので、弊社が保証するものではございません。

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