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2025.03.03

分譲地とは?意味や宅地と比べた場合のメリット・選ぶ際の注意点を解説

分譲地とは?意味や宅地と比べた場合のメリット・選ぶ際の注意点を解説

分譲地は、住宅を建てる場所を考える際の選択肢の一つです。分譲地という言葉は聞き慣れている方も多いかもしれませんが、どういった土地なのか、通常の宅地と何が違うのかを具体的に理解できている人は少ないでしょう。本記事では、分譲地とは何かを踏まえてメリットやデメリット、選ぶ際の注意点などをご紹介します。

目次

1. 分譲地って何?基本的な意味から分かりやすく解説
2. 住まい選びの3つの選択肢
3. 分譲地に住む5つのメリット
4. 分譲地に住む際に注意したい3つのデメリット
5. 分譲地と宅地、住むならどちらがおすすめ?
6. 分譲地・宅地のどちらも関わる重要なポイント
7. 分譲地選びで失敗しないための5つのチェックリスト
8. 分譲地は区画が整備された土地!特徴を知って理想の家選びを

1. 分譲地って何?基本的な意味から分かりやすく解説

分譲地とは、不動産会社が買い上げた大きな土地を区画整理し、電気・水道・ガスなどのインフラを整備した上で、住宅用地として個々に販売する宅地です。

分譲地は不動産会社が広い土地を区画整理し、住宅用に分割して販売している土地を指します。小規模なものから大規模なものまで区画の規模はさまざまであり、幅広く開発されています。

分譲地は電気や水道、ガスなどの生活インフラが整備され、住宅をすぐに建築可能な状態で提供されている点が特徴です。

1-1. 分譲地と一般の宅地は何が違う?

分譲地と一般の宅地は何が違う? 分譲地と宅地は、ともに家を建てられる土地です。分譲地は広い土地を区画整理し、インフラの整備も行った上で区画ごとに販売されます。広くいえば分譲地も「宅地」の一種です。

一方で宅地は、土地の登記を行う上で使われる「地目」を意味します。地目は土地の用途を区別するために使われる分類です。分譲地ではない宅地の場合、インフラが整備されていないケースもあります。

1-2. インフラ整備や施工会社選びはどう変わる?

インフラ整備や施工会社選びはどう変わる? 分譲地はインフラ設備が整備済みの状態で販売されていますが、宅地は購入後に個別で引き込み工事が必要です。分譲地はインフラの整備費用が土地代に含まれており、宅地は別途工事費用がかかってしまいます。

また、分譲地は建築条件付きで販売されており、施工会社も限定される場合がほとんどでしょう。一方、宅地の場合はハウスメーカーや工務店など、施工会社を自由に選択できます。

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2. 住まい選びの3つの選択肢

住まい選びの3つの選択肢

一戸建ての購入を検討している場合、まずはどういった形態の住宅にするかを決めるでしょう。その際の選択肢として上記3つが挙げられます。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

2-1. 建売住宅

建売住宅とは、建物の間取りやデザインが決まっている状態で販売される住宅です。更地の段階から販売されているケースや、すでに建物が完成した状態で販売されるケースなどがあります。

建売住宅は、注文住宅に比べて間取りやデザインの自由度は低いものの、実際の建物を確認して購入できる点や、購入から入居までの期間が比較的短い点などが魅力です。

なお、分譲地に建てられた住宅は「分譲住宅」と呼ぶ場合もありますが、建売住宅とおおむね同じ意味で使われます。分譲地の建売住宅は、統一感のある街並みを形成するよう計画されています。

2-2.注文住宅

注文住宅は、その名のとおり間取りやデザインを自由に決めて注文できる形態の住宅です。建材や設備を好みに応じて選択できるため、理想の住まいに向けて自由にカスタマイズできます。

また、施工会社を自由に選べるため、施工会社の得意とするテイストや実績などを参考に、希望の施工会社に家づくりを依頼できます。

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2-3.中古物件

中古物件は、すでに建築が完了していて過去に人が住んだことのある住宅です。新築の建売住宅や注文住宅に比べると、購入価格を抑えやすいメリットがあります。

ただし、築年数が古い場合は、リフォーム費用や維持修繕費用がかかるケースが多いでしょう。住宅の状態に合わせて予算の計画が必要です。

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3. 分譲地に住む5つのメリット

分譲地に住む5つのメリット

宅地ではなく、分譲地を選択することにはどういったメリットがあるのでしょうか。分譲地に住む5つのメリットを詳しくみていきます。

3-1.予算とのバランスが取れている

分譲地は大きな土地をまとめて開発しているため、土地にかかる総額費用が明確です。開発費用が土地台に上乗せされることが多いですが、比較的予算計画を立てやすく、周辺環境が整備されている土地を購入できます。

3-2. 水道・電気などのインフラ設備が整っている

分譲地の中には電気や水道、ガスなどの基本インフラが整備された状態で販売されています。さらに、整備費用は土地代に含まれているため、基本的に追加の工事費用は発生しません。個別に工事を手配する必要がなく、すぐにインフラ設備が利用できるためスムーズな入居が可能です。

ただし、宅地内への引き込みはプランにより、開発分譲のように新たに道路を整備するなどの大がかりな宅地分譲の場合はインフラの整備が必須となるため注意しましょう。

3-3. 暮らしやすさが配慮されている

分譲地は、暮らしやすい街並みを計画して造形されています。公園やゴミステーション、街路灯などが計画的に配置されていたり、道路幅や歩道も整備されていたりと、区画内で安心して生活できる環境が整っています。

分譲地全体で統一感のある街並みが形成され、美しい住環境が維持される点もメリットです。

3-4. 防犯面で安心な住環境が整っている

分譲地では住人同士の目が行き届きやすいメリットがあります。子育て世帯も比較的安心して暮らしやすい環境といえるでしょう。

また、災害時の避難経路や集会所など、緊急時の対応も考慮された設計がなされています。

3-5. 新しい仲間づくりがスムーズに進みやすい

分譲地は同時期に入居する世帯が多いため、新しい人間関係を築きやすい点もメリットの一つです。とくに子育て世代の入居が多く、子ども同士の交流も自然と生まれやすいでしょう。

地域コミュニティの形成がスムーズなため、住民同士の助け合いの輪が広がりやすく、新たな環境での生活に慣れやすい点も分譲地のよいところです。

4. 分譲地に住む際に注意したい3つのデメリット

一方で、分譲地には上記のようなデメリットもあります。後悔しないためにも、デメリットについても確認しておきましょう。

4-1. 近所付き合いが大変に感じる場合もある

分譲地はコミュニティ活動が活発になりやすい点が魅力である反面、人によっては近所付き合いが大変に感じてしまう場合もあります。町内会や自治会への参加が求められることも多く、近隣との付き合いが密接になりやすいです。こうした環境は、人によってはストレスに感じてしまうことがあるでしょう。

4-2. 家の間取りが制限される可能性もある

建築条件付きの分譲地の場合、施工会社が指定され、かつ間取りやデザインなどプラン選択の自由度が制限されてしまいます。なぜなら、分譲地の区画面積は決められているため、希望の間取りが実現できない場合があるからです。

また、街並みの統一感が重視されているため、外観デザインに制限が設けられることもあります。人によっては、自由な建築が難しい点をデメリットに感じてしまうでしょう。

4-3. 駅やお店まで距離が離れている場合もある

分譲地はある程度大きな規模の土地を開発するため、都市部よりも郊外に位置することが多いです。そのため、施設が多い繁華街や駅からは距離が遠くなる傾向にあります。

とくに、大規模開発によって生まれた分譲地は、商業施設までのアクセスが不便な場合も多いでしょう。通勤や通学に公共交通機関を利用する方は、駅やバス停までのアクセスに注意が必要です。

5.分譲地と宅地、住むならどちらがおすすめ?

分譲地と宅地、住むならどちらがおすすめ?

分譲地と宅地は、それぞれメリット・デメリットがあります。一概にどちらがよいとはいえず、家に求める条件やご家庭のライフスタイルをふまえて決めることがポイントです。

5-1.「分譲地」を選ぶのがおすすめの人

  • 区画整理されたおしゃれな街に住みたい
  • スムーズに入居したい
  • 近所付き合いを大切にしたい

分譲地は、統一感ある街並みや暮らしやすさが魅力です。区画が整ったきれいな街に暮らしたい人に向いています。

また、分譲地はすでにインフラが整備されており、個別で工事を行う必要がありません。中には、すでに物件が完成して販売されている場合もあるため、スムーズに入居したい人におすすめです。

そして、防犯面や住みやすさ、近所付き合いを大切にしたい人にも分譲地が向いているでしょう。

5-2.「宅地」を選ぶのがおすすめの人

  • 近所付き合いがあまり得意ではない
  • 住宅周辺の利便性を重視したい
  • 住宅のこだわりが強い

分譲地は近隣住人との距離が近いため、近所付き合いが苦手な人はやや不向きです。また、分譲地によっては都市部から離れた郊外に位置する場合もあります。交通の便や利便性を何よりも重視したい場合は、注意が必要です。

さらに、分譲地によっては建築条件が発生する場合もあります。より自由度が高く、住宅や庭などへのこだわりが強い場合は、分譲地ではない宅地を選ぶ方がよい場合もあるでしょう。

6. 分譲地・宅地のどちらも関わる重要なポイント

分譲地・宅地のどちらも関わる重要なポイント

一戸建てを建築するにあたって、分譲地と宅地のどちらにも関わる重要なポイントに上記3つがあります。3つのポイントを詳しく解説していきましょう。

6-1. 建ぺい率や容積率

 建ぺい率や容積率

建ぺい率は、その土地に建築できる建物の広さに影響する要素です。容積率は、建物の階数や規模に影響を与えます。理想の間取りや階数を実現するには、土地選びの際に建ぺい率と容積率の確認が不可欠です。

6-2. 用途地域

用途地域とは、新たに建てる建物の種類や規模を定めた都市計画法による制限です。その土地に定められた用途地域によって、建築できる建物の用途や高さに規制がかけられています。購入する土地以外の用途地域を確認することは、将来の周辺環境を知る上でも重要なポイントです。

6-3. 地盤の硬さ

地盤は、家を建てる前に必ず確認すべき重要なポイントです。必ずしも家を建てるに値する地盤の状態であるとは限らず、地盤改良が必要なケースもあります。地盤改良が必要な場合、50万〜100万円ほどの追加費用が発生します。

地盤の状態は近隣の土地であっても異なる可能性があるため、個別で調査が必要です。

7.分譲地選びで失敗しないための5つのチェックリスト

分譲地選びで失敗しないための5つのチェックリスト

分譲地を購入したら、基本的にはその地に定住することになります。分譲地選びで失敗しないためにも、5つのポイントをしっかりとチェックしましょう。

7-1. 道路の状況

道路の位置や方角は、家の日当たりのよさや間取りの自由度に大きく影響します。また、家の前や横の道路の幅員は、車の出し入れのしやすさや駐車場設計に関わる重要なポイントです。

そして、分譲地と道路の高低差は外構工事の費用に関わる要因となるため、しっかりとチェックしましょう。

7-2. 街のルール

分譲地特有の建築協定や景観ガイドラインの確認も必要です。外構や塀の制限など、街並みを形成するために一定のルールが設けられている場合も多くあります。

また、ゴミ出しや駐車場利用など、生活にかかわるルールも確認しておきましょう。

7-3. 建築条件付きかどうか

建築条件付き分譲地では、指定された施工会社で建築しなければなりません。一般的には、建築条件を解除できるケースは少ないです。建築条件の有無は家づくりの自由度と予算に大きく影響するため、事前にしっかりと把握しておきましょう。

7-4. インフラ費用は込みか別か

インフラ整備費用が土地代に含まれているかは、必ず確認すべきポイントです。一般的に分譲地はインフラ整備がされていることが多いですが、宅地内への引き込み接続は別途整備費用が必要となり、追加費用が発生する可能性があります。また、将来的なインフラ維持費用の負担有無についても確認が必要です。

7-5. 人気物件を逃さない情報収集はできているか

複数の不動産会社に事前登録し、最新の物件情報を入手することも大切です。分譲地は数に限りがあるため、分譲予定地の情報がいち早く入手できるルートを確保しておきましょう。また、希望の分譲地が見つかったときにスムーズに決断するためにも、希望条件に合う物件の相場感も事前に把握しておくことがポイントです。

8.分譲地は区画が整備された土地!特徴を知って理想の家選びを

分譲地は広い土地を整備し、区画ごとに分けて販売されている土地です。街並みや景観が統一された美しい住環境を求める方に向いています。近隣住民とのコミュニティ形成を重視する方、よりスムーズに入居したいという場合には、分譲地がおすすめです。

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