2019年の首都圏の新築マンション一戸平均価格は5,904万円で2018年の5,592万円から＋5.6％上昇し、3年連続の上昇となった。2018年は価格の高止まり傾向が強くなったが、2019年は再び5％を超える大きな伸びとなった。
平均専有面積は63.09m2で、2018年の63.39m2から－0.5％縮小した。平均専有面積は2018年まで2年連続で拡大したが2019年は反転縮小となった。平均坪単価は309.4万円と、2018年の291.6万円から＋6.1％と上昇した。
首都圏の平均坪単価が300万円を超えたのはバブル期の1991年以来28年ぶりのことである。坪単価は一戸平均価格と同様に3年連続の上昇となった。
一方、首都圏の中古マンションの一戸平均価格は2019年には3,395万円となり、2018年の3,348万円から＋1.4％上昇し、6年連続の上昇となった。2019年の価格上昇は、新築マンションがさらに高額化する影響を中古マンション市場も反映した結果である。
価格の上昇が急激なため都心部などでは既に2007年～2008年における「ミニバブル」ピーク時の価格を超えて上昇し、さらにその価格より10％以上高い水準で推移している。下がる傾向が長期にわたり見られないのが、2014年以降ここ6年間の市況の特徴である。
平均専有面積は60.55m2と2018年の60.95m2から－0.7％縮小した。2016年に60m2を下回ったが、2017年以降反転し3年連続で60m2台を維持した。
平均坪単価は、2019年は185.4万円で前年の181.6万円から＋2.1％上昇した。平均坪単価も一戸平均価格と同様に2014年以降6年連続で上昇している。
首都圏の新築マンションでは2019年は平均専有面積の大きな変化はなかったため、専有面積帯別の供給シェアも目立った動きは見られない。そんな中においても80m2以上の面積帯や50m2を下回る面積帯ではシェアが拡大している。
特に拡大しているのは30m2以上50m2未満で2017年以降は6.9％→8.1％→10.0％となっている。その一方で、2018年までは拡大傾向であった50m2台と60m2台でそれぞれ明確にシェア縮小が起こっており、中間専有面積帯のシェアは縮小しコンパクトマンションと大型マンションの供給のみが増える構造となっている。
中古マンション市場では平均専有面積が2019年は－0.7％縮小したが、これを専有面積帯別に見ると、30m2未満および30m2以上50m2未満の両シェアが僅かながら拡大したことがわかる。
30m2未満のシェアは2017年以降15.8％→14.0％→14.4％と反転拡大し、30m2以上50m2未満は14.0％→14.0％→14.3％と拡大した。シェアが縮小したのは60m2台と70m2台であるが、60m2台では19.3％→20.1％→19.6％、70m2台では20.3％→20.9％→20.7％と反転縮小している。
専有面積の変化は小さく、よって専有面積帯のシェアも大きな変化は確認できないが、全体的なトレンドとしては狭い面積帯のシェアが拡大する傾向となっている。
2019年までは3分以内のシェアが19.8％→22.2％→22.0％と2年連続で20％を超え、駅近物件のニーズの高さが推移に反映される結果となったものの、2019年は、折からの用地取得難が影響した変化も起きており、4分～7分シェアは40.4％→39.3％→35.0％と縮小傾向が2年続いている。
8分～11分は26.2％→24.5％→27.6％、12分～15分は11.3％→8.6％→9.9％とともに拡大し、平均徒歩時間も2018年の7.0分から2019年は7.2分に若干遠隔化した。
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