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えっ!? 「非耐震マンション」って何?

2011年6月13日

大震災で改めて関心が高まっているのが建物の耐震性です。そもそも「耐震」とは何か、「免震」や「制振」とはどう違うのかを解説します。

すべてのマンションは「耐震マンション」

東日本大震災では、地震の揺れそのものによる建物の被害は実際には少なかったことが明らかになっています。特にマンションは軽微な損傷にとどまりました。ただ、巨大な地震が引き金となった未曾有の被害を目にしたことをきっかけに、改めて住まいの「耐震」についての関心が高まっているようです。

こうした動きを反映しているのか、最近、「耐震対応マンション特集」と題した不動産の新聞折り込み広告を見かけました。詳しい内容が説明されないまま、中古マンションの売出情報が出ているものです。この見出しの表現だけを読むと、あたかも「耐震」に対応しているマンションと、非対応のマンションがあるかのように見えてしまいますね。


今のマンションは、すべて「耐震対応」(画像はイメージです。

しかし、実際には「非耐震」のマンションは存在しません。なぜなら、建築基準法では、一定以上の耐震性を備えていなければ建築許可が下りないからです。つまり、すべてのマンションは「耐震マンション」といえます。そもそも「耐震」とは、建物の構造が地震に耐えられる強さを持たせることです。現在の建築基準法では 「めったに来ない大地震にも倒壊せずに人命を守れる」というレベルの耐震性を持っていることが、建物を建てる際の前提条件であることを覚えておきましょう。

では、なぜ「耐震対応」というような表現が出てきたのでしょうか。次のような理由が考えられます。建築基準法の耐震基準は1981年を境に大きく変わりました。80年以前の基準が「旧耐震基準」、81年以降が「新耐震基準」と呼ばれるようになりました。上記の「耐震対応」マンションというのは「新耐震基準に対応しているマンション」ということを意図していたのかもしれません。

性能表示制度に、耐震等級はあるけれど...

住宅の耐震性については、2000年から始まった住宅性能表示制度で強さのランクが定められました。これは住宅が建築されるときに検査をして基本性能を評価したもので、義務付けではありません。

耐震性の強さは、図1のように数段階の「耐震等級」で示されています。耐震等級1は、建築基準法のレベルと同じ。耐震等級2がその1.25倍、等級3が1.5倍という基準です。つまり、等級が大きいほど耐震性も高くなります。この他に、免震構造の住宅については、「免震住宅」と表示され、等級による耐震性能の評価は行いません。「免震」については次ページで解説します。

「耐震等級0」というのは、中古住宅を対象にした等級です。中古は、住み始めてからの変化も考えられるため、現況調査に基づいた評価が追加されているのです。もっとも、中古マンションについては、住宅性能表示を行っている物件自体、あまり見たことがありません。新築マンションの性能表示は珍しくありませんが、耐震性の評価に関しては耐震等級1がほとんど。まれに等級2がある程度です。等級を上げるためには、建築コストが上がってしまうからだといわれています。

この制度ができて10年経ちますから、新築時に住宅性能表示を受けたマンションが中古として売り出される例も出ているはずです。しかし、耐震等級の高低で違いが出ることは少ないのではないでしょうか。

編集協力:AllAbout

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