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「社長が住む街」が都心になった理由
2018年1月26日
<今回のポイント>
- ・社長の住む家が一戸建てから都心のマンションに変化(P.1)
- ・都心マンションが選ばれる理由は、時間価値だけではない(P.1)
- ・キャリアともにマンションもステップアップ(P.2)
- ・「成功した人」の行動パターンは、優良物件に通ず?(P.2)
高級住宅街の一戸建てから、都心のマンションに
「経営者」や「重役」そして、高収入の職業の代表ともいえる医師や弁護士などの住まいといえば、かつては、大田区の「田園調布」や世田谷区の「成城」など、全国的に著名な一戸建て中心の高級住宅地でした。都心からやや離れた城南エリアの広い敷地に、大型の邸宅を構えることが、功成り名を遂げた社長たちのステータスだったといえるでしょう。
ところが、この十数年の間に、そんな常識が崩れています。東京商工リサーチの「社長の住む街」(町村別)ランキングの変化に、それが表れています(図1参照)。
2003年の1位は「田園調布」、2位は「成城」、3位の練馬区の「大泉学園」も一戸建て住宅地です。また、東京以外の地方都市もトップ10に入っていました。それに対して東京都心は、「港区南青山」だけがランクインしています。
2012年の調査では、地方都市がトップ10に入らなくなり、「田園調布」と「成城」がそれぞれ6位と7位に一気にランクダウンしました。代わって、港区の「赤坂」「高輪」「六本木」「南麻布」、渋谷区の「代々木」「広尾」、新宿区の「西新宿」がランクインし、トップ10のうち都心エリアが8つを占めるようになりました。
さらに2017年になると、「田園調布」と「成城」がトップ10から姿を消し、江東区亀戸以外はすべて都心部で占められています。いずれも一戸建てよりもマンションの比率が高いエリアです。
つまり、「社長の住む街」が、地方都市から東京へ、そして東京の中でも城南の一戸建てエリアから都心のマンション中心のエリアへと、シフトしていることがわかるでしょう。
都心のマンションを選択する背景とは
では、なぜ多くのエグゼクティブたちが、都心のマンションを選ぶようになったのでしょうか。一番大きな理由は、「時間がもったいない」ということです。
私は広尾や麻布エリアで住まい売却・購入をお手伝いしていることもあり、経営者や役員、医師・弁護士のお客様が少なくありません。そうした方の多くが、ご自身で財を成し、限られた時間でストイックに働いている印象です。
結果、ビジネスにもプライベートにも猛烈に忙しく、打ち合わせが5~10分ほど伸びただけでも、「次のスケジュールに影響する」と気にされるほどシビアです。
これは、「時間価値」が以前にも増して重要視されるようになったからではないでしょうか。特に、外資系の証券会社や投資銀行、IT系ベンチャー企業などのエグゼクティブの方は、「1分1秒の無駄」が莫大な損失につながるという価値観を持っているのです。
一般のビジネスマンなら、自宅から最寄り駅までの徒歩時間、鉄道の移動時間、駅からかオフィスへ徒歩時間を含めて「ドアツードアで40~50分以内」といった希望を出すことが多いでしょう。しかし、エグゼクティブの方の多くは、「車で10分」「タクシーで2,000円以内」といった感覚で探しています。ほとんど電車は使わず、マイカーやタクシーを利用するからです。
「職住」が近接していれば、仕事以外の時間も確保しやすくなります。
自己管理や趣味として、ジョギングやジムでのトレーニングを習慣にしている方は少なくありません。住まいの希望条件に近くにジムがある場所を希望する方も、忙しい方には多いです。赤坂や青山を始め、都心に24時間営業のジムが増えているのも、こうしたニーズに応えているのでしょう。また、頻繁に開かれる異業種交流会や勉強会に参加しやすいという面でも、自ずと選択肢は都心になります。
また、図1の「社長の住む街」が「田園調布/成城」から「赤坂/六本木」へシフトしたのはマンションそのものの変化も関係しています。
かつて「赤坂/六本木」は商業施設が中心のエリアで、ごく一部の外国人向け高級賃貸マンションを除けば、経営者クラスが満足できるような広いマンションは多くありませんでした。実は、都心に大型のタワーマンションが出来始めたのは2000年代の前半ごろからなのです(図2参照)。
郊外のマンションは、現在も70m2前後の3LDK・ファミリータイプが中心ですが、都心部では30m2のワンルームから200m2を超える4~5LDKまで、多彩です。一戸建てに負けないゆとりある空間も選べますし、タワーマンションなら一戸建てでは得られない眺望が手に入ります。共用施設やコンシェルジュサービスなども、マンションならではです。
さらに、「住」と「職」の逆転現象も起きています。かつては「オフィス=都心、自宅=郊外」でしたが、「自宅=都心、オフィス・店舗・工場=郊外」というオーナー経営者や開業医も増えています。
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