インターネットだけでは、物件を網羅できない!?

2012年3月19日

インターネットを使って自分で物件を選ぶのと不動産会社にサポートを受けるのとでは、どちらがトクだと思いますか？ 実は、特定のエリアやマンションに精通した不動産会社、営業担当者に頼むのが正解です。

希望の物件に出会うためには、売り物件の情報を豊富に持っている不動産会社に依頼するのが早道です。売り物件情報は、ブランド力のある大手の不動産会社に集まる傾向が強まっています。

理由の一つとしては、知名度の高さがあるかもしれません。しかし、それ以上に豊富な売買実績が裏付けになっているのではないでしょうか。
売主はなるべく良い条件でスムーズに売ってほしいと思うため、購入希望者がたくさん集まる不動産会社に依頼したいという意向が出てきます。その結果として、売り物件情報が売買実績の多い不動産会社に集まり、それを求める購入希望者が売り物件に集まってくるという好循環となり、実績が更に積み上がっていくわけです。

売り物件を集めるためにコストと手間をかけている不動産会社も増えてきました。たとえば、大規模マンションに対して「住み心地アンケート」などを実施します。「そのマンションに永住したいですか、住みかえる予定ですか」「住みかえるとしたら、時期はいつ頃ですか」といった質問で、暮らしの満足度や売却の意向などをキャッチしているのです。
こうしたアンケート自体は、どの会社でもできますが、多くのコストをかけることができる大手の不動産会社の方が実施しやすく、回答率も高い傾向にあるようです。

このような活動を通じて、さまざまなユーザーの情報が集まります。たとえば、すぐに売却しなくても、半年後、1年後に住みかえる予定がある、といった意向です。これらの情報を基に「潜在的な売主」にアプローチすることによって、いち早く売却依頼を受託することができ、どこにも出ていない最新の売り物件情報が得られるわけです。

営業活動の中でマンションの管理員と自然に親しくなり、所有者の変動状況、駐車場や駐輪場の空き情報に加えて、管理員から買い換え検討者を紹介いただく場合も少なくありません。

人気の高いエリアや、特定のタワーマンションを希望する場合は、大手不動産会社のなかでも、自分が希望するエリアやマンションに詳しい営業担当者に依頼するのが賢明でしょう。

特に、総戸数が500戸、1,000戸といった大規模タワーマンションは、その1棟のマンションだけで一つの街を構成しているといっても過言ではありません。同じ時期にできた隣のマンションとは、マーケットもまったく違います。そのため、特定のマンションごとに営業担当者を決めている不動産会社が多いのです。

大規模マンションを1～2年も担当していれば、10件、20件の取引実績を重ねることができるため、売買契約時に行う重要事項説明と同じレベルの情報がインプットされます。何階のどの向きの住戸から見える夜景が綺麗なのか、どんな家族構成の方が多くて、どんなライフスタイルを好んでいるのか、など、単なる物件概要レベルにとどまらない詳細な情報をつかんでいるのです。いわば「マンション・コンシェルジュ」といってもいいかもしれません。

もちろん、「マンション・コンシェルジュ」は分譲時の価格や販売状況から、売主のデベロッパーやゼネコンの評判、管理の運営状況まで把握しています。過去に売却された物件の成約データをもとに、3年前に何階の何号室がいくらで売れたか、1年前はどうだったか、3ヵ月前はどうか、すべての売買事例もおさえています。そのため、現在の売り出し価格が過去の流れから見てどういう水準にあり、それが相場から見て妥当な価格かどうか、適切なアドバイスができるのです。

こうした営業担当者に現地を案内してもらって説明を受ければ、納得のいく買い物ができるのではないでしょうか。特定のマンションをピンポイントで探している場合は、不動産会社に「このマンションに一番詳しい営業スタッフは誰ですか？」とズバリ聞いてみるといいでしょう。