不動産サイト nomu.com > 中古マンション > 中古マンション最新トレンド > 中古マンションの選び方・探し方 > マンションの「良い立地条件」を考える(1ページ目)
中古マンション最新トレンド
マンションの「良い立地条件」を考える
2014年10月31日
利便性を時間価値で測ってみると?
マンション選びでは「立地がもっとも重要」といわれます。住み心地と資産価値の両方に関わるからです。今回は、「良い立地条件とは何か」「なぜ都心が好まれるのか」について、いろいろな角度から考えてみましょう。
立地条件には、図1のように4つの要素が関わります。なかでも、もっとも重視されるのが交通利便性でしょう。都心部に近いほど通勤時間や主要ターミナル駅への所要時間は短くなりますが、土地の価格は高くなります。つまり、交通利便性の高い立地を選ぶことは「時間を買う」と言いかえることもできます。
たとえば、通勤時間が片道30分の都心部のマンションと、同1時間半の郊外の一戸建てでは、1日(往復)で2時間の違いになります。都心部に住めば、この2時間を別の活動に使えるわけです。ジムに通って健康づくり、映画や演劇の鑑賞、話題のレストランで食事を楽しむなど、生活の可能性が広がります。自己啓発でスキルアップし、収入を高めることもできるかもしれません。
この時間価値を単純に金額に換算してみましょう。年収1,000万円で年間総労働時間が1,800時間の場合、時給は約5,555円。1日2時間で1万1,000円以上、1ヶ月22日(30日-週休2日×4週)とすると25万円近くになります。この金額をローン返済に置き換えてみると、年利3%、30年返済では約5,930万円の借入金額に相当します。
時間価値という観点でとらえると、利便性の高い都心マンションの価格が総じて高いことについて、十分な理由となるのではないでしょうか。交通利便性を考えるときに、こうした発想をしてみるのも面白いかもしれません。
医療機関や子育て環境は、都心部が優れている?
商店・金融機関・教育施設・医療機関など、生活利便施設の充実度も立地条件の一つです。大型ショッピングセンターやディスカウントで有名なスーパー、商店街などは、郊外や準都心エリアに多いかもしれません。
一方、教育施設や医療機関については、都心部が充実している傾向があります。図2は、23区内の医療機関の充実度ランキングです。医療機関1件でどれだけの人口をカバーしているかを示したもので、数値が小さいほど手厚い体制といえます。千代田・中央・港の都心3区を始め、山手線内側の区が上位に並びます。次いで、城南エリア、城西エリアと続いています。地価の高い順と同じような順番ですね。
児童向けの行政サービスでも、都心各区が特徴を打ち出しています。公的保育サービスの待機児童数は千代田区がゼロ、港区が45人(※)です。保育料は、中央区が23区内でもっとも低くなっています。子育て環境は郊外のほうが優れているように思われがちですが、行政が少子化対策に力を入れるなか、法人税収入が多く、財政が潤沢な都心部の公的保育サービスのほうが充実しているといえるでしょう。
※2014年4月1日時点。千代田区が23区中で1位。港区は3位。2位は荒川区の8人。
「都心はビル街で緑が少ない」は間違い?
自然環境や街並みの美しさなども立地条件に含まれます。図3は、人口1人当たりの都市公園などの緑地スペース面積のランキングです。「緑豊かな閑静な住宅地」といえば世田谷区や杉並区、武蔵野市などの準都心・郊外エリアを思い浮かべることが多いでしょう。これらの地域は、一戸建ての庭の緑や屋敷林などが豊富で、街並みに潤いがあるのは確かです。ただ、誰もが憩える都市公園などのスペースの多さでは、一般的なイメージとは必ずしも一致しません。
まず、まさに都心の千代田区が1位となっています。皇居駅前広場や北の丸公園などの広大な皇居外苑を擁するからです。2位・3位は城東地区に譲っていますが、4位に渋谷区、5位に港区が入っています。都心部が意外に健闘している様子がわかるでしょう。
もっとも、都心部の「憧れの住宅地」といわれるような街にも、イメージとギャップのあるエリアもあります。たとえば、港区の山手線内側でも、古い木造家屋が密集している地域や、町工場が混在して雑然とした雰囲気の「準工業地域」などが存在します。また、少し前までそうした雑然とした雰囲気だったところが、再開発されて、見違えるようにキレイになることもあります。イメージにとらわれず現地を歩いてみると意外な発見があるかもしれません。
- 2018年4月時点の不動産価格動向を解説 (2018年5月27日)
- 中古マンションの現地見学の流れをレポート (2018年4月27日)
- 住みたい街、恵比寿・代官山・中目黒の中古マンション事情 (2018年3月28日)
- 30年後も「マンション価格が下がりにくい街」とは? (2018年2月27日)
- 「社長が住む街」が都心になった理由 (2018年1月26日)
カテゴリーから探す
- 不動産セミナーのお知らせ
- これから開催するセミナーのご案内《参加費無料》
- 不動産コラム
- 地価・税制・法律などについて様々な視点から解説・紹介をしています。
- 地価・マンション価格動向
- 当社の独自調査。
メディアにも多数取り上げられています。 - 不動産購入ガイド
- 物件購入に関するお役立ち情報をご紹介します。
- 不動産売却ガイド
- 物件売却に関するお役立ち情報をご紹介します。
- 不動産用語集
- 不動産にまつわる用語を幅広く集めました。
- 不動産ニュース
- 業界動向やトピックスなど、不動産のニュースをお届けします。