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中古マンション最新トレンド
「マンションより戸建てのほうが安い」って本当?
2016年6月28日
【この記事のポイント】
■中古住宅の首都圏平均価格で、マンションが一戸建てを上回る
■割安に見える都区部の一戸建てと同価格帯のマンションを比較すると?
■一戸建てに対するニーズの変化を理解して、資産価値を考える
■マンションと戸建て、迷ったときには?
ついに平均価格で、マンションが一戸建てを追い抜いた!?
マンション派が増えているといわれながら、戸建て志向が多数派である状況は相変わらずです。「2014年度土地問題に関する国民の意識調査」によると、「今後望ましい住宅形態」は「一戸建て」と回答した割合が全国平均で69.1%でした。東京圏に限っても57.1%を占め、マンション派は15%にとどまります。
こうした背景には、「マンションより土地付き一戸建てのほうが高い」「マンションのほうが一戸建てより安い」というイメージがあるのではないでしょうか。実際、1990年代は一戸建てのほうがマンションより1,000万円以上も高かったのです(首都圏の平均成約価格)。しかし、最近はそのイメージを改める必要が出てきました。
図1は、首都圏における中古一戸建てと中古マンションの平均成約価格の推移を示したものです。リーマンショックの影響で不動産価格全体が値下がりした2009年頃、一戸建てとマンションの価格差は400万円くらいありました。それから最近までの数年間、一戸建ての価格は(短期の上下はあるものの)それほど変わっていません。
対して、マンションの価格は2013年から右肩上がりで上昇したため、一戸建てとマンションの価格差が縮小し続けています。2016年の3月と5月には、マンションが一戸建てをわずかながら上回ったのです。
都県別に見ると、平均価格でマンションが一戸建てを上回ったのは千葉県のみで、東京都や神奈川県では依然として一戸建てのほうが高い水準です。
また、東京都内でも城東地区は、2011年ごろからすでにマンションと一戸建ての価格差がほかの地区に比べて小さかったのですが、ここ最近はほぼ同水準となっており、2016年5月はマンションと戸建てとの価格差がほとんどなくなりました(図2参照)。この割安感のためか、城東地区の一戸建ては取引件数が伸びており、2016年4月の在庫は過去最低水準に達しました。
城南地区では、マンションより一戸建ての価格が2倍近く高い水準ですが、床面積(建物面積または専有面積)もやはり倍近い差があります。中古マンションの価格が右肩上がりで、一戸建てが横ばいという傾向はほかのエリアと変わりません。いずれにしても、一戸建てが昔に比べて「買いやすい」状態が続き、注目が高まっているといえるでしょう。
データや広告イメージと、実態とのギャップ
実際に、「一戸建ては高くて買えないので、マンションを」と考えていた人が、「一戸建てのほうに割安感がある」と感じるケースが増えています。新築マンションと変わらない、またはそれより安い建売住宅が売り出されているからです。しかし、マンションと一戸建てを並行して探した結果、最終的には「マンションにする」ということが少なくありません。
渋谷区や品川区でも、6,000万円前後の建売住宅がよく売り出されています。「区内に新築一戸建てが6,000万円で買える」と聞けば、興味を惹かれるでしょう。
一戸建てといえば、狭いながらも庭があり、マンションよりもスペースにゆとりがあるとイメージしがちです。しかし、そうしたイメージと実際とのギャップが大きく、購入意欲がそがれてしまうことがあるようです。
たとえば、渋谷区で販売されていたある建売住宅は、土地面積60m2台の3階建て、6,500万円でした。価格は、都心としては手ごろです。しかし、隣家との隙間がほとんどなく、間口が狭く、道路からいきなり玄関につながります。建物の延床面積はおよそ85m2あるものの、廊下や階段などを除いた「有効面積」、つまり実際に使える広さは70m2程度です。
同じ70m2なら、床がフラットなマンションのほうが使い勝手がいいでしょう。渋谷区で70m2くらいの新築マンションは、8,000万円以上になります。中古マンションでは、築10数年で、70m2台中盤の2~3LDKが6,000万円前後でも見つかります。外観デザインに高級感があり、エントランスにゆとりがある中古マンションも少なくありません。このようにして、マンションに決める人が多いのです。
予算が1億円以上あれば、都心部でもグレードが高い邸宅風の新築一戸建ても選べます。そうした一戸建ては期待とのギャップもないはずです。統計には質の違いは反映されないため、データ上の平均値である「5,000~7,000万円」の土俵で比べると、マンションに軍配が上がるほうが多くなるでしょう。
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