2019年マンション市場予測・首都圏、発売は微増3万7000戸
2018年12月21日
不動産経済研究所は20日、「2019年の首都圏マンション市場予測」を明らかにした。3万6700戸前後(対17年比2.2%増)となる18年と比べると0.8%増の3万7000戸となる見通しで、微増ではあるものの2年連続の増加となる。消費増税前の駆け込み、その後の反動減ともに限定的で、年明けから順次販売が始まる大型案件の人気次第では供給戸数がさらに上乗せされる可能性もある。
供給のエリア別の内訳は、都区部1万6000戸(対18年見込み比±0%)、都下4000戸(同14.3%増)、神奈川8500戸(同9.0%増)、埼玉4500戸(同4.7%増)、千葉4000戸(同21.6%減)と、都下、神奈川県、埼玉県が増加する見込み。
18年1~11月の平均価格は対17年比0.7%下落の5864万円とわずかにダウンしたものの、郊外でも立地を厳選していることもあって高値が続いている。19年も供給の主力は駅近物件という傾向は変わらず、価格が大きく下落することはなさそうだ。商品特性のテーマとしては、省エネ・創エネ設備や子育て支援などへの関心が集まる。
なお、18年年間の供給戸数は、都区部1万6000戸、都下3500戸、神奈川7800戸、埼玉4300戸、千葉5100戸の合計3万6700戸程度を見込んでいる。都下が前年比12.8%減、神奈川県も8.7%減と落ち込むものの、千葉県が51.4%増と大きく伸ばすほか、埼玉県も8.7%増となり、首都圏全体では2.2%増と2年連続で増加する。その一方で着工は減少しており、1~10月の着工戸数は前年同期比22.2%減の4万3784戸となっている。
エリア別では東京都2万6135戸(前年同期比28.7%減)、神奈川県9987戸(同3.4%減)、埼玉県4792戸(同39.2%増)、千葉県2870戸(同50.8%減)と、千葉県と東京都の落ち込みが目立っている。また、在庫は11月末現在で前年同月比8.2%増の6749戸と増加しているものの、18年年間を通してほぼ6000戸台で安定的に推移している。
今後の首都圏マンション市場は、都心の高額物件や湾岸部の大型案件が高い人気を維持するほか、高輪新駅周辺などへの注目が高まる。また郊外部でも駅近の大型再開発案件などの人気が根強いことから、消費増税の経過措置終了後の4月以降もこのような物件の供給の勢いが止まらなければ、19年の供給戸数はさらに上乗せされて4万戸に近づく可能性もある。
(提供:日刊不動産経済通信)
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