地価LOOK、下落地区数が45に増加
2020年11月20日
国土交通省は19日、全国100地区の地価LOOKレポート(20年第3四半期=7月1日~10月1日の変動率)を発表した。新型コロナウイルス感染症の地価への影響が進行し、下落地区数が前回調査時の38地区から45地区に増加した。上昇は1地区(前回と同数)で、横ばいは54地区(前回61地区)に減少した。
用途別にみると、住宅地は上昇ゼロ、横ばい26地区、下落6地区。商業地は上昇1地区、横ばい28地区、下落39地区。下落の割合が住宅地より商業地が大きいことは前回と同じ傾向となった。商業地はホテルや店舗の収益性低下で需要の減退が一部でみられ、投資家が動きにくく様子見の状態が継続している。
変動率区分は87地区で不変、10地区が下方に移行、3地区が上方に移行した。変動率区分が上方に移った地区は、札幌市の「駅前通」(前回横ばい↓今回3~6%上昇)と金沢市の「金沢駅周辺」(3~6%下落↓0~3%下落)、神戸市の「三宮駅前」(同)。駅前通は唯一の上昇地点で、7月末に地区計画の変更で最大1200%の容積が使えることとなり、収益性が向上したことが上昇につながった。金沢駅周辺は、政府のGotoトラベルキャンペーンの効果で下落幅が縮小。三宮駅前は地元客が多く駅前百貨店の売上が落ちず下落幅が縮まった。
変動率区分が下方に移行したのは、前回唯一の上昇地点だった仙台市「中央一丁目」(0~3%上昇↓横ばい)、渋谷区「渋谷」(横ばい↓0~3%下落)、京都市「桂」(同)など10地区。桂のみ住宅地で、この理由を国交省は「マンション需要地区。学生の賃貸需要が弱くなり、マンションデベロッパーの開発意欲もやや弱まった」と分析する。
(提供:日刊不動産経済通信)
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