2023/10/06vol.321
野村不動産ソリューションズ実勢調査による2023.10.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向
野村不動産ソリューションズが3か月ごとに実施している「住宅地価格調査」から、その概要を報告いたします。
本報告は、「野村の仲介+(PLUS)」各店舗の営業エリアにおいて、調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定したものの要約です。
調査地点は限定されたエリアから抽出したものですので、本報告書の数値は都県全体の変動率を表すものではありません。
なお、「中古マンション価格」は『マンションデータPlus』にて、推定相場価格や周辺エリアの相場情報をご覧いただけます。
首都圏の住宅地価INDEXは上昇率が拡大、2020年第4四半期以降13期連続の上昇が続いています。
首都圏の変動率は+0.8%で、2022年第2四半期以来6期ぶりに上昇率が拡大しました。上昇は2020年第4四半期から13四半期連続となります。東京都下・埼玉県・千葉県の東京都心に近い地点で価格上昇が続いています。
東京区部
東京区部の変動率は+0.7%となりました。2020年第4四半期以降、13四半期連続で上昇しており、ファンドバブル期を上回っています。ただし、調査地点の動向をみると、値上がり地点の減少と値下がり地点の増加により、天井感が増しています。
都心5区では、富裕層等のニーズを背景に、渋谷区・港区・新宿区で引き続き価格が高騰し、上昇を牽引しました。周辺の文京区・目黒区や、住環境の良好な世田谷区等の地点においても、引き続き価格上昇が見られます。また、値頃感のある大田区・板橋区・江東区等の地点でも価格が上昇しました。一方で、足立区・葛飾区の地点では下落が見られました。価格上昇に対応できない購入検討者が増加しており、東京都区部の上昇率は低下しています。
東京都下
東京都下の変動率は+0.8%となりました。都心部に近い武蔵野市・三鷹市・狛江市で価格が上昇、根強い需要がある三鷹市内のブランドエリアなどでは、高価格帯物件の成約が増加傾向にあります。小金井市・小平市の郊外部でも価格上昇が続いています。一方で、八王子市では上昇から横ばいに転じ、その他のエリアでは横ばいとなっています。なお国立・府中エリアでは、大手パワービルダーが価格を調整する動きもあったようです。
神奈川県
神奈川県の変動率は+0.1%となりました。横浜市鶴見区(生麦)の地点で引き続き上昇しましたが、前期上昇した多くの地点が横ばいに転じました。優良物件を除き、価格に対して慎重な購入姿勢が増えつつあり、成約数は減少、在庫が増加傾向にあります。
埼玉県
埼玉県の変動率は+0.5%となりました。東京都心に近く、根強いニーズがあるさいたま市南区(武蔵浦和)、戸田市(戸田公園)の地点では価格の上昇が続いていますが、さいたま市北区(北大宮)で下落に転じました。一方、大宮では相場目線を上げて検討をする動きも見られます。
千葉県
千葉県の変動率は+1.7%、大幅に上昇率が拡大しました(前回+0.1%)。市川市(本八幡)・船橋市(津田沼)・千葉市中央区(西千葉)の東京都心に近い地点で上昇が続き、船橋市(北習志野)の地点が上昇に転じました。高価格帯物件の成約が増加傾向にあり、取引は活発です。
企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課
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