2024/01/12vol.322
野村不動産ソリューションズ実勢調査による2024.1.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向
野村不動産ソリューションズが3か月ごとに実施している「住宅地価格調査」から、その概要を報告いたします。
本報告は、「野村の仲介+(PLUS)」各店舗の営業エリアにおいて、調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定したものの要約です。
調査地点は限定されたエリアから抽出したものですので、本報告書の数値は都県全体の変動率を表すものではありません。
なお、「中古マンション価格」は『マンションデータPlus』にて、推定相場価格や周辺エリアの相場情報をご覧いただけます。
首都圏の住宅地価INDEXは2期連続で上昇率が拡大、2020年第4四半期以降14期連続の上昇が続いています。
首都圏の変動率は+0.9%で、2023年第3四半期より2期連続で上昇率が拡大しました。上昇は2020年第4四半期から14四半期連続となります。東京都下・埼玉県・千葉県の東京都心に近い地点で価格上昇が続いています。
東京区部
東京区部の変動率は+1.0%となりました。2020年第4四半期以降、14四半期連続で上昇し、 4四半期ぶりに上昇率が拡大しました。調査地点の動向をみると値上がり地点の増加により、再び、価格上昇傾向が強まりました。
都心5区では価格高騰が続いており、港区・新宿区・渋谷区で上昇地点が増加しています。また、都心周辺の目黒区・品川区・中野区・世田谷区ではほとんどの地点で上昇しました。都心5区の価格高騰が周辺区に広がりつつある傾向が窺えます。一方、外縁部の区においては、前期は複数の地点で上昇がみられましたが、今期は一地点(江戸川区)の上昇に限られました。
東京都下
東京都下の変動率は+0.8%となりました。中央線沿線の底堅いニーズなどを中心に、高い上昇率を維持しています。調査地点の動きをみると、都心部に近い武蔵野市・三鷹市のほか、小金井市・国分寺市・国立市の中央線沿線の上昇が顕著で、上昇地点の拡大が見られました。一方で、その他沿線(小田急線・京王線・西武線等)のエリアでは横ばいとなり、価格上昇が弱まりつつあります。なお、購入条件が合わず、武蔵野市・三鷹市から小金井市・国立市などに検討エリアを変更するケースなども見受けられるようです。
神奈川県
神奈川県の変動率は±0.0%となり、ほとんどの地点で横ばいとなりました。横浜市南西部の根岸線・横浜市営地下鉄沿線では、下落地点が多くみられました。一方、値頃感のある川崎市川崎区(川崎)の地点などでは価格上昇しましたが、成約数は減少し、在庫は引き続き増加傾向にあります。
埼玉県
埼玉県の変動率は+1.2%となり、大幅に上昇率が拡大しました。東京都心部に近い川口市・戸田市やさいたま市内のターミナル駅(大宮・武蔵浦和)の地点で上昇しています。一方で、在庫は増加傾向にあります。価格を下げて成約している建売物件も増加しており、今後の価格動向が注視されます。
千葉県
千葉県の変動率は+1.6%となり、2期連続で大きな上昇率となりました。東京都心部に近い浦安市・市川市・船橋市やつくばエクスプレス沿線の柏市・流山市の地点で上昇しました。価格の割安感を背景に高い上昇率を維持しており、取引は活発です。
企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課
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