90年代バブル期の新築マンション価格 愛知県では坪183.7万円
愛知県や三重県の価格水準、直近では既に90年代ピーク時を1割~2割ほど上回る
1980年~2018年の間での新築マンションにおける平均坪単価の推移を見てみると、中部圏の4県で最初にピークを迎えていたのは1990年~1992年の間で、最も坪単価が高かったのは静岡県の251.6万円であった。
当時はバブル景気を追い風に、熱海市や伊東市などで高額なリゾートマンションが数多く供給されていた。愛知県や岐阜県は180万円前後とほぼ同水準で続いており、三重県は142.8万円で静岡県とは100万円以上も差が生じていた。
当時の上昇度合いに着目すると、ピーク時にかけての5年間で愛知県では2.02倍も上昇し、他の3県においても1.5倍以上は価格水準が押し上がっており、価格高騰に相応の過熱感が認められる。
2000年代の前半には価格の大底圏を迎えていたが、その後は2008年前後のミニバブル期や2013年以降の価格高騰局面でそれぞれ段階的に価格水準を高めている様子が見て取れる。
2018年時点においては、愛知県と三重県の価格が90年代バブル期のピークを1割~2割ほど上回っている。また、岐阜県ではピーク時の8割強まで回復しているものの、静岡県に至っては高額なリゾートマンションの供給がほとんど見られなくなり、未だにピーク時の6割弱までしか持ち直していない。
価格高騰局面入りする前の2012年当時と比較した価格変動率は、三重県の+57.8%を筆頭に、岐阜県の+44.8%や愛知県の+38.5%と高い上昇率を示している。ただ、静岡県では浜松市や静岡市での実需向けの新築マンション供給が中心で、東京や名古屋といった経済圏とも距離が開いていることから、価格上昇は限定的となっている。
築10年中古マンションにおける平均坪単価の推移を見てみると、愛知県のみが対象期間を通じてデータを有しているのだが、最初のピークは新築よりも1年早い1990年となっている。
当時の坪単価は195.4万円で、ピーク時の新築価格(183.7万円)を僅かに上回っていたが、これらはバブル期特有の需給逼迫が影響した結果であるとみられる。
バブル崩壊後は不動産デフレによって価格水準が下がり続けていた中古マンションだが、2000年代の後半からは2008年前後のミニバブル期や2013年以降の価格高騰期を経て価格水準は緩やかに押し上がってきている。
価格高騰局面入りする前の2012年当時と比較した価格変動率を見ると、愛知県で+31.1%、岐阜県で+39.5%と3割~4割ほど上昇しているのに対して、静岡県や三重県ではむしろマイナスを示しており、順調な上昇トレンドを示しているのは愛知県のみとなっている。
また、価格訴求力や居住性で優る一戸建て住宅の存在が中古マンション価格の上値を抑えていることから、新築に対する中古の"割安感"は他の都市圏に比べて相対的に強く、三重県に至っては新築の半値以下の水準となっている。
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