全国のマンション市場における総戸数(=新築供給戸数と中古流通戸数の合計)を四半期ベースで見てみると、2013年にはアベノミクスによる住宅購入マインドの高まりに加えて8%への消費増税に向けた駆け込み需要も発生し、新築供給戸数はそれまでの3万戸前後の水準から同年の第3四半期には41,419戸と一時的な増加を示していた。
しかし、続く第4四半期には駆け込み需要の反動によって新築供給戸数は早くも減少に転じ、その後も価格高騰の下で供給が調整され、戸数規模は低調な推移を示していくこととなる。対する中古流通戸数は、旺盛な購入ニーズや先高感への期待という異なった背景から同じく数を減らしていった。
2019年におけるマンション市場の総戸数は依然としてレンジの範囲内で推移しているものの、新築供給戸数は同年の第2・第3四半期にかけて大きく数を減らしていた。
当時は10%への消費増税前に該当するわけだが、折しも過熱感を帯びた価格水準に対してマンション購入検討者の間で様子見ムードが広がったことや、増税後まで待った方が拡充される住宅取得支援策を利用してよりお得に購入できると判断した人も一定以上いたことなどから、前回の増税時のような駆け込み需要は全く生じていなかった。
2020年には新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、モデルルームなどを閉鎖して販売活動の自粛を余儀なくされた。その影響から新築マンションの供給戸数は大きく減少、大手デベロッパーの寡占化が進んでいたこともこれらの動きに拍車を掛ける格好となった。
一方、中古マンションの流通戸数は一部でパニック的な売り急ぎが出た同年の第1四半期に一旦は急増していた。その後は活動の自粛に伴って新規の売り出しを控える動きも見られたが、既に売り出された中古物件は買い控えの中で滞留する形となり、中部圏や地方圏に至っては流通戸数のさらなる増加を示している。
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