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中古マンションは管理が重要といわれる本当の理由

2011年6月20日

「マンションは管理が大事」とわかっているつもりでも、どこからどこまでが管理業務の対象なのか、チェックポイントは何かまでは意外に知られていません。そこで「マンション管理」の本当の中身を解説します。

見えない部分のチェックが重要

次に、マンション管理の良し悪しはどこをチェックすればいいのでしょうか。一般には「清掃がきちんと行われているか」「自転車置き場などが整理整頓されているか」といった項目が挙げられます。生活環境を快適に守るという点からいえば、それも大切な要素です。ただ、重要なポイントはまだまだあります。

図3の通り、管理業務は多岐に渡ります。たとえば、エレベーターを始めとする設備機器の保守点検がきちんと行われているか。いわゆる掃き掃除だけでなく、排水管の高圧洗浄や貯水槽の水質検査が定期的に実施されているかも大切なポイントの一つです。

日常的なメンテナンス以外にも、築年数が経過するにつれて発生する不具合もあります。壁のクラック、鉄部のサビなどの補修、塗り替えなども欠かせません。一見すると問題がないように見えても、劣化の進み具合にあわせて予防的に修繕することが必要です。これを「計画修繕」といいます。そのなかでも、外壁塗装、屋上防水、給排水菅の交換など、費用がかさむ大掛かりな「大規模修繕工事」は重要です。

こうした計画修繕が行われているかどうかは、現地見学の際にパっと見ただけではわかりません。売主や管理員にヒアリングして確認しましょう。

修繕積立金は十分にストックされているか?

計画修繕の実施状況を正確に知るには、「修繕履歴」や総会・理事会の「議事録」をチェックする必要があります。これらの資料を手に入れるには、管理会社に請求しなければなりません。数千円単位の手数料もかかってしまいます。ですから、物件選びをしている段階で、複数のマンションから資料を請求することはお勧めできません。物件を絞り込んで、最終的に買うかどうかを決断するときに取り寄せるというのが無難でしょう。

計画修繕のチェックと併せて行いたいのが、修繕積立金が十分にストックされているかどうか。いくら立派な長期修繕計画があっても、その裏付けとしての修繕積立金がなければ実施できません。いくらぐらいあれば十分かどうかは一概にはいえませんが、100戸規模のマンションでも、大規模修繕には数千万円から億単位の費用がかかります。大規模修繕の時期が近いのに、数百万円しかないようでは明らかに足りないでしょう。

1戸当たりの修繕積立金がいくらくらいの設定かを見ることで、マンション全体の状況を推測することも可能です。たとえば、東京都の優良マンション登録表示制度の認定基準が参考になります(図4参照)。築5年以内で月額6000円、築17年以上では1万円以上です。以前は新築の販売時に、管理費の1~2割程度に抑えられているケースも多くありました。これを長期修繕計画に合わせて改定しているかどうかがポイントになるでしょう。

管理費や修繕積立金は、毎月支払わなければならないランニングコストですから、なるべく安いほうがありがたいと思いがちです。しかし、あまり安すぎると、きちんとした管理が行われず、資産価値を維持できないおそれがあります。修繕積立金が不足していると、数十万円から100万円単位の一時金を、後になって徴収されるかもしれません。適切な設定金額かどうかを冷静に判断することが大切です。

今回の東日本大震災では、マンションの大きな被害はほとんどなかったことを前回までの記事で紹介しました。しかし、小さな破損の補修でも意外に費用はかかります。こうした災害時にスムーズに対応できるのも、十分な修繕積立金があり、管理組合の的確な判断と管理会社の迅速な対応があってこそ。改めて、マンション管理の大切さを見直してみてはいかがでしょうか。

編集協力:AllAbout

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