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中古マンションの査定って、どこが出しても同じ?

2011年7月26日

「今なら、自宅はいくらぐらいで売れる?」「すぐに売る気はないけど、自宅の資産価値が気になる」――そんな人に役立つのが不動産の価格査定です。そこで今回は、中古マンションの査定のしくみについて解説します。

東日本大震災の後、「いま、このマンションの資産価値はどうなっているの?」とか「周辺のマンションと比べて、うちのマンションの価格はどう?」といった問い合わせが、首都圏でも増えています。具体的な売却の予定があるかないかに関わらず、自宅の資産価値は気になるようですね。

「売却の依頼をするかどうか決めていないのに、査定を頼んでもいいの?」と心配されるかもしれません。しかし、すぐに売却するつもりがなくても、1年に1度くらいは査定をしてもらい、自宅の資産価値を把握することは大切です。こういった問い合わせをためらうことはありません。不動産会社による価格査定は無料で受け付けているケースが多いので、気軽に相談してみるといいでしょう。

住戸に入るかどうかで、査定方法が異なる

「自分のマンションがいくらで売れるかは興味があるけれど、自宅を見られるのは抵抗がある」という方も珍しくありません。実は、査定には2つのタイプがあり、住戸内には入らないで済む形式もあるのです。そこで、査定の種類から解説しましょう。

1つは「簡易査定」です。これは、周辺で売り出し中の物件、既に売買が成立した最近の成約事例、公示地価などの価格データと、対象になる物件のデータを基に、価格を割り出すものです。ご自宅まで訪問することはありません。

インターネットや電話で受け付けて、早ければ30分から1時間程度で回答が来るケースもあります。とりあえず、自宅がいくらか大枠を知りたいなら、簡易査定を頼んでみるといいのではないでしょうか。

2つ目は「訪問査定」です。簡易査定の項目に加えて、実際にご自宅を訪問して、住戸内の使い方や水回り設備の状況、日当たりや風通し、眺望などを確認します。リフォームの有無など、売主にヒアリングする項目も少なくありません。実際に売却するに当たって、売出価格を決める根拠となる価格を評価するもので、「実査定」とも呼ばれています。

どちらの査定を頼むかは、売主の目的次第ということになります。

簡易査定でも、かなり精度の高い価格が出ることもある

簡易査定というと、データだけを基に割り出しているイメージを持つかもしれません。しかし、同じ簡易査定と呼んでいても、不動産会社によって調査範囲が異なる場合があります。たとえば野村不動産アーバンネットでは、個別住戸に訪問することなく、そのマンションが建っている現地を訪れて外観や周辺環境の状況をチェックし、必要に応じて関連する行政の調査も行うのが基本です。

もっとも、営業エリア内の主要マンションについては、過去に取引をした経験があるため物件の特徴から周辺環境まで把握しています。また、ある時期以降のマンションについては、分譲時のパンフレット、価格表、図面など当社独自のデータベースに蓄積してあります。ですから、問い合わせを受けて、マンション名と部屋番号と方位さえ聞けば、住戸内の状況による若干のプラス・マイナスを除いて、物件に関する情報の8割以上は把握できているといっても過言ではありません。

土地や中古一戸建ての場合は、1区画ごとの個別性が高いため、簡易査定と訪問査定との誤差が大きくなるケースもあります。しかし、マンションの場合は、そのマンションごとに個性があり、固有のブランド価値を持っています。住戸単位の違いよりも、そちらの評価のほうが大きな割合を占めるため、簡易査定でもかなり精度の高い査定価格をはじき出せるのです。

最近になって分譲された小規模なマンションで、まだ中古になってから売り出されたことがないようなケースでは、現地に足を運んでチェックすることはあります。いずれにしても、簡易査定だからといっていい加減な評価が行われているわけではないことを知っておきましょう。



マンションの眺望など、訪問査定で住戸内を見ないとわからない要素もある

もちろん、より正確な価格を割り出すには、訪問査定が欠かせません。同じマンション内の同じ向きの住戸でも、ちょっと角度が違うだけでも眺望の見え方は違います。

グレードの高いシステムキッチンに替えたとか、カーペットをフローリングにして床暖房を入れたとか、プラスに評価できる項目などは、実際に部屋に入って現物を見ないとわからないことがあるからです。具体的に売却を検討している場合には、訪問査定を頼んだほうがいいでしょう。

編集協力:AllAbout

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