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中古マンション最新トレンド
中古マンションの査定って、どこが出しても同じ?
2011年7月26日
取引実績の豊富な不動産会社ほど精度の高い査定ができる
「同じ訪問査定を頼んだのに、A社とB社で査定価格が違うのはどうして?」という質問を受けたことがあります。実際のところ、5~10%程度の差が出ることは珍しくありません。評価項目や査定のしくみ自体は大きく変わらないはずなのに、なぜこのような違いが出るのでしょうか。
その理由は、評価のプロセスで使われる成約事例が異なるからです。たとえば、成約事例のデータベースは、不動産情報ネットワークのレインズ(指定流通機構)に蓄積されています。しかし、すべての事例が掲載されているわけではありません。掲載する前に売れてしまった物件、売主の事情で成約価格が公開されない物件もあります。
物件に合わせて評価手法を変えることも、査定のポイントのひとつ
そのため、査定対象となるマンションと同じ棟内における直近の成約事例を、自社でどのくらい把握しているかによって、査定結果に差が出てくるのです。特に都心部の人気の高いマンションについては、近隣の類似した事例と比較するよりも、同じマンション内での取引実績が多いか少ないかで評価の精度が分かれます。
成約事例の購入者の属性を把握していることも大切です。たとえば、専有面積が30~50m2程度のコンパクト・マンションは、自分で住むために購入するシングルやDINKSだけでなく、賃貸に出して収益を得る投資用物件としての需要もあります。
後者をターゲットにする場合は、賃料と期待利回りから逆算して計算する「収益還元法」による評価を並行して実施します。成約事例との比較で行う通常の「取引事例比較法」とは、少し査定結果が異なるでしょう。こうした両建ての視点で見ているかどうか。それによっても査定価格は変わってくるのです。
査定価格に裏付けがあるかどうかがポイント
「会社によって査定結果が違うなら、なるべく高い査定価格を出したところに売却を依頼したほうがいい」と思いかもしれません。少しでも高く売りたいのが売主の人情ですから、無理もない考え方です。しかし、必ずしも査定価格が高ければ、高く売れるとは限りません。
1つのマンションの売り出しに当たって複数の不動産会社が競合する場合、自社で売却依頼を受けたいがために高めの査定価格を提示する会社も、なかにはあります。しかし、その査定に合わせた金額で売り出しても、相場より割高に映ってしまい、購入問い合わせの反響がないために値下げせざるを得ない状況になるかもしれません。結果的には、最初に低めの査定価格を出した会社の提案にしたがって、相場通りの価格で出していたほうが高く売れたという例もよくあります。その査定価格の根拠がしっかりしているかどうかが重要です。
逆に、大規模なマンションでは、同じ棟内や団地内で同じ時期に複数の物件が売り出されることがあります。あるいは、近くで新築マンションが分譲される計画があるかもしれません。このように競合物件が多い場合には、やや抑え目の金額を提示しなければならないケースもあります。そのエリアにおける様々な不動産情報の動きを、いかに把握しているかも大切な要素です。
最終的には、売主がなんのために売却をしたいのか。その目的とスケジュールに合わせた売却ができるかどうかが重要です。売却提案と合わせた査定価格を提案できる不動産会社かどうかをチェックしましょう。
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