中古マンション購入の不安を解消！新保証制度

2013年1月28日

今回は、中古住宅流通に大きな変革をもたらす可能性がある「住宅設備・瑕疵保証サービス」について取り上げます。まず、このサービスが登場した背景から説明していきましょう。

実は「住宅設備・瑕疵保証サービス」という決まった名称があるわけではありません。サービスの名称は各社さまざまです。瑕疵担保責任に関わる部位や住宅設備について第三者機関に検査してもらい、引渡し後6ヶ月間から1年間の保証を付けるという枠組みが共通しています。現在のところ、今年（2013年）3月末までの期間限定キャンペーンとして、自社の顧客に対して無料でサービスするケースが多いようです。

基本的な仕組みは図2の通りです。売主が売却時に仲介業者担当者もしくは、仲介業者が指定する第三者検査機関による物件の検査を受け、引渡し後、売主の瑕疵担保責任や住宅設備の修復義務がある期間までは売主への保証、その後は買主への保証となっています。買主にとっては実質的に6ヶ月から1年間の無償修理保証を受けられる形です(この形式とは異なるケースもあります)。これまでの7日間、または3ヵ月に比べると大幅に延長されています。売主にとっても、引渡し後の負担やトラブルを回避できるという点でメリットが大きいでしょう。売主、買主双方にとって、より安心・安全な取引ができる仕組みといえます。

不動産会社によって、対象となる物件はマンションか一戸建てかのいずれか、もしくはその両方というパターンがあります。また、保証の対象も、雨漏りやシロアリ被害などの瑕疵か住宅設備か、もしくはその両方かが違います。希望の物件に合ったサービスを選ぶことが大切です。

さらに、中古マンションの住宅設備保証を対象にしたサービスでも、細かい条件や内容が不動産会社によって異なります。図3はその一例です。

たとえば、野村不動産アーバンネットの「検査・補修・保証サービス」では、検査と保証の間に「補修」というプロセスがあるのが特徴。他社の「検査・保証」の場合、検査で故障や不具合が見つかると保証の対象外になってしまいますが、同社では、それを一定の範囲内で補修することで、保証対象にします。

売主にとっては「検査・補修済み・保証付き」という付加価値になり、買主にとっては万が一の保証に加えて、補修しなければならない確率が下がって、引渡し後の手間が減るというメリットが高まるといえるでしょう。

中古マンションの適用対象になる条件も微妙に違います。1983(昭和58)年1月以降に竣工したマンション(2013年1月時点で築30年以内)という条件もあれば、築25年以内という条件もあります。設定された築年が外れる物件は保証の対象外です。

保証の対象から漏れたケースに対して、別のサービスを提供しているケースもあります。たとえば、野村不動産アーバンネットでは、ハウスクリーニングの無料サービスを選ぶことができます。

こうした保証サービスが可能になったのは、2012年春頃に新しい保険制度が登場したからです。パソコンや家電製品を販売する量販店などで、メーカー保証が切れた後も有償で保証期間を伸ばす「延長保証」のしくみを中古住宅向けに応用したものといえます。不動産会社によっては、6ヵ月まで無料で保証し、それ以降は金額によって期間を伸ばす有償サービスをセットしているケースもあります。

今後は、売主にしても買主にしても、仲介を依頼する不動産会社によって、保証が付くかつかないか、保証がある場合もサービス内容がどういうレベルか、などの違いが出てくることになります。こうしたサービスの中身をよく吟味して、自分の希望するサービスを提供している不動産会社を選ぶことが重要になってくるでしょう。