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固定型か変動型か、住宅ローンはどう選ぶ?

2013年10月28日

金利が上昇するという予測がある一方で、住宅ローンはなるべく低い金利で借りたいのが人情。固定型か変動型か、先輩購入者は何を選んでいるのか、最新の金利動向と住宅ローンの組み方・選び方を紹介します。

金利の低い変動型の利用者が相変わらず多い


住宅ローンを選ぶときに「固定型か変動型か」で悩む購入者も少なくありません。
図3は、住宅ローン利用者のなかでどの金利タイプを選ぶ割合が多いかを示したものです。これを見ると、変動型が高い割合を保っていることがわかります。ただ、変動型の割合は徐々に減る傾向にあります。2013年の春先に日銀が「インフレ目標2%」を表明して金利先高感が強まった時は、一時的に固定型の割合が急増。5月には、変動型と固定型の割合が逆転しました。しかしその後、再び変動型の割合が増えています。

金利タイプ選択のセオリーとしては、景気が良くなって金利が大きく上がると予想されるなら「固定型」、それほど上昇しないか横ばいが続くと思うなら「変動型」、などと言われています。その間で迷う場合は、3年から10年程度の固定期間選択型を選ぶ、という感覚です。しかし、前述のように先行きはなかなか読めません。その結果、なるべく低い金利で借りて返済負担を抑えたいという気持ちを持つ人が多いため、変動型の割合が高くなっているのでしょう。

仮に「金利は今が底で、これ以上は下がる余地が低い。数年後には上がるから固定型が安心」と思っても、購入する時点の負担額の違いは小さくありません。固定型は金利が変わらないので安定した返済計画を立てられますが、変動型より1%以上も金利が高いケースが多いのです。

たとえば、3,000万円を35年返済で借りる場合の毎月返済額で比較してみましょう。
0.775%の変動型なら8万1,576円、1.93%のフラット35だと9万8,305円です(どちらも2013年10月時点の金利水準)。変動型のほうが月々1万6,700円以上も少なくなります。年間では約20万円もの差です。こうした違いが、金利の選択行動に現れているのでしょう。

固定型と変動型の良いとこ取りの「ミックス借入」も

それでも「固定型か変動型か」で迷われる場合は、固定型と変動型の「ミックス借入」という選択もあり、利用者は徐々に増えています。固定型の安心感と変動型の低金利という、双方のメリットを享受しながら、固定型の高金利による負担感と変動型の金利上昇リスクというデメリットを減らせる仕組みです。


図4のように、ミックス借入にすると、当初の返済額は変動型だけのときよりもやや多くなりますが(固定型だけより少ない)、金利が上昇した場合の影響は変動型だけのときよりも小さく抑えられます。
ミックス借入は、変動型、全期間固定型、固定期間選択型のいずれの組み合わせでも可能で、それぞれのタイプを何割ずつ組み入れるかという設定もいくつかのパターンでできます。実際には、変動型10年固定半分ずつミックスするケースが多いようです。

最近では、変動型で借りた後、金利の変動状況に応じて固定型(固定期間選択型)に切り替えることも、比較的柔軟にできるようになっています(固定期間選択型の特約期間中は他の金利タイプに変更ができない場合もあります)。金融機関によっては、返済途中に返済額を増やしたり減らしたりできる「返済額増減型」の商品を出しているところもあります。そういう意味では、最初に選んだ金利タイプや返済方法にずっと縛られるわけではありませんから、「とりあえず変動型を選んでおく」というのもひとつの方法でしょう。

また、繰上返済でなるべく早めに元金を減らしておけば、金利が上がったときの返済額増加の影響も抑えられます。繰上返済には基本的に手数料がかかりますが、インターネットを利用して繰上返済の手続きをすれば手数料を無料にするなど、さまざまなサービスを提供する金融機関も増えてきました。金利だけでなく、金融機関によって細かいサービス内容は違います。自分に合ったサービスを提供してくれるところを選ぶことも、資金計画のポイントの一つです。

最近では、平日の夜間や土日に相談会を開催したり、住宅ローン専門のローンセンターを常時開設している金融機関も少なくありません。以前ほど、銀行の敷居は高くないのです。不動産会社の営業担当者から、「どの銀行のどの商品が有利か?」といった最新情報を入手した上で、いくつかの銀行に相談してみるのが賢明でしょう。

【関連サイト】
ノムコム「住宅ローン」

編集協力:AllAbout

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