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マンションは「築10年以内」で探すと損をする?

2013年11月26日

中古マンションは、一般には築10年以内といった築年数の新しい物件の人気が高いようですが、それより古くてもお買い得な物件もあります。築年数をどう考えればいいのか、築年数に対する誤解や思い込みを解消するための物件の見方を紹介します。

築20年以上は玉石混淆。個別に中身を要チェック

築年数にこだわることで選択肢が狭まってしまうおそれがあることを指摘しましたが、とはいえ、一定以上の築年数になるとやはり注意が必要です。

まず、バブル期以前の物件は、おおむね築32年以内(2013年時点。建築確認の取得時期により異なる場合があります)であれば新耐震基準で作られているため、耐震性・耐久性の面では一応の合格ラインといえます。スケルトン・リフォームをすれば見違えるようになり、新築に負けない内装設備に変えることも可能な物件が多いでしょう。

ただし、1994年以降の大量供給時代の物件に比べると、遮音性・断熱性・居住性などの基本性能の部分でやや劣る場合があるので、構造面、管理面などを含めて個別にチェックすることが大切です。一方で、1980年代には「広尾ガーデンヒルズ」や「ドムス・シリーズ」、「ホーマット・シリーズ」などのヴィンテージマンションが出ていますから、物件ごとの差が大きいといえるでしょう。

また、一戸当たりの管理費修繕積立金が高めになっている物件もあります。価格は安くてもメンテナンスコストが高いと敬遠され、次に住みかえるときに売りにくくなる場合もあるので注意が必要です。

なお、住宅税制では、登録免許税の軽減税率や住宅ローン減税の要件に「築25年以内(木造住宅は20年以内)」という条件があります。その年数を超える場合は「耐震基準適合証明書」が必要です。売主がこれらの証明書をとっていないと、購入者が税制特例の恩恵を受けられません。

さらに、旧耐震基準の物件は、耐震診断を受け、必要に応じて耐震改修をしている物件かどうかがひとつの分かれ目となります。旧耐震基準の頃に建てられたからといって、すべてのマンションの耐震性が低いわけではありません。ただし、その中身がきちんと検証されているかどうかを確認することが大切です。

築浅物件でも安心は禁物。周辺環境や管理面に注意

では、築10年以内のマンションなら何でも大丈夫かというと、実は落とし穴もあります。前述したように、建物の設備仕様や性能面では、当たり外れは少ないでしょうが、それ以外の要素で違いが出てくるのです。

たとえば、2000年代半ばに眺望の良さで話題になったタワーマンションがありました。分譲時は周辺相場よりも強気の価格設定でありながら、申し込みが殺到して即日完売となりました。こうした人気物件は、その後も資産価値が落ちないケースが多いのですが、そのマンションの場合は、隣に別の超高層マンションが出来て眺望が損なわれてしまいました。そのため、売却する際には期待よりも低い価格でしか売れなくなってしまったのです。
分譲時の評判を過信せず、周囲が開けて眺望のよい物件でも、隣地に建築計画がないかどうかをチェックしたほうが賢明です。

また、分譲したデベロッパーや施工したゼネコンが破綻している物件はおすすめできません。「品質確保促進法」が施行された2000年4月以降にできた新築住宅にはすべて、10年保証(10年間の瑕疵担保責任)がついています。主要構造部等に欠陥や不具合があっても10年間は事業主が補修する義務がありますが、デベロッパーやゼネコンが倒産してしまった場合には補修してもらえません。2009年10月から「住宅瑕疵担保履行法」が全面施行され、保険によってカバーされることになりましたが、施行以前のマンションは、マンション購入者自身で対応するしかありません。

駐車場の空きが多いマンションも要注意です。駐車場設置率100%を売りにしていた物件も多いのですが、現在は自動車の保有率が下がっていますから、利用者が減って空きが目立つようになった物件もあります。駐車場利用料は管理費や修繕積立金に充当されるのが普通ですから、管理費不足になるおそれも高いのです。特に、機械式駐車場は維持コストが嵩みます。空きが多いケースは気を付けましょう。

ここまでご説明したように、築浅物件であっても気を付けなければいけない物件は少なくありません。築年数だけにまどわされず、物件ごとによく見極めるようにしましょう。

編集協力:AllAbout

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