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中古マンション最新トレンド
家の「売り時」と「買い時」の微妙な関係
2014年2月27日
「売り時」と「買い時」は同時に到来しない?
前回の記事で、中古住宅市場が活性化し、価格が上昇傾向にあると書きました。買い手側の購入意欲も高く、値下げ交渉なしで売り出し価格そのままに成約するケースも増えている現在は「売り時」といえるでしょう。「今、自宅がいくらくらいで売れるのか知りたい」「高く売れるなら売却して買いかえたい」という問い合わせも増えています。
ただ、安易に「買いかえチャンスだ」と考えるのはおすすめできません。価格が上昇傾向にあるということは、「売る自宅」だけでなく「買おうとする新居」も同様に上昇している可能性があり、必ずしも資金計画が楽になるわけではないからです。
しかし、次のようなケースで住みかえを検討している方には絶好の「買いかえチャンス」になり得ます。たとえば、中古マンションから一戸建て、特に中古一戸建てを視野に買いかえを検討している方。その理由は、中古マンションと中古一戸建ての市場の間に発生している"ズレ"にあります。
中古マンションも中古一戸建ても、ともに売れ行きは伸びていますが、中古マンションの価格がじりじり上がっているのに対して、中古一戸建ては横ばいが続いています。リーマンショック後に値下がりし、その水準を脱していません(図1参照)。そして、マンションの中でも価格が上がっているのは都心周辺の物件です。つまり、値上がりしている都心の中古マンションを売って、まだ価格が上昇に転じていない準都心や周辺部の中古一戸建てに買いかえれば、大きなメリットがあるといえるでしょう。
もう一つは、自宅が築10年前後のマンションで、人気のタワー物件などで購入希望者が多く、高めに売れる可能性がある場合です。将来、買いかえる必要があると思うのであれば、今後さらに値上がりする可能性が高い新築マンションに、早めに買いかえるのも賢い選択でしょう。都心部の新築マンションだけに限定すると供給数が少ないので、築年数の新しい中古マンションを併せて検討するほうが選択肢が広がります。
すべてのエリア、物件が「売り時」とは限らない
一方、マスコミの報道など不動産市場の価格上昇ムードがあふれているため、中古市場全体が好調だと勘違いされる方もいるかもしれません。都心のタワーマンションが強気の価格設定でもすぐに売れていると聞いて、郊外の中層マンションを相場よりも高い価格で売り出して失敗したという例もあります。「価格動向」の記事などで指摘しているように、物件の種類やエリアによって動きに差があることに注意してください。
同じ中古マンションでも、旧耐震基準の頃にできた築年数の古い物件や、郊外の、最寄駅から遠くバスを利用する物件などは、購入希望者が少ないために、売り手側に有利な売却活動は難しい状況です。また、郊外の一戸建てを売って都心のマンションに住みかえたいという希望は多いのですが、想定よりも売却価格が低いために、都心に買いかえるほどの資金が捻出できない場合もあります。
しかし、郊外であっても買いかえが上手く行くケースもあります。たとえば、子どもが独立して二人になった年配のご夫婦が、駅から遠いバス利用の旧分譲地内にある中古一戸建てを売り、駅に近くて生活に便利な施設が充実したエリアにある、2LDKの中古マンションに買いかえて、さらには老後資金まで残したという事例もあります。
「売り時」でなくても、買いかえを成功に導くことができるというわけです。
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