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消費税率アップは中古マンション市場にどう影響したか

2014年6月12日

2014年4月、予定どおり消費税率が8%へ引き上げられました。中古マンション購入希望者はどう反応し、中古マンション市場にどう影響したのでしょうか。4月の成約状況や在庫数などのデータから、検証してみましょう。

4月の中古マンション成約件数は、前年より減少

「消費の落ち込みは想定の範囲内
「この程度は折り込み済み」
「景気の減速は小幅にとどまる」―――

2014年5月に入ってから、こんなニュースが頻繁に聞かれるようになりました。内閣府からも、4月の主要分野の消費動向について「自動車販売台数は前年比5%減、百貨店の売上高は前年比12%減少」、などと発表されています。「5~10%の落ち込みは想定内」「前回の消費税率引き上げ時よりも業績に与える影響は大きくない」というのが、政府の立場のようです。

住宅や不動産分野はどうでしょうか。他の産業にくらべてやや影響が大きいという見方があります。中古マンションについては、首都圏全体で前年に比べておおむね1~2割マイナスという分析が出ているようです。やはり消費税率引き上げ前の駆け込み需要と、その反動減が出ているのでしょうか。

図1中古マンション成約件数の伸び率グラフ

図1は、中古マンションの成約件数の対前年変動率の推移を示したものです。2013年は2桁台のプラスが続いていました。2014年に入ってから伸び率が鈍化し、消費増税が実施された4月はマイナスに転じています。首都圏全体では▲10. 7%となりました。2桁台の大幅なマイナスを示したのは、東日本大震災後の2011年3~5月以来、3年ぶりです。
都心3区では、昨年は+40~50%の大幅な伸びが続きましたが、この4月は▲16.6%と落ち込みました。

個人間の中古マンション売買には、物件価格に消費税が課税されませんから、税率引き上げの直接的な影響は本来ないはずです。しかし、実際には成約件数の減少という結果が表れています。

これは、消費税のかかる新築マンションと関連した動きといえるでしょう。新築マンションの購入を考えていたが、希望のエリアで見つからない、予算に合わない、などの理由で中古マンションにシフトするケースは多く見られます。
また、新築マンションと中古マンションを同時検討する人も増加しています。中古マンションの市場は、新築マンションと無関係というわけには行かないのです。

新築マンションの客足が減っているのは、消費増税と価格上昇による買い控えムードのせいもあるでしょう。しかしもっと大きな要因は、新規売り出し物件の戸数が極端に減ったことです。

不動産経済研究所の調査によると、2014年4月に首都圏で発売された新築マンション戸数は、対前年比▲39.6%と大幅に減少しました。新築マンションの供給戸数が減れば新築の購入希望者の動きは鈍ります。それに伴って中古マンションの購入希望者の動きも鈍ってしまうというわけです。

なお、同時期の新築マンションの契約率は74.7%でした。昨年に比べるとやや下がっているものの、好調の目安とされる70%は上回っています。一定の購入者層は動いているといえるでしょう。

成約減少の理由は消費税率引き上げだけ?

中古マンションの成約件数が前年に比べて減少していることは確かですが、消費税率引き上げの影響だと即断することはできません。詳細な分析はここでは不可能ですので、数字を見るうえで気を付けるべきことを挙げておきましょう。

ひとつは、不動産市場の季節要因です。年度末である1~3月は住みかえシーズンで取引が増えます。3月までに売買取引は完了、新年度は新居でという方がほとんどですので、4月に取引が少ないのは例年どおりの現象なのです。

もうひとつは、2013年3~5月の不動産取引が例年より多かったことです。例年に比べかなり活況だったために、その水準と比べると、減少幅が大きく見えるといえます。

図2-1東京都の過去3年1-4月成約件数推移

図2-1を見てください。過去3年間の1~4月の成約件数(東京都)を示したものです。毎年2~3月にかけて盛り上がり、4月に減少する状況が繰り返されていることがわかります。

この3年間では2014年3月の成約件数がもっとも多く、中古マンションに対しても消費税率引き上げ前の駆け込み需要があったことが伺えます。ただ、2014年4月の成約件数は、好調だった2013年に比べると少ないものの、2012年よりは多くなっています。

図2-2埼玉県の過去3年1-4月成約件数推移

埼玉県の場合は、2014年2~3月の成約件数は2013年同時期とほぼ同じ、どちらかと言えばやや少なく、駆け込み需要があったとまでは言いにくい状況です。また、2014年4月は2012年と同水準となっています。

これらのデータを見る限り、2014年4月の成約件数が例年より大きく落ち込んだとまではいえないのです。

編集協力:AllAbout

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