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中古マンション最新トレンド

消費税率アップは中古マンション市場にどう影響したか

2014年6月12日

2014年4月、予定どおり消費税率が8%へ引き上げられました。中古マンション購入希望者はどう反応し、中古マンション市場にどう影響したのでしょうか。4月の成約状況や在庫数などのデータから、検証してみましょう。

都心の成約率は上昇している?

さらに細かいエリアの状況を見てみましょう。営業現場の感覚では、2~3月よりも取引件数は減ったとはいえ、4月以降も中古マンションに対する購入意欲は衰えていないと感じます。

特に都心部では、新築マンションの供給が少ないため、初めから中古マンションに絞り込んで探している購入希望者が少なくありません。新築が出たとしても、中古のほうが立地や建物の基本仕様が優れているケースも多いため、新築の動きに引っ張られることは少なく、消費税の影響も受けにくいといえます。

都心の中でも、立地・プラン・売主のブランド力のすべての点で上級なプレミアムマンションの中古物件は、普段はめったに売り出されません。ところが、アベノミクスで盛り上がっている景況感や、マンション価格の先行き高騰感で「この価格でなら売ってもいい」と、売り出すオーナーが出てきています。

富裕層は、こうしたマンションに関しては、価格が多少高くても「買っておこう」と判断するようです。「この機会を逃すと次はいつ出るかわからない」と考えているのでしょう。その結果、価格は高めにシフトしています。こうした動きが、その他の価格帯の物件にも波及し、都心部のマーケットを支えているのです。

図3成約率の推移グラフ

こうした状況を裏付けるようなデータがあります。図3は中古マンションの成約率の推移を示したものです。

成約率(※)とは、流通している中古物件全体(ストック)に対する成約件数の割合です(月別に集計)。これを見ると、都心3区の成約率は、駆け込み需要の集中した3月を除き、2013年から全体として右肩上がりとなっています。しかも、不動産全般が盛り上がっていた2013年4月よりも、2014年4月のほうが0.9ポイント高いのです。

一方、郊外の千葉市やさいたま市の成約率は、短期間の上下はありながらもほぼ横ばいで、2014年4月は前年同月より大きく下がっています。都心に比べ郊外のほうが中古市場は新築市場の影響を受けやすく、消費増税によるマイナスが強く表れているといえるかもしれません。

(※)成約率=当月の成約数÷(前月末在庫件数+当月新規登録件数)。成約率は各エリアのトレンド(推移)を見るための参考としてください。成約率が高いさいたま市・千葉市のほうが都心3区より取引が活発ということではないことにご注意ください。

消費税よりも金利の影響が大きい?

どこまでが消費税率引き上げの影響かは明らかではありませんが、4月以降、住宅市場が停滞ムードに包まれていることは確かです。ただ、裏を返すと、こうした時期だからこそ購入のチャンスともいえます。

というのも、「売りたいという相談」「査定して欲しいという相談」は減少していないからです。中古マンションの価格が上がっているため「市況が良くなったので売ろうか」「良いものに買いかえるチャンスではないか」という考え方で売却する動きが目立ってきました。

また、セカンドハウスや投資用に所有しているマンションを利益確定のために売却する、2015年1月から増税が決まっている相続税対策として資産を現金化しよう、などの理由での売却希望も増えています。つまり、購入者にとっては、良いものを選びやすい時期にあるともいえるわけです。

また、都心部で7,000~8,000万円の中古マンションを購入している方に話を聞くと「少しくらい価格が上がっていても、金利が低い今のうちに買ったほうが得」と判断して、購入を決断しているケースが少なくありません。
現在は金融緩和政策のと、各金融機関が積極的に金利優遇キャンペーンを展開しています。しかし、この先は景気回復に伴って金利が上がる、または金利優遇キャンペーンが終了する可能性があります。金利は、総支払額に大きく影響しますので、それを見越した判断です。

図4金利上昇による影響試算

2014年5月現在、変動型金利の店頭表示金利は2.475%で、そこから1.7%引き下げている金利優遇が一般的です。適用金利は0.775%になります。金利優遇が終わると、店頭表示金利と同じ2.475%が適用されます。

そこで、適用金利が0.775%(A)と2.475%(B)の場合に、トータルの支払い利息がどうなるかを比較してみましょう。購入する中古マンションは7,000万円で、頭金1,000万円、ローン6,000万円、返済期間は35年です。期間中に金利は変わらないものとします。

すると、35年間のトータルの利息は(A)が約830万円、(B)が約2,900万円となり、2,000万円以上の差ができます。金利上昇と優遇キャンペーン終了、両方とも起きる可能性も否定できません。消費税率引き上げで、数十万円増すのとはレベルが違います。こうした事実をどう捉えるかによって、購入行動は変わってくるでしょう。

編集協力:AllAbout

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