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中古マンション最新トレンド
タワーマンション「お買い得」住戸の見つけ方
2014年6月27日
新築マンションの価格設定には「お買い得」はないはず?
たくさんの住戸が一斉に売り出される新築マンションでは、部屋を選ぶ際に、「どの住戸がお買い得?」という疑問を持つ人は少なくありません。中古マンションでも、総戸数が500戸、1,000戸の大規模や超高層タワーでは、同時期に10戸以上の住戸が売り出されていることがあります。こうした場合も「どこを選んだらいいか迷ってしまう」という声を聞きます。
その疑問を解くヒントの一つが、新築分譲時の価格設定に隠されています。
そこで、新築マンションの価格表の基になる「値付け」の仕組みについて紹介しましょう。
新築マンションの値付け担当者は、まず全体の平均価格を表す「標準住戸」を設定します。簡略化のため5階建てで説明しますと、中間層に当たる3階フロアの南向き中住戸が標準住戸です。そこを基準にして、階数や位置によってプラス・マイナスし、点数を付けていきます。
3階の標準住戸を100とすると、上の4階は110、下の2階は90、同じ3階でも角住戸は105、という具合です。点数の差をどのくらいにするかは、地域のマーケット、物件の立地や設備仕様などによって違います。
点数を付ける時の基本的な法則は、次の通りです。
- ・階数:高層階>低層階(通風採光、眺望が良くなるため)
- ・住戸配置:角住戸>中住戸(開口部が多くて通風採光が良くなるため)
- ・向き:南>東>西>北(日当たりが良い順番)
この法則は、一般的な人気の高さを反映しています。
次に、個別条件によって調整をします。たとえば、1階住戸の専用庭や上層階のルーフバルコニーなど、プラスアルファの要素がある場合は、通常よりややプラス。2階住戸で下にエントランスホールがある、エレベーターが近い、などの場合は人通りが多く音が気になる人もいるので少しマイナス、という具合です。
値付け担当者は、特定の住戸に申し込みが集まり過ぎないよう、人気の高そうな住戸ほど価格を高く設定します。不人気で売れ残りが出たりしないよう、どの住戸も均等に売れるような値付けを目指すわけです。適切に値付けされていれば、価格と価値が一致しているはずですから「お買い得」な物件はありません。
ただ、この値付けの根拠は、過去の経験や販売実績などの「一般的な価値観」です。購入検討者がそれとは違う価値観で選ぶ場合は、思わぬ「お買い得物件」が潜んでいることがあります。
たとえば「エレベーターに乗る時間が煩わしいので下の階がいい」「外壁に面した角住戸より、上下左右の住戸から温められる暖房効率の良い中住戸がいい」などの場合は、比較的安い住戸で高い満足度を得られるかもしれません。
タワーマンションは「向き」より「眺望」。
上に行くほどいい、わけではない?
タワーマンションでも、価格設定に関する基本的な考え方は一般的な新築マンションと同じです。ただ、当てはまらない要素もあります。もっとも大きな違いは、「向き(方角)」と「眺望」に関することです。一般的なマンションは東南角住戸の人気が高いのですが、タワーマンションではそうとは限りません。
たとえば、東京湾のベイエリアでは海とレインボーブリッジが見える方角の住戸が、最も人気が高い傾向があります。港区港南のマンションの場合は東向き、品川区になると北東向き、江東区有明なら北西向きです。
タワーマンションでは、敢えて南向きを避ける人もいます。前面に遮るものが何もない上層階の南向き住戸は、日当たりが良すぎて室内温度が高くなり、エアコンがききにくい場合があります。タワーマンションを売却する理由のひとつに「南向きで暑すぎる」を挙げる人が多いのは、意外に知られていません。
眺望の面でも、南向きが好まれない理由があります。正面から太陽光を受けて逆光となるので、景色が暗く見えてしまうのです。反対に、北向きは太陽を背後から受けるため順光になり、キレイに見えます。南にランドマーク的な目を惹く景色がある場合を除いて、南より北向きが好まれる傾向があるのです。
階数についても、上のほうがよいとは限りません。上層階に行くほど視界が開けて眺望が良くなるのは、バルコニーに出て眺めることを前提にした見方です。通常は室内で生活するのだから、リビングルームのソファに座って見える眺望で判断したほうが良い、という意見もあります。
座っている状態では、あまり上層階に行くと空しか見えなくなります。少し下の階のほうが海や街並み、夜景がよく見え、そちらを好む人も多いのです。また、天気の悪い日は白く曇って見えるだけで、雨や雪が降っているかどうか判断がつかないという不便さもあります。
こうしたタワーマンションに対する特有のニーズは、新築分譲時の価格設定にもある程度は考慮されています。しかし、中には細かい眺望の違いが充分に反映されていない場合もあるようです。価格設定の法則を知った上で個々の住戸を見ていくと、自分にとっての「お買い得」物件を見つけられるかもしれません。
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