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中古マンションの寿命、ホントは何年?

2014年7月14日

築年数の古い中古マンション、どうしても気になるのは「長く住み続けられるのか」「寿命はどのくらいあるの?」という点。よくいわれる「寿命30年」は本当なのでしょうか?マンションの寿命について考えてみました。

マンションの寿命は60年以上?

「築30年」を超える中古マンションの取引が年々増加しています。2012年には、成約件数の2割を超えました。(図1参照)。毎年いくつものマンションが完成し、ストックとして蓄積されていきますから、築年数の古い物件の取引が増えるのは当然といえば当然です。しかし、単に量が増えているだけでなく、購入する人も、築年の古さに対して昔ほど抵抗を感じていないように思います。

その一方で、築30年のマンションに「あと何年くらい積み続けられるの?」「マンションの寿命はどのくらい?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
日本の住宅の平均寿命は 30年程度といわれてきました。ただ、この30年という数字は、構造や種類を問わず、ある期間に取り壊された住宅の、その時点での築年数の単純平均です。 それらは、必ずしも建物の「寿命」で取り壊されたわけではありません。「短すぎる」と感じた人も多いかもしれませんね。

図1中古マンションの築年別成約件数のシェア・グラフ

「最近の研究では、より実感値に近い寿命が算出されています。
図2は、早稲田大学の小松幸夫教授らが、人間の平均寿命と同様の手法を使って推計した住宅の平均寿命です。2011年時点の推計では、一戸建て(木造専用住宅、専用住宅は個人住宅のこと)が58年マンション(RC=鉄筋コンクリート造の共同住宅)が60年となっています。一戸建てとマンションにあまり差がないのは意外ですね。

図にはありませんが、RC造の専用住宅は68年です。構造だけでなく、用途や住まい方が住宅の寿命に影響することがわかります。築30年の中古マンションを購入しても、建物の寿命まで30年以上はあると期待できるのではないでしょうか。


図2マンションと戸建ての寿命グラフ

住宅の寿命が次第に伸びている理由、一つはイノベーション

図2のデータでもう一つ重要なのは、調査時点が新しいほど平均寿命が伸びていることです。一戸建てもマンションも10数年間で15年以上も"長寿"になっています。日本人の平均寿命も毎年伸びていますが、住宅も同じように長生きになっているわけです。

住宅の平均寿命が伸びている理由の一つは、使われている材料のレベルアップ施工技術の進歩といえるでしょう。つまりイノベーションです。たとえば、マンションの主要構造部である鉄筋コンクリートの耐用年数は、90年代頃までは60年といわれていました。2000年頃から「100年コンクリート」という用語が新築マンションのパンフレットに載り始め、5~6年前から「200年住宅」という言葉も登場しています。

「200年住宅」というのは単なるキャッチフレーズではありません。図3は建築学会によるコンクリート耐久設計の基準です。200年の耐久性を想定したコンクリートの仕様は確立されており、現在でも建設可能なのです。
大手ゼネコンの竹中工務店では「500年コンクリート」の技術開発が行われていて、宗教建築などで10件以上の施工実績があるそうです。

図3コンクリート耐久設計の基準表

もちろん、コンクリートが100年もっても、住宅として同じ期間にわたって機能し続けるとは限りません。住宅は、耐久性の異なる部材、設備や内外装仕上げが複雑に組み合わされてできあがっています。これらの使い方、維持管理の仕方によって、実際の住まいの寿命は変わってくるわけです。

二つ目の理由は、ストック型社会への転換

また、住宅の平均寿命が伸びているもう一つの背景として、「フローからストックへ」という時代の変化があると思われます。90年代に「日本の住宅の寿命は30年」といわれていたのは、ある意味で事実でしょう。

その当時に築30年前後の建物といえば、戦後復興期から高度成長期にかけて建築されたものということになります。スクラップ&ビルドで、新しい技術を盛り込んだ、きれいな建物へ建て替えることが求められた時代でした。

ところが、バブルが崩壊してデフレ時代に入ると、簡単に建て替えや買いかえができなくなりました。また、建築技術もある程度成熟し、目立った進化は見られなくなります。新しいものが一番という価値観から、古い建物の良さを味わい、リフォームやリノベーションをしながら長く大切に住んでいく、という意識を持つ人が増えてきたのです。

かつては一戸建てへのステップ、あるいは"仮住まい"的なイメージが強かったマンションにも「永住志向」が芽生えてきました。永住に堪える広さ、ライフスタイルの変化に応じた間取りの可変性など、プラン面の配慮も住宅の長寿命化につながっています。

編集協力:AllAbout

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