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中古マンション最新トレンド

中古マンションの寿命、ホントは何年?

2014年7月14日

築年数の古い中古マンション、どうしても気になるのは「長く住み続けられるのか」「寿命はどのくらいあるの?」という点。よくいわれる「寿命30年」は本当なのでしょうか?マンションの寿命について考えてみました。

市場で売れない住宅は、そろそろ寿命?

住宅の寿命を左右する要素は、前頁で採り上げた物理的機能的な面だけではありません。「中古住宅のマーケット流通するかどうか」は、住宅の寿命を大きく変えてしまうのです。

たとえば、郊外の住宅地などでは、空き家のまま放置された住宅を見かけます。子どもが独立して高齢の夫婦のみになり、駅に近いマンションや高齢者住宅などに住みかえたのでしょう。その際、元の家の売却がうまく進まず、空き家のまま残ってしまっているケースがあるようです。

物理的、機能的にはまだまだ現役の立派な一戸建てに見えても、誰も使わない空き家というのは急速に老朽化します。いずれ解体されるのを待つだけの状態にあるとすれば、実質的には寿命が来ているといえるかもしれません。

一方、都心のヴィンテージ・マンションは築30年を過ぎても、問題なく流通しています。立地が良いのはもちろん、快適な住環境や資産価値を守ろうという住まい手側の意識が高く、きちんと維持管理されているため、「ここに住んでみたい」という購入希望者が後を絶たないのです。

ヴィンテージの代表といわれる「広尾ガーデンヒルズ」は、街区によって竣工年が違いますが、築28~34年で坪400万~600万円台の住戸もあります。今でも街区や棟を限定した購入希望者が控えており、周辺の新築より高額の物件もあります。

このような中古マンションは、今後、築40年、50年になっても住み継がれていくでしょう。中古市場における流通性、言い換えると資産価値の高さが住まいの寿命を伸ばし、それがまた資産価値の高さにつながっています。

安全でないマンションは既に寿命が尽きている?

最後に、寿命を考える上で見逃せないポイントを指摘しておきましょう。「安心・安全」に住み続けられるかどうかという点です。

いくら耐久性の高い素材を使っていたとしても、大地震に耐えられる構造設計が行われていなければ、倒壊して人命にかかわる恐れがあります。現在想定される震度6強から7程度の大地震に耐えられない疑いがあるのは、1981年5月までに建築確認を受けた旧耐震基準の住宅です。それ以降の新耐震基準であれば、倒壊する危険性が低いとされます。

国は、「危険又は有害な状況にあるマンションの建替えの促進のため」に、2002年に「マンション建替円滑化法」を制定して、旧耐震基準のマンションの建替えを後押しする政策を進めています。2014年、さらに建替えを円滑に進められるよう同法が改正されました。

こうした観点からすると、1981年以前にできた「危険又は有害な」マンションについては、早急に建替えか解体が勧告される可能性があるわけです

注意して欲しいのは、旧耐震基準=「危険又は有害」ではないということです。
1981年以前にできた旧耐震基準時代のマンションでも、耐震診断を行って耐震性があることを証明できれば問題ありません。また、倒壊の危険があると診断されても、耐震改修工事を行って耐震性を高めることもできます。ただ、今のところ耐震診断や耐震改修工事を実施したマンションは多くありません。

図4東京都内マンションの耐震診断結果

東京都の分譲マンション約5万3,000棟のうち、2割強の約1万2,000棟が旧耐震基準です(東京都「マンション実態調査結果」2013年3月公表」)。また、都が実施した調査に対して回答した旧耐震基準のマンションのうち、耐震診断を実施したマンションは、わずか17%。しかも、その診断結果として、「大地震に対して倒壊または崩壊する危険性が低い」ことを意味する「Is値(耐震指標)≧0.6」は3分の1にとどまります。

東京都では都内のマンションの耐震化を推進しようと、2012年4月に「耐震マーク表示制度」を創設しました。旧耐震基準の建築物で新耐震基準への適合が確認された建築物の場合は「耐震診断済」、旧耐震基準の建築物のうち耐震改修により新耐震基準への適合が確認された建築物の場合は「耐震改修済」と表記されます。このような、いわゆる"マル適マーク"は、他の自治体でも実施しています。

マンションが本格的に普及してから50年程度のため、その「寿命」について明確なこたえは出ていません。20年ほど前まで30年と言われていたのが、どうやら建物としては60年程もちそうだということが分かってきました。住みたいマンションの寿命をただ心配するだけでなく、ここまで説明してきた内容を参考に、判断してみてください。

編集協力:AllAbout

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