不動産サイト nomu.com > 中古マンション > 中古マンション最新トレンド > 中古マンション購入のメリット・デメリット > 新築と同時に探すと中古マンションの良さが見えてくる(1ページ目)
中古マンション最新トレンド
新築と同時に探すと中古マンションの良さが見えてくる
2014年10月14日
新築と中古を両方検討する傾向が強まっている
マンションを選ぶ際に、新築と中古を同時に探す人が増えていることは以前から指摘してきました。この1~2年、その傾向がますます強くなっています。
図1は、不動産情報サイト・ノムコムが半年ごとに実施している「住宅購入に関する意識調査」です。住宅購入を検討するときに「新築・中古のこだわり」があるかどうかの質問への回答を、時系列で示しています。
これを見ると「新築・中古どちらも検討する」(新築+中古)の割合がもっとも高く、全体の66%を占めています。3人に2人は新築と中古を併せて見ているわけです。しかも、その割合は徐々に増加しています。その一方で「新築のみ検討」は少しずつ減り、「中古のみ検討」は10%前後で横ばいを続けています。
「新築・中古どちらも検討する」といっても、最初から横並びでというより、新築から探し始めて、次に中古にも目を向けるというステップを踏むのが一般的でしょう。筆者の営業現場でも、メールや電話の問い合わせ、来店をされた方の話の中で、「新築を何件か見ているが、築年の新しい中古も見てみたい」という声をよく聞きます。
特に2014年に入ってからは、新築マンションの供給量が急激に減っています。分譲価格も、昨年より10%ほど値上がりし、今後さらに5~10%くらい上昇するという見方が強くなっています。供給の減少と価格上昇によって、希望条件に合う新築物件を見つけにくい状態になっているせいか、中古に目を向ける動きが強まっているようです。
かつては「新築か中古か」が、住宅選びの主要なテーマの一つといわれてきました。両者を事前に比較検討して、どちらか一方に絞って探す傾向があったのです。最近は、マンション探しの「入り口」として、まず新築マンションを見て、予算と広さや立地の条件によって中古マンションも検討する人が増えているといえます。
"リッチな立地"を見出すなら中古が優位
新築と中古、両方を見学して、「意外に中古も悪くない」「新築より、場所も全体の雰囲気も良い」といった反応も珍しくありません。同時並行で検討して比較したほうが、新築と中古それぞれのメリット・デメリットが良く見えてくるという効果もあります。
まず、マンションの立地については、中古のほうが有利な場合が多いいでしょう。新築は、自分が探しているタイミングに、ちょうど希望の場所で分譲されているとは限りません。中古マンションは、過去から積み重ねられたストックの中から探すので、より希望条件に近い場所で見つかる可能性が高いのです。単に物件数が多くて量的な選択肢が豊富というだけでなく、立地の「質」の面でも、中古のほうが優れているケースが多いといえます。
たとえば、築10年から20年くらいの都心部の中古マンションの中には、「プレミアム」がつくような好立地の物件が珍しくありません。交通の便がよくて住環境も整い、なおかつ古い歴史を持つ由緒ある場所。言い換えると、資産性の高いリッチな場所、土地の持つポテンシャルが最近の新築よりも優れているということです。
これから出てくる新築は、以前ほど"立地がリッチ"な物件は期待できません。稀にそうした開発があっても、分譲価格は一部の富裕層にしか手が出ない"超"のつく高額になるでしょう。
新築と中古のスペックを比較してみると?
プラン面でも、新築と中古を同時に検討することで発見があります。一般的には、新築のほうが最先端の設備が入り、性能も優れているというイメージがあるでしょう。しかし、必ずしも新築だから優れているとは限らないからです。
ここ最近の新築マンションは、用地仕入れ価格や建築費、つまり原価が大幅に上がっています。販売価格を急激に値上げすると、売れ行きに大きく影響しますから、値上げ幅を抑えるケースが多いでしょう。かといって、利益を圧縮して原価高騰分を吸収するのも限界があります。そこで、建物の仕様の中で必要性の低い部分を削ぎ落としたり、簡素化したりして、コストを抑えていることがあります。表面からは見えにくいところのため、気づきにくいかもしれません。
新築マンションのパンフレットや公式ホームページをよく見ると、基本性能に関する内容が少なくなっている印象があります。以前なら、遮音性などの基本性能を左右する床や壁の構造について、詳しく解説するのが普通でした。「スラブ厚(コンクリート床版の厚み)が○ミリ以上あり、室内の仕上げは二重床・二重天井になっているので、遮音性が高く、リフォームしやすい可変性が確保される」といった記述です。
こうした情報が今の新築物件で省かれるようになったのは、それが当たり前になって説明するまでもなくなった面もあるでしょう。ただ、中には、そうした機能性に関する部分が充実していないために書かなくなったものもあるのです。以前なら二重床二重天井にするところを、床か天井のどちらかを直張りにして、「階高」(骨組み状態のコンクリート床面から天井面までの高さ)を低くしたり、また、平均専有面積を数平米小さくしたりすることもあります。
階高を1階当たり10cm低くすると、30階建てのタワーマンションならおよそ3m分低くなり、建物の高さが同じで1フロア多く作ることができます。専有面積についても、1戸当たりではたった1平米の違いでも、総戸数100戸のマンションなら合計で100平米になり、販売住戸を1~2戸多く収めることができるのです。同じ大きさの建物で販売戸数を増やすことができ、売上げが高まるというわけです。
2000年代前半頃までに分譲されたマンションなどと比べてみると、違いがよくわかるのではないでしょうか。売主が分譲時のパンフレットを保存している場合は、見せてもらうと良いでしょう。
- 2018年4月時点の不動産価格動向を解説 (2018年5月27日)
- 中古マンションの現地見学の流れをレポート (2018年4月27日)
- 住みたい街、恵比寿・代官山・中目黒の中古マンション事情 (2018年3月28日)
- 30年後も「マンション価格が下がりにくい街」とは? (2018年2月27日)
- 「社長が住む街」が都心になった理由 (2018年1月26日)
カテゴリーから探す
- 不動産セミナーのお知らせ
- これから開催するセミナーのご案内《参加費無料》
- 不動産コラム
- 地価・税制・法律などについて様々な視点から解説・紹介をしています。
- 地価・マンション価格動向
- 当社の独自調査。
メディアにも多数取り上げられています。 - 不動産購入ガイド
- 物件購入に関するお役立ち情報をご紹介します。
- 不動産売却ガイド
- 物件売却に関するお役立ち情報をご紹介します。
- 不動産用語集
- 不動産にまつわる用語を幅広く集めました。
- 不動産ニュース
- 業界動向やトピックスなど、不動産のニュースをお届けします。