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中古マンション最新トレンド
新築と同時に探すと中古マンションの良さが見えてくる
2014年10月14日
中古の価格はホントに新築の8割?
新築に対する中古の良さは、価格面も大きいでしょう。同じエリアの広さやグレードが同程度のマンションであれば、中古のほうが2割くらい安いのが一般的といわれています。
最近の統計データでは、首都圏全体の単純平均では、中古マンションは新築の4割ほど安い価格水準です(図2参照)。格差が大きいのは、中古の平均価格に築年の新しいものから古いものまで含まれているからでしょう。築年別で見ると、築6年から10年の範囲で新築の8割弱の価格水準になっています。
古くなるほど新築との価格差は広がるので、「構造や管理がしっかりしていれば築年の古さを気にしない」という人であれば、中古のお買い得感は増してくるでしょう。
また、価格の動きについても、新築と中古の両方をチェックしておくと有益です。現在のマンション市場は、新築と中古の関係性が強まっていることは、以前から指摘してきました。仲介の現場でも、中古マンションの価格査定をするときに、周辺で売れている新築マンション価格を参考にすることは欠かせません。
その結果、中古マンションの価格が新築に引っ張られるような動きが起きているのです。現在のような値上がり局面では、新築マンションのほうが先行して値が上がり、中古が後から追い掛ける形になります。つまり、新築と中古の価格動向にタイムラグが発生するわけです。
図2からも、それが読み取れます。築5年以内の築浅物件は新築とほぼ同じ動きをしていますが、「築6~10年」と「築11~15年」は、多少価格が上がってはいるものの、新築よりも動きが緩やかです。築20年を超えると、ほとんど値上がりしていません。
新築マンションと中古マンションを一緒に観察していると、こうした動きが手に取るようにわかります。あまり古くない築年数の中古マンションを探しているなら、希望エリアで新築マンションの価格が値上がりしている状況がわかれば、中古もこの後まだまだ上がる可能性があることが推測できます。「相対的に中古の価格が低いうちに早めに購入しよう」という判断ができるわけです。
新築マンションが値上がりしていないエリアもあります。こうしたエリアで、特に築年数の古い物件を狙っているなら、必ずしも購入を焦る必要はないでしょう。
中古にもモデルルーム!? 新築に負けない魅力が実感できる
中古マンションの良さは、現物を見て確認できる点にもあります。未完成もしくは建築開始前に分譲される新築マンションは、モデルルームやコンピュータグラフィックの映像、パンフレットなどの資料しか確認できません。いわば、バーチャルな世界を見て判断するしかないのです。中古なら、建物の具合や管理状態も自分の目で確かめられます。
ただし室内については、中古マンションの方が判断しにくい面があります。売主が居住している状態か、空室の状態のどちらかを見学するわけですが、空室の場合は特に、その住戸での自分たちの生活を実感しにくいのです。新築マンションは、モデルルームを作り、間取りプランに合わせてインテリアコーディネータが生活スタイルを提案しているため、どんな暮らしができるかをイメージしやすくなっています。新築と中古、それぞれに一長一短があるわけです。
こうした中古マンション探しにおける、良くも悪くも現実的すぎる側面に対する新しい試みも見られます。空室状態になった中古マンションを売り出す際に、新築モデルルームと同じように家具や生活雑貨などを置いたり、絵画を飾ったりして、室内を演出するのです。アメリカでは「ホームステージング」と呼ばれています。これによって、中古マンションでも実際の生活のイメージをつかみやすくなるのです。
従来から、リフォーム・リノベーション済み中古マンションを販売する業者の物件では、こうした室内演出をしている例がありました。個人が売主である多くの中古物件にこうした手法が普及すれば、中古マンションと新築マンションとを同じ視点で比べやすくなるでしょう。
これまで「新築マンションのみ」を希望していた人も、中古マンションに対する古いイメージを払拭して同時に検討してみると、意外な発見があるのではないでしょうか。
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