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中古マンション最新トレンド
ここに注目!2015年の中古マンション市場
2014年12月25日
三極化する不動産市場のミドル層を狙え
日本では経済格差が拡大しているといわれますが、不動産市場でも優勝劣敗が明らかになりつつあります。「都心と郊外」「中心部で売れている物件と周辺部で苦戦する物件」「東京一極集中と地方の衰退」など、勝ち組と負け組の二極化が進んでいるのです。2015年も、大きな流れとしてのこの構造は変わらないでしょう。
「東京一極集中の是正」という掛け声は出ていますし、地方創生の政策も打ち出されています。ただ、消費者目線で5年、10年というスパンで見れば、不動産の資産価値として将来性の高い地域は、東京の中心部といわざるを得ません。東京五輪へのカウントダウンに向けて、再開発やインフラ整備は都心部から湾岸エリアにかけて集中的に投下されているのが現実です。タワーマンションの開発計画も目白押しです。
ただ、これからマイホーム購入を検討している人にとって、「都心の勝ち組物件」を狙おうにも、人によっては既に高くて買えない水準になっているかもしれません。特に中心部では、前述した外国人投資家や富裕層と競合することも、視野に入れておく必要があります。かといって、通勤時間の長い郊外に流れるのは納得できないという人もいるでしょう。都心・郊外の二者択一で考えていると、落とし所が見つかりません。
実は、現在の不動産市場をよく検証すると、「都心と郊外」の両極端ではなく、中間地帯があることがわかります。都心と郊外の色合いの違いがこれまで以上に強くなった結果、中間地帯がより鮮明に浮き上がってきたわけです。この三極構造の真ん中に目を向けてみるのも、一つの選択肢でしょう。
中間地帯とは、首都圏でいえば山手線の外側を走る幹線道路、環状七号線と環状八号線に挟まれたゾーンのことです。23区内なら大田区、世田谷区、杉並区などの城南・城西地区が、それに当たります。都下も一部含めてもいいかもしれません。
これらのエリアでは、最寄駅に近くて築年も古くないなど、比較的条件の良い中古マンションが、坪単価100万円から200万円ぐらいの価格帯で安定している状況です。物件ごとの価格では3,000万~5,000万円の範囲に収まります。都心のような過熱感ではなく、コンスタントに取引があります。都心ターミナル駅まで1時間前後の通勤圏ですし、生活利便性や子育て環境が良好な場所も少なくありません。きちんと物件を選べば、次に買いかえるときも、大きく値下がりする可能性は低いでしょう。
2014年10月末に日銀の金融緩和第二弾が実施されるなど、現在の超低金利はしばらく続きそうですし、金融機関も住宅ローンに積極的です。こうした融資環境を活かし、エリアを選べば、無理せずに購入できるのではないでしょうか。
空き家対策で固定資産税の特例見直し
最後に、今後の住まいに関係する税制や法律について触れておきましょう。
まず、2015年度税制改正に盛り込まれることが濃厚といわれるのが「空き家に対する固定資産税の住宅用地特例の見直し」です。住宅用地特例とは、一定の居住用家屋の敷地に対して、固定資産税の評価額を更地の1/3または1/6に軽減する制度のこと(図4参照)。現状では、人が住んでいなくても、住宅が建っていれば特例が適用されます。
しかし、この特例を受けるために空き家を取り壊さず放置しているケースが増えているといわれています。特に状態の悪い空き家は火災の発生や建物倒壊、衛生の悪化、防犯性の低下などさまざま問題につながります。こうした危険な空き家を特例の適用除外にする方針が固まったようです。国土交通省の税制改正要望にも盛り込まれました。
2014年11月19日に成立した「空き家対策推進特別措置法」(空き家法)では、近隣に危険や害が及ぶ恐れがある空き家を自治体が「特定空き家」に指定し、修繕や撤去の指導・助言、勧告・命令を出せると規定されています。勧告・命令に従わない場合は、強制執行によって撤去する道も開かれました。この「特定空き家」が、固定資産税の住宅用地特例の対象から外されるようになると思われます。2015年5月頃までに同法が施行される予定で、早ければ2016年から税制の特例見直しが適用されそうです。
これによって、空き家の撤去と共に土地の流動化が進む可能性が出てきました。東京都大田区では「空き家の適性管理に関する条例」に基づいて、荒れ果てたアパートを撤去する行政代執行に踏み切った例が既にあります。全国で350以上の自治体が同種の条例を制定しており、それがキッカケになって空き家法ができました。税制改正とも絡んで、空き家とその敷地の取り扱いについての議論がますます熱くなりそうです。
なお、不動産の売買契約に影響する民法が、100年ぶりに大改正されます。2015年中に法案提出、国会の審議が始まるようです。安全な取引に関わる問題ですから、その動向について意識しておいたほうがいいでしょう。関連情報について、適宜記事でも取り上げて行きます。
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