プランもローンも充実「中古購入＋リフォーム」

2015年1月27日

中古マンションを買ってリフォームをする方法のバリエーションが増え、購入者の選択肢が広がってきました。住宅ローンとリフォームローンのパッケージも登場。資金計画も立てやすくなり、ますます普及しそうです。

 

「中古マンション購入＋リフォーム」の手法が増えることによって、幅広いニーズに対応できるようになりました。
たとえば、図2のような年代別のパターンを想定することもできるでしょう。

＜20代＞
20代の若い頃は、ライフスタイルに対するこだわりがあっても、収入は相対的に低いため、購入可能な価格帯は限られます。

そこで、郊外で築年数が古く、2,000～3,000万円で買える物件を購入し、前述した第3のスタイル（定額推奨プラン付き）を使ってフルリフォームするパターンではどうでしょうか？ 現在の低金利であれば、同等クラスの賃貸住宅の家賃よりも低い負担に抑えることも可能となります。実際に、若い層の間でこうした形でマンションを購入しているケースが増えています。

＜30～40代＞
30～40代であれば、少し予算を上げて、都心に近い築10～15年の中古マンションを4,000～5,000万円くらいで購入するケースは珍しくありません。このくらいの築年数であれば設備や内装もそれほど傷んでいないケースが多いので、部屋全体はハウスクリーニングで充分にきれいになるでしょう。

最近は、ユニットバスの裏側やバルコニーの隅々まで徹底して洗浄してくれるハイグレードなサービスを提供する"掃除のプロ"がいます。通常のハウスクリーニングの数倍の料金になりますが、前居住者の生活感や臭いなどを払しょくできる効果は大きいようです。

その上で、特にこだわりのある箇所を重点的にリフォームすれば、見違えるように素敵な住空間が実現できるでしょう。浴室やトイレ、キッチンなどの水回りに手を入れるケースが多いです。

リフォーム費用は物件価格の4～5％、200～300万円で収まります。このパターンについても、定額パック制のリフォームにすれば予算も立てやすくなります。また、金融機関によっては住宅ローンと一本化したリフォームローンを提供しているところもあります。

＜50～60代＞
50～60代になると、子供が独立して夫婦ふたりになっていることも多いでしょう。定年を迎え、第二の人生を歩み始める時期でもあります。こうしたケースでは、3LDKから2LDKへ部屋数を減らしてリビングを広げたり、書斎や趣味のスペースを作ったりと、間取り変更を伴うケースが少なくありません。同時に、バリアフリー化を進める工事をするのもよいでしょう。

「中古マンション購入＋リフォーム」は、手ごろな価格で新築並みの素敵な住まいを手に入れる方法というだけでなく、新築にはない「自分のこだわり」を盛り込めるというメリットがあります。多様なローンの登場によって、資金面での負担も軽くなりました。

ただし、物理的に自由なリフォームが可能だからといって、あまり凝り過ぎるのは考えものです。一般的なニーズからかけ離れてしまうと、将来、売却する際に苦労するからです。

「永住するつもりだから、思い切りこだわりたい」という人もいるでしょう。しかし、たとえ最初は永住志向であっても、家族構成やライフスタイルの変化、その他さまざまな事情から、買いかえや住みかえのために売却する可能性がゼロではありません。また、50～60代で"終の棲家"のつもりで購入した場合でも、いずれ子どもが相続した時に売却することもあるでしょう。

ですから、オーダーメイドやセミオーダーでリフォームをする場合でも、一般的なニーズの高いリフォーム事例もチェックしてみることをお勧めします。特に、実績の豊富な販売業者が手掛けた、トータルでコーディネートされたリノベーション済み物件は参考になります。時代のニーズをとらえた完成度の高い事例が少なくないからです。

リフォーム会社から住宅メーカー・不動産会社までさまざまな会社が参入している「定額制リフォーム・パック」の商品を比較するのも有効です。プランの中身と料金を照らし合わせて、予算内でいかに満足度の高いプランを作れるかを研究してみてはいかがでしょうか。あわせて、工事を依頼する業者の技術力、施工能力、信頼度も充分に検討しましょう。